アトピー性皮膚炎の患者が語る「自分がつくった“暗闇”と“光”」

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2018年05月11日 12:01  QLife(キューライフ)

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患者の約7人に1人が「死んでしまいたいと思ったことがある」とも


日本アレルギー友の会の荻野美和子さん

 かゆみなどの身体的症状だけでなく、生活の質(QOL)の低下や精神的な苦痛などの「疾病負荷(Disease Burden)」が高い慢性疾患のひとつであるアトピー性皮膚炎。サノフィ株式会社が九州大学大学院医学研究院と行った共同研究でも、13%の患者が「死んでしまいたいと思ったことがある」と回答。患者の総合的な治療満足度は約3割にとどまることが分かりました。多くの患者が症状に悩んでいるにも関わらず、その苦しみについて未だ社会的な認知が得られていません。

 10年ぶりのアトピー性皮膚炎の新薬となる「デュピクセント(一般名:デュピルマブ)」を発売したサノフィ株式会社は5月8日に都内でメディアセミナーを開催。自身もアトピー性皮膚炎の患者であり、患者会にてアレルギー患者への療養相談を行う、認定NPO法人日本アレルギー友の会の荻野美和子さんが講演を行いました。

「人生、ずっとアトピーでした」(荻野さん)

 荻野さんは、生後から大学生までは、ステロイドを中心に標準治療を続けていましたが、「ステロイドは塗り続けると効かなくなる」という噂を耳にし、ステロイド否定派に転向。民間療法を行う施設に通い始めます。その施設を訪れた荻野さんは、施設内に数多く並ぶ「完治しました!」の手記や、「一切ステロイドは使用しません。ほしい方はほかの病院に行ってください」という貼り紙に期待を高めます。施術者は部屋に入るなり、荻野さんの手を握り「おめでとう!どんなに時間がかかっても必ず治してやる!」と声をかけ、荻野さんの期待感はマックスまで高まります。

 ところがいつまでたっても良くならず、荻野さんの症状は悪化の一途をたどります。顔からは浸出液が流れ出て、1日の大半をベッドに引きこもって過ごす毎日でした。進学や就職、そして恋愛など人生の大きなイベントが起こる20代前半を絶望の中で過ごした荻野さん。将来への不安はどんどん大きくなりました。

 そうしたなか、荻野さんに救いの手を差し伸べ、ステロイドを中心とした標準治療に戻したのが東京逓信病院の江藤隆史先生でした。「主治医と積極的にコミュニケーションをとるなかで、正しい治療を知ることができました」と荻野さん。症状はみるみる良くなり、気持ちも前向きに。今では2人の子どもに恵まれ、エアロビインストラクターとして毎日を過ごしています。荻野さんは最後に「ふさぎこまずにオープンマインドで先生と話してみてください」と患者にエールを送りました。(QLife編集部)

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  • なんだかんだ治せないよな、医者。手はつくしました(笑)いやいやご冗談。かわいそう患者
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