milktubのボーカリストであり、人気エロゲーブランド・OVERDRIVEの代表でもあるbamboo氏のあるツイートが注目を集め、Togetterでまとめられるなどされ、ネット界隈で話題となった。
そのツイートが右のものだ。
常識で考えたら、本来有料であるはずのものを無料で楽しんでしまうことはご法度であり、例え偶然にしろ無料でコンテンツに触れてしまうことができても、まさかの制作者サイドに直接報告するということは、ご法度中のご法度だ。しかし、今回のbamboo氏の件だけではなく、こうしたモラルの欠如したツイートは急増している。
例えば今年2月、日本漫画家協会が公式サイトで発表した「海賊版サイトについての見解」とする声明に対し、 海賊版サイトを読むことは「泥棒にもっと盗んでこいと応援してる」ようなもの、と『アオバ自転車店といこうよ!』などの作者である漫画家の宮尾岳氏がツイッターで発信したところ、とあるユーザーが「そういうこと言うなら無料で見せられるよう努力してください」とまさかのリプライをし、物議を醸すこととなった。
この他、昨年漫画家でイラストレーターでもある大石橋.jp氏がとあるユーザーとやり取りしたDMの内容も、かなり話題となったが、こういったユーザーのモラルの欠如した反応の例は急増中だ。ここで言えることは、若いネットユーザーのモラルそのものが、もはや過去の常識から逸脱してしまっているということだ。
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かつて漫画家の田中圭一氏は「ゲームは課金、マンガはタダという認識が行き渡ってしまった」とツイートし、マネタイズの再構築が必要だと訴えた。ここでいうゲームは、基本的に無料で必要に応じて課金が必要、という意味であろう。
田中氏の考えは出版業界のみならず、二次元コンテンツを扱う業界全体で考えなければいけないことであり、それと同時にユーザーのモラルをどう軌道修正していくかも国をあげて取り組まねばならない。しかし、当然それとは別軸で、個人のモラルの軌道修正は急務だろう。
つい最近、殺害予告をしたユーザーに対し、YouTuberのヒカキン氏が優しく諭すツイートをしたことが「神対応」と賞賛された。確かに彼の対応は紳士的で、先走った若いファンを諭したという点ではまちがってはいないが、一部からは「対応が甘い」という指摘があった。ネットユーザーのモラルの現状を考慮すると「対応が甘い」という指摘はうなずけなくもない。
今回のヒカキン氏に殺害予告を送ってしまったユーザーと、bamboo氏にDMを送ったユーザーの内容は全く異なるが、常識の欠如という点では同じだ。
今後、どうすればモラルの修正を図れるのか。
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何かと話題にあがる「漫画村」の存在もそうであるが、業界の責任というだけでなく、ネットに携わるユーザーひとりひとりが真摯に考えなければならない。全てが崩壊してしまう前に、少しでも食い止め、改善されていくように働きかけなければいけない問題である。
今回bamboo氏にDMを送ったユーザーは、bamboo氏がたまたま陸奥圓明流の使い手でなく幸運であったこと、次の同じことを他の誰かにした際は、こうはいかなくなる可能性があることを肝に銘じておいたほうがいいだろう。
(文=Leoneko)
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