ペット業者規制しないと「最低の国になる」、動物愛護法改正へ浅田美代子さんら訴え

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2018年05月21日 21:32  弁護士ドットコム

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今国会で予定されている「動物愛護法改正」が骨抜きにならないようにしようと、女優の浅田美代子さんらが5月21日、東京・永田町の衆議院第1議員会館で、緊急の院内集会を開いた。浅田さんたちは、ペットショップや繁殖業者の規制強化の必要性などをうったえた。


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この集会は、今回の法改正で、ペットショップや繁殖業者への規制強化がほとんど盛り込まれないのではないかという懸念から、浅田さんらが中心になり、124の動物愛護団体が賛同して開催された。(1)8週齢規制(生後8週の販売禁止)、(2)繁殖回数や飼養施設などに関する各種数値規制、(3)繁殖業の免許制導入が必要という点で一致している。


浅田さんは「狭いケージに閉じ込められ、ふん尿まみれで、洗ってもらえず、外に出してもらえず、遊ばせてもらえない。地獄のような環境で、ボロボロになるまで、産む道具としてしか扱われていない犬や猫がたくさんいる」「闇で処分されている犬猫も増えている」と述べ、悪質な繁殖業者や引き取り屋(売れなくなったペットを引き取る業者)の問題点を指摘した。(1)〜(3)の規制が導入されなければ「最低の国になる」とした。



動物愛護の問題にくわしい細川敦史弁護士は、(1)8週齢規制、(2)繁殖回数や飼養施設などに関する各種数値規制、(3)繁殖業の免許制導入の根拠について説明した。(1)は、犬猫の問題行動の防止や健康につながる、(2)は、自治体による指導・監督を実効化できる、(3)は、パピーミル(子犬工場)の撲滅や、遺伝性疾患の防止につながる、と話した。


●世良公則さん「小さな命を命として扱わない国で何ができるのか」

この日の集会には、動物愛護団体や超党派議員のほか、著名人が多数参加した。ミュージシャンの世良公則さんは「(小さな動物たちは)われわれの人生を豊かにしてくれている。その陰で、劣悪な環境で、命でなくモノのように扱われている。小さな命を命として扱わない国で何ができるのか、自分に問いかけるしかない。われわれが立ち上がるのは当然のことだ。忖度クソくらえだ」と話した。



中日や横浜などで活躍した元プロ野球選手の門倉健さんは、犬を飼っている。ブリーダーに不信感を持ったことがきっかけで、動物愛護の問題に関心を持つようになったという。「業者規制をしっかりしていかないと犬たちの幸せはない。動物たちが幸せになるように、スクラムを組んで、一つの目標に向かって、みなさんとともに活動していく」と述べた。


公益財団法人動物環境・福祉協会Eva理事長で、女優の杉本彩さんは、ビデオメッセージを寄せた。「報道されている動物虐待の事案は、氷山の一角で、もっと多くの動物が、飢えや苦痛にさらされていると思う。もし、規制強化されなかったら、日本の未来は危ういと思う。8週齢規制や数値規制、免許制導入は、当たり前のこと。どれが抜けても大きな影響を与える」とうったえていた。


(弁護士ドットコムニュース)


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  • 殺虫剤の販売に反対しない人が【小さな命を命として扱わない国で何ができるのか】と叫ぶのが不思議。それでは自分の好きな動物を自分の思い通りに扱いたいだけのエゴでは
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