映画『ママレード・ボーイ』なんで光希の髪型がポニーテールじゃないんだ!?これは辛口にならざるを得ない!!

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2018年05月11日 22:02  おたぽる

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おたぽる

映画『ママレード・ボーイ』公式サイトより引用

 こんにちは。華山みおです。



 原作が好きであればあるほど、アニメ化はもちろん実写化の報は嬉しい半分、不安半分という複雑な気持ちになります。そんな経験、誰しもがあるのではないでしょうか。特に幼少期に出会い、影響を受け、大人になってからも何度も繰り返し読み返した作品ともなると、自分の中で特別になりすぎて新しいメディアミックスに対してついつい身構えてしまいがちです。



 さて、そんなわけで今回は原作を愛してやまない『ママレード・ボーイ』の実写映画のレビューをお送りします。今回は辛口にならざるを得ない!!!



 映画版のあらすじはこちら。



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 シリーズ累計1000万部突破の大ヒットコミック「ママレード・ボーイ」が遂に実写映画化!突然の同級生との同居、保健室のキス、すれ違いの初恋、三角関係…すべての女性のトキメキはここから始まった!




 主人公・小石川光希(こいしかわ みき)は、ある日突然両親が離婚することを告げられます。両親はハワイで知り合ったという松浦夫婦と意気投合し、松浦夫婦の妻と光希の父が、そして松浦夫婦の夫と光希の母がそれぞれ再婚すると言うのです。



 そして光希は、「みんな一緒に暮らそう」と言う両親の提案を受けて、松浦夫婦の息子・遊も含めた全員と同居生活を送るようになります。一つ屋根の下で暮らす中で、光希と遊は互いに惹かれあい、やがて付き合うようになります。



 しかし実は、両親たちは学生時代からの友人。遊は、自分と光希が血の繋がった兄妹なのではないかと疑うようになるのです。すべての女性を夢中にさせた、光希と遊のとまらない恋の行方に中高生から大人まで心を奪われる!
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 ここ最近、人気漫画原作の実写化が増えましたよね。あの髪型を再現、あの漫画の空気間をフルCGで再現! など、いかに世界観を原作に近づけられるかって、原作ファンからしてもとても重要な部分です。



 その点、『ママレード・ボーイ』は現代に置き換えたとしても日本人高校生が主役だし、原作に近づけることは比較的やりやすそうですよね。



 なのに…なんで……光希の髪型がポニーテールじゃないんだよおおおおおおおおおおお!!!!



 少女漫画で大事なのは、魅力的な相手役と、感情移入しやすい、または応援したくなる主人公!! 『ママレード・ボーイ』の主役、小石川光希ちゃんは【元気で明るく少し子供っぽい性格】。それを象徴するようなトレードマークがポニーテールなんです!!!



 もちろん、表紙のイラストやでも髪を下ろしたりもするし、意味があって髪を切ったりします。だけど、光希といえばポニーテールじゃん! メインビジュアルから“誰おま感”が半端ありませんでした。



 桜井日奈子さん自体はとてもかわいらしく、等身大の女子高生を好演していました。でも、光希ではありません。葛藤するシーンがピックアップされすぎていたからか、元気で明るい、というよりはどこか影がある、引っ込み思案な優しい女の子という印象を受けました。



 そして遊。吉沢亮さんのイケメンさにびっくりします。度々ドアップで映るのですが、本当に美しい。イケメン。こんなの転校してきたら大騒ぎになるわ。っていうのはまぁ置いておいて…(でも本当に、吉沢亮さんの美しいご尊顔を拝むためだけに映画見てもいいくらい美しい)、イメージに近づけるために吉沢さんは最初金髪でした。だけど、時間経過で大学生になったときに茶髪になっていて……まって、それだと「高校のときにやんちゃして金髪にしちゃった☆」って感じの男子になっちゃうから! それだったら最初から茶髪でいてほしかったです。



 メイン二人がこうなので、他のキャラクターも推して知るべし。でも両親S、パパお二人はとっても良かったです。そんな彼らのビジュアルをチェックしたい場合は原作を読んでください!! 集英社さんから全8巻で発売中です!



 でも映画って、(原作では超重要だけど)ヴィジュアルだけじゃないよね。ストーリーだよ、大事なのは。だってこの漫画、少女漫画の王道とかトキメキが詰まりまくってるもん。



 だーーーけーーーーどーーーーーー!!!



 主人公光希と遊の恋愛模様をピックアップすれば、サブキャラクターが薄くなるのは仕方ない。仕方ないよ。だけど、公式HP概要に記載のある【突然の同級生との同居、保健室のキス、すれ違いの初恋、三角関係…】。



 ここをね、ざっくりやっちゃうのはダメだと思うんですよ!!!




●突然の同級生との同居
→ここはクリア。というか土台の部分だからね。売りになる設定だし。



●保健室のキス
→映画の流れだと、あの保健室に現れるのは銀太になるのでは?! あとキスしてるときに光希が目を開けてしまってそこから改めて冷静に目を閉じたのが原作厨視点だと違和感。



●すれ違いの初恋
→説明が口頭だけで解りづらい、回想シーンがあれば良かったのに。そしてマスカットキッスの場面は放課後の教室こそ萌えシチュエーションでしょう! なんだあの駄菓子屋は! あとあそこで銀太からキスされてないと、遊と銀太、どっちが好きなの!? の葛藤までいかないと思うんですけど!!!



●三角関係
→銀太って超いいキャラなんですよ。中学のころに拗らせたからこその、あの三角関係なのにすごい銀太の扱いが残念だった。三角関係はもっとていねいにやってほしかった。中学の頃大好きだった銀太より、それでもやっぱり悔しいくらいにドキドキさせられるのは遊なんだって、遊への特別な気持ちが育っていく過程をもっと丁寧に描いてほしかったんだよぉ〜。




 そして、個人的に『ママレード・ボーイ』の大好きなところは、サブキャラクターたち。彼らを主役にしても、お話しできるくらい素敵なキャラクターがたくさんいるんです。



 今回カットされた銀太の従兄弟の六反田とか、すずちゃん、蛍くんとかは仕方ないとして、出演してるけどあまりに残念だったキャラクターたちがいました。



 それは秋月茗子と三輪悟史、そして鈴木亜梨実。茗子のストーリーをサラっと描くには尺が足りず、とっても中途半端。いっそのことただの光希の親友としているだけで良かったのではないでしょうか。そう思いつつも、サラっと描かれ過ぎたせいで、出てきた意味が解らなかった三輪先輩もいたので、その選択肢が正解とは言えないのか……。そして名前すら出てこず、遊がモテていて、人と深くかかわらないということをを表現するためだけに使われた亜梨実さん……。



 彼らのことが大っ好きだったし、それぞれに素敵なエピソードがあるキャラなので、詳しくは原作をどうぞ! 集英社さんからりぼんコミックス全8巻。完全版だと全6巻です!



 さらに、それだけ多くの犠牲を払って描かれた光希と遊の恋愛模様も、急ピッチが故の物足りなさが多々。たとえばクローゼットのシーンとか、超大事な『ママレード・ボーイ』って名付けるシーンとか。詳しくは原作を読んでみてください。集英社さんから全8巻で好評発売中!!(大事なことなので二回言いました)



 あ、でも旅行のシーンはとてもかわいかった。本当にデートしている気分が味わえるし、二人が本当にはしゃいだデートをしている感は、自然でとっても良かったです。



 人から愛され続けている作品は、作品自体魅力的でパワーがあるので新しい形でまた取り組みたいと思われると思います。後世に素晴らしい作品を知ってもらうという観点でも、とても素敵なことだと思います。ただ、取り扱いが難しい。思い入れが強い人がいればいるほど、クリアしなければならないハードルは果てしなく高くなると思います。



 私は、今回この映画をみて、『ママレード・ボーイ』の美味しい要素だけを詰め込んだ、『ママレード・ボーイ』という名の全然違う物語だと思いました。



 まさに、ママレードのうわべの甘さだけを凝縮したような。そのシチュエーションや設定は確かに甘くておいしいけど、それを必然的にするには苦い所と、美味しくなるための要素をぎゅぎゅっと煮詰めないとダメなんです。



 もちろん、役者の皆さまはそれぞれの役に真摯に取り組んでいただろうし、2時間の中に収めるという制約の中では上手く収まっているのかもしれません。でも、私の大好きな光希、遊、茗子、銀太、亜梨実さん、両親Sは映画の中には見つけられませんでした。連ドラとかだったら良かったのかなぁ。タラればを言っても詮無いですが。



 ぜひ、原作コミックスで『ママレード・ボーイ』の物語を読んでみてください。小さなころから繰り返し繰り返し夢中で読んだ、素敵なラブストーリーが、そこにはあります。
(文=華山みお)


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  • アイツの夢見たせいでリボンが決まらなかったんだよ許してやって欲しい|ω0)
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