つばきファクトリーはハロプロの中で最も“王道的なアイドル”に? 新シングル収録曲を分析

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2018年02月25日 12:22  リアルサウンド

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 ハロー!プロジェクトに所属するアイドルグループ、つばきファクトリーのメジャー3作目シングル『低温火傷/春恋歌/I Need You 〜夜空の観覧車〜』が2月21日に発売となった。結成からおよそ2年10カ月、メジャーデビューシングル『初恋サンライズ /Just Try!/うるわしのカメリア』のリリースからちょうど1年。つばきファクトリーにとって2018年最初のリリースとなる本作は、オリコンチャートのデイリーCDシングルランキングで2日連続2位という好成績を残している。


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 現在、ハロー!プロジェクト内で最も若い末っ子グループであるつばきファクトリー。2015年4月、こぶしファクトリーに続くハロプロ研修生内新ユニット第2弾として、小片リサ、山岸理子、新沼希空、谷本安美、岸本ゆめの、浅倉樹々の6人で結成された。しかし、その後こぶしファクトリーが結成から8カ月でメジャーデビューを決めたのに対し、つばきファクトリーは2年近くインディーズで活動。2016年8月にハロプロ研修生から新メンバーとして小野瑞歩、小野田紗栞、秋山眞緒の3人が加入し、現在の9人体制となった。


 長い下積み期間を経て、2017年2月22日、ついにメジャーデビュー。次いで7月26日に2ndシングル『就活センセーション/笑って/ハナモヨウ』をリリースした後、昨年11月には『第50回日本有線大賞』の新人賞を受賞。さらに『第59回日本レコード大賞』の最優秀新人賞にも輝くなど、一年間で大きな成果を残した。新体制の発表をはじめとして、ハロー!プロジェクトが大きく変動を見せる中、メンバーの増減もなく、安定した活動を通して着実にステップアップしてきたつばきファクトリーは、名実ともに今最も勢いに乗るハロプロ所属のグループだと言える。


 つばきファクトリーが急激に支持を高めている理由の一つは、良い意味でガツガツしたところがなく、清潔感と初々しさを残している点にあるだろう。結成当初は、それが物足りなさと存在感の希薄さにつながり、それ故にメジャーデビューまで時間がかかったのだと思われる。だが、新メンバーの加入とインディーズ時代の研鑽を経て、清廉なイメージを損なわないままに、全体的なスキルアップとメンバー間の結束力が向上。個性的なメンバーとグループがひしめくハロー!プロジェクトの中で、ふと気づけば彼女たちはもっとも王道的なアイドルグループとなっていたのだ。


 今回の新シングル『低温火傷/春恋歌/I Need You 〜夜空の観覧車〜』も、つばきファクトリーの王道アイドル的な魅力をそれぞれに表現した3曲となっている。「低温火傷」は、友達にいつの間にか抱いてしまっている恋心を低温火傷に例えたウィンターソング。切ないマイナー調のメロディと歌詞ながらダンサブルなトラックに仕上がっており、今後彼女達のライブで重要な位置を占めること間違いなしの名曲だ。


 「春恋歌」はタイトル通り、爽やかな春曲。軽快に跳ねるリズムが印象的な明るいポップソングで、これからの季節にピッタリな一曲となっている。パステルカラーの衣装、セットの中で柔らかな表情を見せるミュージックビデオも必見だ。もう1曲の「I Need You 〜夜空の観覧車〜」は、冒頭のセリフも印象的な、ミドルテンポのラブソング。横浜みなとみらいの観覧車でのデートをテーマに、切なくも温かな等身大の恋心が描かれる。曲調は三者三様ながら、どれもつばきファクトリーのアイドル性を存分に引き出した楽曲と言えるだろう。


 ハロー!プロジェクト20周年の先陣を切ってシングルをリリースした、末っ子グループのつばきファクトリー。先ごろ、メジャーデビュー1周年を記念した初のワンマンライブを成功させ、春には全国9カ所を回る初ライブツアーの開催も決定している。今後、彼女達がどんな飛躍を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。(青山晃大)


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