J CASTニュースによると、平昌五輪のフィギュアスケート男子で66年ぶりの連覇を果たした羽生結弦選手をめぐり、週刊誌が「場外乱闘」を繰り広げている……らしい。
なんでも、『週刊朝日』が2018年3月2月号(2月20日発売)の表紙に
「ユヅ、がんばったね。」
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……なる大見出しを掲げたところ、『週刊新潮』と『新潮45』のウェブサイト『デイリー新潮』が2月23日、「表紙が炎上した」とする記事を掲載し、痛烈なる批判を行った……のだそう。
どういった内容の“批判”なのか、具体的には以下のとおり。
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「一体これは誰の台詞なのか。編集部? 編集長? それにしても何様なのか? というあたりが評判の悪さの理由のようだ。ツイッターでは『吐きそう』という辛辣なコメントまで見られる」
「もちろん、ファンの中には『ユヅ』という愛称を使う人もいるのだろうが、そこに加えて『がんばったね。』というタメ口での語りかけには、かなり『上から目線』あるいは勝手な『母親目線』という印象は否めない。しかし『週刊朝日』は羽生選手の育ての親でもタニマチでもない」
まるで鬼の首でも取ったかのような檄文だが、Yahoo!に配信された新潮記事のコメント欄の上位に書き込まれているのは、
「気持ち悪いとは思うけど、叩くほどでもないかな」
「本人がどう思うかが重要だと思う。多分そんなに気にしてないんじゃない?」
「ユヅ、がんばっていたと思うよ」
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……などと、必ずしも新潮側のバッシングに賛同する人ばかりではない様子……なんだという。
さすがに吐き気まではもよおさないにせよw、たしかに気持ち悪いキャッチコピーだとは私も思う。しかし、この3月2日号は「大反響を呼び、ネット書店では初回搬入分が軒並み即完売」とのことで、すなわち結果をきちんと出している。
そう。得てして「気持ち悪いモノはウケる」のだ。しかも、そのデモニッシュ感が、あっという間に伝染・拡散してしまう昨今のネット社会において、「気持ち悪いウケ」の傾向はより顕著となりつつある。
長年「抱かれたく男」のトップに君臨し続けてきたあの出川哲朗も、キンコン西野も加藤紗里もうんこ漢字ドリルも、最初は皆「気持ち悪い」などと評されていた。が、ネット住民の「気持ち悪いモノを壇上に引っ張り出し、集中攻撃をかけたがる習性」ゆえ、その「気持ち悪さ」が大衆の目に留まる確率は間違いなく高くなるわけで、そうなれば人間ってヤツは不思議なことに、次第と「気持ち悪い」に慣れてきて、場合によっては“快感”にすら変わっていくのである。
よくよく振り返ってみると、私だってネットニュースパトローラー(略:NNP)として、ここcitrusで取り上げるのは、少なからずが「気持ち悪い」と感じたネタだったりする。「喫煙後45分間は立ち入り禁止ルール」も「スケボーで街をガラガラ走り回るB-BOY」も「3優男子」も「狭い歩道で歩いている人を押しのけて走るランナー」も「ちょいワルおやじ」も、ぜ〜んぶ気持ち悪い! けれど、こうやってムキになって叩けば叩くほど、結果として週刊新潮と同様に、私はこれらの「気持ち悪い」の、わりと強力な後方援護部隊の一人と化してゆくのであった……。