永野芽郁&佐藤健に訪れた恋の予感 『半分、青い。』冒険的手法で新しい朝ドラに

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2018年04月22日 06:01  リアルサウンド

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 第1週の“胎児ナレーション”を筆頭に、ユーモアな作品性から“朝ドラっぽくない朝ドラ”とも評されている『半分、青い。』(NHK総合)。脚本家の北川悦吏子がTwitterで例えているように、第3週「恋したい!」は“冒険”が詰まった週となった。


 鈴愛(永野芽郁)の母・晴(松雪泰子)と、ぎふサンバランドの営業にやってきた神崎トオル(鈴木伸之)が出会うシーンでかかる松任谷由実「リフレインが叫んでる」と「To Be Continued……」の文字。これには、“朝ドラ受け”が続く朝の『あさイチ』、昼の再放送を受ける『ごごナマ』のどちらでも「トレンディードラマ」というキーワードが飛び交った。ほかにも、『ねるとん紅鯨団』(フジテレビ系)のオマージュ、廉子(風吹ジュン)による「えっ、もう? もう? イントロ始まる? 星野源が歌い始める」という攻めたナレーションなど、北川の挑戦的な“冒険”が随所に挟まれた。


 晴が神崎に「綺麗ですね」と営業トークで言い寄られている頃、鈴愛は幼なじみの律(佐藤健)に「鈴愛の耳は可愛い形や」と珍しく男女の関係を匂わす言葉を投げかけられていた。1989年(平成元年)、鈴愛と律は18歳。高校生活最後の夏が目の前に迫ってきていた。お互いが異性だということにも気付かない、小学3年生の続きのまま、2人は今日を生きている。ブッチャー(矢本悠馬)と菜生(奈緒)の2人を加えた“梟会”も健在だ。


 左耳が失聴しているため、授業中には右耳に付け耳をはめる鈴愛。それをクラスの中でのスタンドプレーにならないよう、ほかの生徒に配慮するのが律の役目。小学5年生から成長が止まっているガキ大将キャラのブッチャーは、お金抜きに普通の友達としていてくれる律を一番の親友だと思っており、鈴愛へのあまのじゃくな恋心も変わらない。菜生は鈴愛にとって一番の親友で、少し抜けているところもあるが、他者の恋愛や心の機微に気付くことができる。梟会は絶妙な関係の中で成り立っている。


 その人間模様が少しずつ新しい方向へと向き始めていく。発端となるのが、律が運命を感じる女性・伊藤清(古畑星夏)の登場だ。彼女は弓道部のエースで、名古屋での大会でもスカウトされるほどの美少女。神童、朝露高校のトム・クルーズと呼ばれる律にぴったりの相手である。律にとって初めての恋の相手ができたことに、梟会は色めき立つ。菜生は分厚く甘酸っぱい匂いのするラブレターをもらい、鈴愛も2回の遅刻を犠牲にして、バス停で出会った小林(森優作)と初デートへとこぎつけることに。


 律が伊藤に、鈴愛が小林に思いを馳せる一方で、菜生は「これがいい起爆剤になるかも」と、律と鈴愛の関係性をブッチャーに相談する。菜生の言う通りに、第3週では律と鈴愛の繊細な心の機微が表情や所作に現れていた。律から左耳の形を褒められたときの恥ずかしそうな鈴愛、運命の相手が鈴愛にも現れたことを知りブッチャーが大声で叫ぶときの律の振り向きざまの表情、律にプレゼントをしようと伊藤清の似顔絵を描く鈴愛の心にチクッと刺さる痛み、鈴愛のデートの成功を信じながらもなんとなく気分が晴れないまま、窓を開け、いるはずもない鈴愛の姿を探す律。つかず離れずの距離で互いを見守ってきた律と鈴愛の関係に、少しずつ変化が起きていることは確かだ。


 第4週「夢見たい!」の予告にも、続々と新たな出演者が登場しているが、ドラマは間もなく「東京・胸騒ぎ編」へと突入する。高校3年生の梟会の4人が見られるのも、あと数えるほどということだ。進学、就職、恋愛……めまぐるしい高校3年生の夏を、鈴愛たちはどのように過ごしていくのか。(渡辺彰浩)


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