受け継いだブランドをその先へ「アン・ドゥムルメステール」デザイナー来日

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2018年04月20日 16:52  Fashionsnap.com

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セバスチャン・ムニエ Image by: FASHIONSNAP
「アンドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」の創設者でデザイナーのアン・ドゥムルメステールがブランドを去ってから、約4年が経った。後を継いでいるのはチーフデザイナーのセバスチャン・ムニエ(Sebastien Meunier)。ブランドの次なるチャプターを刻んでいる。今回、2月に代官山にオープンした新旗艦店を祝うためにムニエが来日。2代目デザイナーはDNAを受け継ぎながら、何を新しくしていくのか。

 パリのエスモードでファッションを学んだムニエは、卒業後に自身のブランドを立ち上げ、「メゾン マルタン マルジェラ(Maison Martin Margiela)」で経験を積んだ後にアン ドゥムルメステールのデザインチームに入った。2013年にアン・ドゥムルメステールが自身のブランドのデザイナーから退任し、後任として選ばれたのがムニエ。「彼女はとても几帳面な性格で、自分が何をすべきか理解していました。完璧であることは仕事において重要で、我慢強く完璧を目指すことの大切さを学びました」と当時を振り返り、詩的な世界観を経験することで「なぜこのブランドが特別なのか」を知ったという。
 ムニエがコレクションを制作するときに大切にしているのが「人々に夢を与えること」。「ファッションは、新しいとかモダンということではなく、人に特別な気持ちを与えるもの」という解釈だ。メンズを少しフェミニンに、ウィメンズには力強い印象を持たせた作風が特徴。性の境界線が曖昧になっている現代ならではの思想が組み込まれている。2018年春夏、メンズコレクションでは写真家のロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe)をインスピレーション源に繊細でフェミニンな男性像を描き、ウィメンズコレクションではパティ・スミス(Patti Smith)をテーマに女性らしさの中に宿る強さを表現。2018年秋冬には、メンズはカラフルでロマンティックな印象に、ウィメンズは黒などのダークカラーでパワフルなスタイルを作り上げた。いずれも独自の情緒的な世界観を作り出している。
 「ブランドのDNAを守りながらも、シーズンを重ねる毎にブランドの限界を少しづつ超えていきたい」と展望について語るムニエ。「少しだけ枠を超える、でも超え過ぎてはいけない」という葛藤と闘いながらも、アン ドゥムルメステールの世界を押し広げている。
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