日本家族計画協会の「男女の生活と意識に関する調査」によると、若い男性のセックス離れがさらに進んでいるようです。
セックス離れ:若い男性、性の「絶食化」 3000人調査
性行動開始の若年化が指摘される一方で、何歳になってもセックスを経験しようとしない男性が増えているということは、性行動も二極化しているということでしょうか。
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年代を問わず、全体的にセックスレス傾向は進んでいるようですから、日本人が全体的に性に対してネガティブになっている様子はうかがえます。これは、ある意味小さい頃から性についてネガティブな教育ばかりを受けてきているせいだと思われます。
自分の性を肯定的にとらえられるようになることは、自己肯定感を養う上で不可欠だと感じますが、現在受けられる教育はどちらかというと自分の性をネガティブにとらえてしまう内容が多いように思います。また、身近なロールモデルが自分の性に対してネガティブな感情を持っていると、それがそのままインプットされてしまいますから、親が「幸せなセックス」をしているかどうかは、子どもの性のとらえ方に大きく影響します。
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今回の調査結果である「絶食化」の背景にあるのは、セックス離れというよりは、それ以前の恋愛離れが進んだせいだと考えられます。
お付き合いしている相手がいるのにセックスをしていない「セックスレス」ではなくて、そもそも男女としての付き合いを面倒なものと捉えて、恋人すら作ろうとしない男性が増えているということです。
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確かに、恋愛って楽しい一方で面倒なことも多々あります。服装などの外見だって、一人の時と比べたら色々気を使わなければいけませんし、恋愛に不慣れな男性にとっては、恋愛前提で女性と会話をすること自体が負担になるかもしれません。
そんな面倒なことをするよりも、バーチャルな世界で疑似恋愛を楽しんで、おひとりさまを謳歌した方が気楽ということなのでしょう。バーチャルな恋愛はできても、リアルな恋愛ができないのは、これも一種の「コミュニケーション障害」ではあるのですが……。
女性に比べて、男性の方が恋愛を「面倒なもの」と捉えてしまう背景には、恋愛におけるジェンダーバイアスがまだまだあるからだと思います。デートは男性がプランを立ててリードするものとか、食事代は男性が負担するものとか、セックスも男性が女性を喜ばせなければいけないとか……。色んな「男たるもの」というプレッシャーがあり過ぎて、そんな面倒なことを課せられるなら一人の方がいいや、と思ってしまうのかもしれません。
もし、こういったジェンダーバイアスがなくて、セックスも男性がリードしなくていいんだよ、女性を喜ばせようと頑張らなくてもいいんだよ、という意識が女性側にあれば、少しはハードルが下がるような気がします。