けやき坂46舞台『あゆみ』初日会見&ゲネプロ 加藤史帆「稽古期間を20人で過ごせて仲も深まった」

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2018年04月20日 21:01  リアルサウンド

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 けやき坂46が、4月20日から5月6日まで、東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて舞台『あゆみ』を上演。初日である4月20日には、メンバーへの囲み取材とゲネプロが行なわれた。


 今回公演を行う『あゆみ』は、けやき坂46の20名がチームハーモニカとチームカスタネットに分かれ、2チーム制で演目を担当。題材は2010年「わが星」で岸田國士戯曲賞を受賞した劇団ままごとの柴 幸男の代表作で、目には見えない時間の道を歩く『あゆみ』という一人の女性の人生の物語だ。今回は10人で1役(あゆみ)を演じるという個性的なスタイルの演劇に挑戦する。


(参考:けやき坂46は乃木坂46と欅坂46のハイブリッドな存在に?


 ゲネプロで見ることができたのは、チームハーモニカの公演。一人の女性の、ある種ありふれた人生を描いた物語でありながら、ミニマルな舞台美術と、全キャストが舞台の上を歩き続けながら主人公とその周辺人物の役柄を次々にバトンタッチするという演目の特性が、見ていて決して飽きることなく、次の展開がどんどんと楽しみになっていく。


 また、その“ありふれた人生”を演者としての癖がそこまでついていない、“素朴”ともいえるけやき坂46が演じることによって、より物語にリアリティが出ているようにも感じられた。そして集団としての演技が重要になる作品において、けやき坂46の高まりつつあるグループとしての総合力が、存分に発揮されていた舞台だったといえる。


 その後の囲み取材では、全員が自己紹介とともに舞台への意気込みをコメント。「普段声が小さいとよく言われるので、大きい声を出して頑張りたい」(東村芽依)、「お芝居をさせていただくのは今回が2回目。ドラマの時は怒鳴り役だったんですけど、今回は全く違うので、どんな役でもできるように頑張ります」(齊藤京子)、「舞台を見るのが好きだったので、このような機会をいただけて嬉しい」(高瀬愛奈)、「たくさんの方々を涙させるような迫力のある演技をしていきたい」(渡邉美穂)など、この日のゲネプロで好演を見せたチームハーモニカが先に語ると、「真っ白な衣装とステージで、私たちの色を出せるような舞台になっていると思います」(富田鈴花)、「演技が好きなので、自分らしい演技を届けられるように頑張りたい」(小坂菜緒)、「カスタネットでは最年長なので、みんなを引っ張っていけるように」(高本彩花)、「もともと女優志望だったので、舞台を経験できて嬉しいです。個人としてもひらがなけやきとしても次に繋がる舞台にできればと思います」(影山優佳)と年少メンバーを中心にしたチームカスタネットも続いた。


 また、舞台を実施すると聞いたときの感想について、加藤史帆は「『うそでしょ、できない』と思いました。でも本格的な稽古が始まると、ムックさんをはじめとしたスタッフさんが指導してくださって、稽古の期間を20人で過ごせて仲も深まったし、とても楽しくて、感謝しています」と語ると、潮紗理菜は「とても驚いて口がポカンとなりましたけど、ドラマをやらせていただいて、演技の楽しさを学ばせていただいたりもしたので、こうやってお芝居ができるのは嬉しかったしワクワクしていました」と、舞台が近づくにつれポジティブな気持ちになっていったことを明かした。


 記者から「苦労した点」について質問が飛ぶと、渡邉は「10人ずつ出演していますが、一人二役以上は役があって、犬や幼児、男女と年齢や性別を問わないので、そのなかで各シーンごとに感情も切り替えるというのは難しいし、背格好や姿勢、声質でいま演じている役を表現するのに苦労しました」とコメント。佐々木久美は初めて人前で演技をするゲネプロを終えた感想として「初めて感じる方がどう思うかは不安ですけど、見ていただいてさらに気合が入って、これまでの稽古よりもいい演技ができたと思います。千秋楽までもまだまだ成長できれば」と、手応えを感じていたようだった。


 そして、舞台に出ずっぱりだった公演の性質について、影山は「それぞれに役があって出入りするものだと思っていたんですが、実際にはずっとステージのど真ん中にいて、そこに驚きました。その分舞台にはずっと集中できるので、逆にモチベーションを上げてくれるような仕掛けになっていると思います」と前向きに作用していることを明かしながら、「でも、汗もかきっぱなしですし、ドライアイなのに目薬がさせなくて困りますね(笑)」とお茶目なデメリットについても述べた。


 再び演技についての話になり、齊藤は「老若男女の役をやらせていただきました。でも、わたしは少女なので、そこまで変えられないんですけど……突然年齢がガラッと変わる箇所などは難しいです。お母さん役になるときは、語尾を伸ばしたりはしました」と自身の演じ分けにおける工夫を語ると、松田好花は「どんどんシーンと演じる人が切り替わっていくんですけど、2つのシーンが存在している状態で、1つが終わったらもう片方が始まるというお客さんを飽きさせない形になっているので、それを実現するためにどのタイミングで前に出るか、移動するのかという細かい立ち振る舞いまで演じるのに苦労しました」と、移動も演技の一つとして大事であることを明かしてくれた。


 役が移り変わるなかで、犬の役を演じることもあった松田と佐々木久美。松田は「犬を飼ったことがなく、どういう動きをするか知らなかったので、動画で研究したり、役者さんが演じたものから勉強させていただいて、自分は犬だと思いながらやっています」と話し、佐々木は「身長が大きいので犬役はないと思ったら回ってきました。このかちゃんは小型犬なのですけど、私は大型犬に見えるとスタッフさんに言われて。同じ犬に見えるようにするのは難しいなと思いました」と、身長差から生まれる演技の苦労があるとこぼした。


 最後に、佐々木久美が「私たちの位置付けはいまいち決まっていないですが、漢字さんはクールなイメージがあるので、ひらがなけやきはハッピー担当なんです。まだ知名度も低いし成し遂げて来たことも少ないですけど、私たちの良さをもっといろんな人に知ってもらえる一つのきっかけになればいいなと思っています」と締めくくり、囲み取材が終了した。(中村拓海)


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