子癇前症スクリーニング検査が改善される

0

2018年03月17日 09:01  妊活・卵活ニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

妊活・卵活ニュース

写真

新たな子癇前症スクリーニング検査
国民保健サービス(イギリスの国営医療サービス事業)の産婦人科医院は、「Ultrasound in Obstetrics & Gynecology」にて、新たな子癇前症スクリーニング検査「Screening ProgRamme for prE-Eclampsia (SPREE)」より子癇前症検査の精度、正確性が高まり、早期発見・診断率が高まると発表した。

早期発見の重要性
子癇前症は、妊娠期の高血圧、タンパク尿を特徴とする疾患である。 胎盤血流の低下、低体重児の要因となり、症状の深刻化により母子の生命も脅かされる。

妊娠16週以前に治療を始めた場合、少量のアスピリン服用により、子癇前症・妊娠高血圧腎症(PE)の症状は60%以上軽減できる。つまり、子癇前症の治療効果を得るには、早期発見が求められる。

従来の方法と新たなスクリーニング検査の診断率
国民健康サービスの産婦人科医院7件は、2016年4月から12月に掛けて、イギリスにて妊娠11〜13週の女性16747人を対象に、従来の診断方法と新たなスクリーニング検査における診断率を比較した。

なお、臨床実験において473人(2.8%)が子癇前症、142人(0.8%)は子癇前症早産との診断を受けた。

これまで、子癇前症の診断には、英国国立医療技術評価機構(NICE)の定める診断項目が用いられてきた。

英国国立医療技術評価機構(NICE)の定める診断項目に基づいた診断率は、子癇前症30.4%、子癇前症早産は40.8%であった。うち23%は深刻な症状であり、妊娠初期にてアスピリン治療が必要な状態であったという。

一方、新たな子癇前症スクリーニング検査「SPREE」では、妊娠初期におけるMAP(平均動脈圧)、UtA-PI(子宮動脈の拍動係数)、PlGF(胎盤増殖因子)、母体の危険因子(妊娠状態、過去の病歴・通院歴など)より診断を下す。新たな検査方法では、妊娠初期における子癇前症の診断率は42.5%、子癇前症早産が82.4%であった。

論文著者の一人であるキングス・カレッジ・ロンドンのリオナ・プーン(Liona Poon)氏は、今回の研究を契機に子癇前症の検査方法を見直す必要があると強調する。

(画像はPixabayより)

WILEY

UCL

    ランキングライフスタイル

    前日のランキングへ

    ニュース設定