WANIMA、国民的ロックバンドへの道を駆け上る! ツアー名古屋公演で新曲「Drive」初披露

1

2018年04月20日 22:31  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

写真

 WANIMAが、4月18日に『Everybody!! TOUR(エビバデ!! ツアー)』名古屋公演を愛知県・日本ガイシホールにて開催した。WANIMA史上最大となる20万人を動員する同ツアーは1月17日に発売されたメジャー1stアルバム『Everybody!!』を携え、2月1日神奈川県・CLUB CITTA’の1300キャパからスタート。後半戦となるアリーナ編に突入し、この日は1万人を超える観客を沸かせた。


 快晴の青い空の下、開場前からグッズ売り場や撮影スポットには多くの人が並び、ライブに向かう浮き立つ空気にあふれていた。「PIZZA OF DEATHから出る! っていう頃から好きで、一番の魅力はみんなで盛り上がれることです」(20代女性)。「友人に教えてもらってCDを聴いて最近好きになりました」(30代女性)。「元気が出ますよね。ヘンテコな曲もあればメッセージソングもあってグッと来る」、「すごく自分が辛い時とか、もうちょっとがんばろうってめっちゃなります!」(20代カップル)。「楽しいところが好き。曲は『1106』が好き! KENTAみたいになりたい!」(9歳兄)、「ドラムをやっていてFUJIくんみたいになりたい!」(5歳弟)など、ロックキッズのみならず、様々な嗜好を持った人々が参加する様子が印象的だ。昨年末の『NHK紅白歌合戦』への出場で国民的なロックバンドへの道を駆け上る今、実にさまざまな層にWANIMAの音楽が広がっていることがわかる。


 会場に入るなり目に入ってきたのは、 中央に組まれた巨大な360度のセンターステージだ。KENTA(Vo/Ba)、KO-SHIN(Gt/Cho)、FUJI(Dr/Cho)の3人は、「JUICE UP!!のテーマ」で登場するなり、四方八方のお客さんを盛り上げ、「Everybody!!ツアー名古屋、開催しまーす!」と開幕。最新アルバムの楽曲や「ララバイ」「BIG UP」などに、「つけてミーソ、かけてミーソ」「なーごや!」と名古屋ならではのコール&レスポンスやお馴染みFUJIの長渕コーナーを挟むのだが、タイトに凝縮し、流れるように盛り上げていく。


 そして、会場がグルーヴに包まれ、熱したところで、「ここでまさかの新曲をやります! WANIMAにできることは新曲で気持ちを伝えること」とKENTA。「緊張する……でも、ちゃんと歌えんでもいい。届けばよかねー。なさけないことはいっぱいあるけど、ともに、これから先をドライブしていこう」と続け、6月1日より全国東宝系で公開される映画『OVER DRIVE』の主題歌に書き下ろした新曲「Drive」を初披露した。この曲はメンバー自ら映画本編を観て書き下ろしたそうだが、映画にある“限界を超える”“駆け抜ける”というキーワードは、さながらWANIMAのメッセージ。バンド活動が軌道に乗り、次なる不可能を可能に変えている今にも重なる。冒頭から3人の合唱のパワーで魅せたが、KENTAが目を抑え、手を伸ばして歌う場面には会場中が聴き入った。


 中盤、KENTAは「このステージどう?ディズニーランドのアトラクションみたいじゃない?」と投げかけた。確かに、ロックバンドでこういった360度のセンターステージにトライするのは珍しいようにも思うが、「もともとライブハウスで育ってきたから、少しでもお客さんに近づきたい」、さらに「ダイブやモッシュをしたい人も、それが怖い人も、親子連れも、いろんなスタイルで楽しめるように」と、アリーナスタンディングエリア、ファミリー席、2階スタンド指定席で、そびえ立つステージを囲む。広がり続ける人気を目の当たりにし、バンドとしての思いから行き着いたひとつの形だろう。実際のステージも、アコースティックコーナーもあれば、ロマンチックな「SNOW」、ミラーボールの煌めきとともにダンスフロアと化した「オドルヨル」など、さまざまな色をみせた。


 「ガイシにWANIMAを連れてきてくれてありがとう」。名古屋での最初のライブは2、3人から始まったというが、「名古屋にはドームもあるけんね。もっともっとみせたい景色、聴かせたい曲があるけん」とバンドのさらなる目標を告げたKENTA。それには観客全員が胸を高鳴らせていたが、さらに、1000人の18歳世代とライブパフォーマンスを形にする『18祭』(NHK総合)のために作った「シグナル」で大合唱に。新たなアンセムとして爽やかな風を感じる同曲、続く本編ラスト「Everybody!!」では手を挙げたり、ダイブしたり、思い思いに楽しんでいる。この2曲はアルバム『Everybody!!』に収録されており、それぞれロッテ「爽」、リンガーハットのCM楽曲に、発売から数カ月経ったのちに選ばれるなど、快進撃は続いてる。今もなお、いろんな角度で『Everybody!!』が広がっているのだ。


 アンコールも目に焼き付くシーンばかりだった。観客のリクエスト曲を演奏するというリクエストタイムでは、会場中の座席番号がくじとなって納められたリクエストボックスからKO-SHINがパープルさん(パープルのTシャツとタオルだったためメンバーが命名)の座席番号をひきあて、彼女のリクエストに応えることに。パープルさんが「THANX」と言った瞬間、テンポよく演奏が始まり、会場は大合唱となり大盛りあがり。KENTAは走り回り、KO-SHINは食いしばって弾き、FUJIはどこまでもカラっとした笑顔を見せる。ラスト、パープルさんが再度ビジョンに映し出されたのだが、その最高の笑顔は本当にすばらしかった。また、未発表の新曲「りんどう」もハイライトだった。この曲は、故郷である熊本の県花りんどう、その群れて咲かない花になぞらえ、“弱いままで強くなれ”と詩にしている。バンドの新境地とも言える、とても美しいスローナンバー。オーラのあるKENTAの歌に、客席から「ありがとう!」の声があがるほどだった。


 同ツアーは、4月21・22日の千葉県・幕張メッセ、5月3・4日の福岡県・マリンメッセ福岡と続き、8月25・26日埼玉県・メットライフドームにて行われるバンド史上最大のワンマン公演(2日間で7万人!)でファイナルを迎える。ちょっとでもライブをよくしようと、毎公演セットリストが変更されているというが、メットライフドーム史上初となるアリーナスタンディングも実現するなど、“歴史に残る”目撃体験になること必至。2014年にデビューして、猛烈なスピードで駆け上がり、2017年のメジャーデビュー以降、国民的なロックバンドになった今もなお貪欲に前に進み続けるなか、「(また会う日まで)元気にしとってよー」というKENTAの最後の言葉は、まだ観ぬ景色を一緒にみようと言わんばかりの希望の言葉に聞こえた。(取材・文=古城久美子)


このニュースに関するつぶやき

  • ジャンプアップ好きだけど歌えない。ララバイは、ギリギリ歌える。パンクは難しい
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ニュース設定