糖尿病薬により多嚢胞性卵巣症候群における流産リスクを軽減できる

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2018年03月29日 04:01  妊活・卵活ニュース

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経口糖尿病薬と多嚢胞性卵巣症候群の妊娠リスク
3月17日から20日にかけて、アメリカ・シカゴにてENDO2018第100回米国内分泌学会議が開催された。20日の会議では、経口糖尿病薬「メトフォルミン」が、妊娠糖尿病の発症率を高めることなく、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)における流産リスクを軽減すると発表された。

多嚢胞性卵巣症候群はホルモン障害であり、女性不妊の要因となる。また、多嚢胞性卵巣症候群の女性が妊娠した場合、妊娠合併症(流産、早産を含む)、妊娠糖尿病の発症リスクが高まる。

多嚢胞性卵巣症候群における流産・早産に対する効果
ノルウェー、スウェーデン、アイスランドの14研究機関による研究チームは、多嚢胞性卵巣症候群の診断を受けている妊娠期の女性487人(平均年齢29歳)を対象に、経口糖尿病薬「メトフォルミン」の効果を測定した。

妊娠初期から出産までメトフォルミン(2000ミリグラム)を毎日服用した女性211人は、妊娠中期の流産率9%、早産率(妊娠37週未満の出産)5%であった。一方、薬を服用しなかった女性223人では、流産率23%、早産率10%となった。

論文主著者であり、ノルウェー科学技術大学のトーン・ロービック(Tone Loevvik)教授は、メトフォルミンの服用により、多嚢胞性卵巣症候群に伴う妊娠リスク(流産と早産)が10%減になり、多嚢胞性卵巣症候群における妊娠中期の流産や早産を軽減する効果が認められたと述べている。

妊娠糖尿尿に対する効果
なお、妊娠初期から出産までメトフォルミンを服用した場合であっても、妊娠糖尿病に対する効果は確認できなかった。

しかしながら、ロービック教授は、メトフォルミンを服用することで、多嚢胞性卵巣症候群の女性は、妊娠期における大幅な体重増加は防げたと補足する。

(画像はPixabayより)

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