J-CASTニュースによると、ゲーム情報専門メディア『4Gamer.net』が、みずから主催したコンサートに某メディアを無料招待したにもかかわらず、記事を書いてもらえなかったことに対し、ツイッターで“恨み節”を連発していることが、ネット上で賛否を呼んでいる……らしい。もう少々詳細を加えると、以下のような経緯である。
『4Gamer.net』を運営するAetas(東京都中央区)は2018年の3月9日、人気ゲーム『ワンダと巨像』の作中曲をピアノやオーケストラで演奏するコンサートを東京都・渋谷で開催(入場料は最安値のB席でも6000円!)。
4Gamer側は3月11日、コンサートの告知用ツイッターアカウントに「某大手ゲーム媒体から取材に来ていただけるというお話があった」と投稿。計4人の関係者を招待したメディアが取った行動に対する不満を切り出した。
投稿によれば、コンサートの写真は主催者側が用意すると伝えたところ、取材を求めたメディアからは「記事にはできないが会場には行く」という返答があった。こうした相手の対応に対し、4Gamer側は「非常に困惑しました」「媒体側の人間としては『ご招待いただくからには記事にする』のが、コンテンツそのものに対する最低限の礼儀であると考えており、記事として何らかのアウトプットするつもりもないのであれば、チケットを買うべきだと思っております」……などと持論を展開した。
さてさて。この騒動……はたしてどう裁けばよいものか? ちなみに4Gamer側の言い分に関する賛否の声とは、大雑把には
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【賛の声】
「個人的にタダで見させろとかクズにも程があるだろ」
「取材したいので無銭でコンサートにいれて下さい でも記事にはしませんってやられたら普通キレる」
【否の声】
「こういうのって招待しても記事化100%されるわけではない」
「別に何を記事にするかは自由だろ 招待したんだから記事にしろという方が傲慢だと思うんだが」
……といった論旨であるのだが、私はJ-CASTニュースが今回報じた同記事には「一つ肝心な部分が抜け落ちている」と指摘せざるを得ない。そもそも一番最初の取っかかりが「(4Gamer側による)ご招待します」だったのか、「(某大手メディアによる)招待してくれ」だったのか……が曖昧なままなのだ。
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そして、シンプルに結論を申すと、私が長年メディアに携わってきて培った“常識”からジャッジすれば、
前者なら「招待したんだから記事にしろという方が傲慢だと思うんだが」
……となり、
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後者なら「個人的にタダで見させろとかクズにも程があるだろ」
……ってことになる。たしかに「大手」の看板を笠に着て、一方的な押しつけをなされてくるメディアヤクザな面々にはウンザリしてしまうケースも多々あったりする。「アナタが持っている情報を教えてください。ギャラはお支払いできませんし、出演もないですし、クレジットも入れませんけど、お時間いただけませんか?」なんて無茶を平気で慇懃無礼に“お願い”してくる地上波テレビ局だとか、「ウチで書いたらステイタスが上がりますよ」と言わんばかりにスズメの涙ほどのギャラで、その数倍の取材費を自腹で強いるような仕事を当たり前のごとく“発注”してくる過去の知名度だけで生き存えている老舗雑誌編集部だとか……。
ただ、こっちからなにも頼んでいないのに「無料でご招待します」だとか、勝手に商品を送りつけてきたりだとか……されて、そのコンテンツが取るに足らないしょうもないネタだったとしたら……そりゃあメディアに携わる者の良心として、そのネタはボツにするでしょ。そこで「せっかくタダで招待してあげたのに、商品を差し上げたのに記事にもしてくれないとは何事か!」と逆ギレされても……迷惑甚だしい話である。こういうのって、メディア云々レベルの問題じゃなく、その“発端”を“ヒトとしてのモラル観”に照らし合わせてみれば、すぐに答えが出る案件だと思うのだが……いかがだろう?