海外では通用しない、ビジネスマナー3つのポイント

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2018年03月12日 19:00  citrus

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日本の会社ではそろそろ新人研修でビジネスマナーを教えこまれる頃でしょうか。名刺交換に始まり、会議や会食の席次、タクシーやエレベータ内でのポジショニング、果ては道歩きの順番に至るまで細かな序列が決まっているなど、日本では一種独特の慣例が育まれていますが、海外では一体どのようなマナーが求められているのでしょうか?

 

今回は、私が海外に住んで学んだビジネス時のエチケットをお伝えします。

 

 

■ビジネスの行方を左右する握手とアイコンタクト

 

インターナショナルな場における仕事相手との挨拶は、お辞儀ではなく握手だというのは既に多くの方がご存知のことと思います。

 

この握手はぐっと力を込めて握るのが好印象の秘訣ですが、その際にもう一つ忘れてはならないのがアイコンタクト。お辞儀の習慣が体に染みついた日本人は、つい頭を下げて目を逸らせがちですが、これではもったいない! 力強いアイコンタクトはお互いの信頼関係を築くうえで最も大切な要素のひとつですし、非言語コミュニケーションは相手の潜在意識に遥かに強く訴えかける効果があります。アイコンタクト如何でその後の展開が決まると言っても過言ではありませんので、恥じらい深い方も頑張って相手の目をしっかり見つめるようにしてください。

 

 

■盲点になりがちな歯と靴

 

ヨーロッパのビジネスマナーでは、外見と身だしなみに対してかなりシビアなところがあります。またアメリカの経済学者の調査では、見た目の良い男性は見た目の劣る男性よりも生涯収入が17%上回るという結果が出ているほど、ルックスが仕事に影響しています。しかしここでの外見や身だしなみとは、日本のものとチェックポイントが違うので要注意!

 

私が日本帰国のたびに気付くのが、就業者でも歯の体裁に無頓着な人が散見されるということ。欧米では審美面・健康面から歯に対するこだわりが取り分け強く、私の住むオーストリアでは18歳以下の子供の歯列矯正に健康保険が適用されるほど。ビジネスにおいても、欠けた歯や乱杭歯に八重歯、それに治療済みの銀歯でさえも、残念ながら相手に悪印象を与えてしまいかねません。

 

また日本では古来からの草履を履く因習に加え、外でもお座敷に上がるなど、何かと靴の着脱の機会が多いもの。そのため靴のかかと部分を踏み潰している人も頻繁に見かけますが、これは靴をつっかける慣わしのない外国人の目には至ってだらしなく映ってしまいます。殊にヨーロピアンは靴で相手を判断することも多いので、ビジネスシーンには手入れの行き届いたシューズで臨むことをお勧めします。

 

 

■酔っぱらいには厳しい評価

 

数年前に記者会見で酩酊姿を披露し、国際的非難を浴びた大臣がいましたが、欧米では酔っぱらいは恥ずべき姿とされ、厳しい視線が向けられます。

 

日本ではビジネスの場でも得てして本音と建前を使い分けるため、酒席で腹を割って話し合う文化や無礼講が広まったのも頷けること。しかし元々本音トークがメインの欧米では、敢えて酔っ払った状態で本音をさらけ出す必要がないので、ビジネスパートナーを前に酔態を呈するのは奇異なだけでなく、“酒量をコントロールできない意志薄弱な人”というマイナスイメージが付きまといます。日本人の44%は遺伝的にアルコールの分解酵素が弱いとの調査(国税庁)もありますし、ビジネスの場では慎重を期して、お酒は嗜む程度にした方が無難でしょう。

 

日本では許容範囲とされる挙動でも、一歩海外に出るとマナー違反で恥をかくのみならず、場合によってはビジネスを破綻させる事態にも陥りかねません。しかし裏を返せば、正しいマナーで相手の心証を良くすれば、その分ビジネスが好転する可能性も広がるということ。昨今ではグローバルな環境で働く機会もますます増加傾向にありますし、国際的なビジネスのエチケットを身に付けていると、必ず役に立つ日が来ることでしょう。

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