「子ども乗せ自転車」はトラブルの温床!? 幼稚園で駐輪場争い、盗難、いたずら……悩めるママ

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2018年05月22日 20:04  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

Photo by Photography from AC

保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。

 時間のないワーママたちや、子育て中の家庭にとって“3種の神器”と呼ばれている、ロボット掃除機、洗濯乾燥機という家事を時短できる家電類、そして子ども乗せ電動自転車。都心では自家用車を維持するにはコストがかかるため、電動自転車が主流で、マンションなどの集合住宅の駐輪場を見ると、子ども乗せ自転車が何台も置いてある光景を見ることができる。子ども乗せ自転車は、子育て中のママにとって、園への送迎や、通院など日常生活に欠かせないアイテムだが、一方でさまざまなトラブルを巻き起こすものだという。

 子ども乗せ自転車をめぐるトラブルは、駐輪で揉めるケースが多い。5歳になる男児を持つ裕子さん(仮名)は、寺が経営している幼稚園に年少クラスから息子を通わせている。

「寺の境内の中に幼稚園があり、駐輪場は外にある車用の駐車場のスペースを借りて使っています。最近は、近隣の地区からの入園も増えて、子ども乗せ自転車を置くスペースがパンク寸前。暗黙の了解で、近所の子は徒歩で来たり、兄弟で園に通っているご家庭が駐輪場を優先的に使っています。うちは、徒歩で15分くらいのところから通っているのですが、『子ども1人で、年少からの入園なのに自転車を停めるなんて!』と、プレから通っているママに注意されました」

 裕子さんが通う幼稚園には、「プレ幼稚園」と呼ばれる満2歳児からのクラスがある。幼稚園に通う子どもへの補助の条件は自治体によってまちまちだが、満3歳児での入園から適応されることが多いため、プレはほぼ自費負担。にもかかわらず、プレから幼稚園に子どもを通わせる家庭は、プレのクラスがそのまま年少に持ち上がることを見越して入園させているのだ。「それだけこの幼稚園に入れたいという思い入れがある」――そんな自負があるからか、プレ入園のママの中には、年少入園のママを下に見る人がいるという。

「年少入園のママは、プレですでに人間関係ができあがっているママ友グループに入ることになるので大変です。あと、その幼稚園は地元でも歴史ある幼稚園で、パパやママの中にそこの幼稚園を卒園している親子も多い。園長先生はどうも卒園生をひいきする傾向があって、登園時、混雑する駐輪場で卒園生のママが立ち話をしていても見て見ぬふりをするんです」

 仕方なく、“数分くらいなら……”と、寺の敷地外のスペースに自転車を停車していると、近隣住民から「邪魔だ」と注意されることもあるそう。

「この前は、通りすがりの年配女性から『自転車は車道に停車しなさいよ』と怒られました。なんだか不平等だなって感じるのですが、園側に言っても『ママ同士の問題なので、譲り合ってください』と対応してもらえないんです。本当に困っているんですが、園から『モンペママ』と思われるのも、プレ入園ママに目をつけられるのも怖くって、あまり強く言えません……」

 子ども乗せ自転車を置けるスペースが確保できれば、解決できそうな問題だが、実際は譲り合って使うしか手段はなく、この先も解決しそうにない。

「あのスーパーは子どものものを盗まれる」と吹聴

 子ども乗せ自転車をめぐっては、“モンスターペアレンツ”化以外にも、“モンスタークレーマー”や“モンスター住民”化してしまう危険性もあるのかもしれない。意外に多いトラブルが、子ども用ヘルメットの盗難。保育園によっては、スペースの問題からヘルメットを持ち帰らなければならず、自転車のカゴに入れたまま出社するワーママも。1歳児の女児のママである加奈さん(仮名)は、スーパーの駐輪場に停車中にヘルメットを盗まれたという。

「子どもがヘルメットをつけたまま買い物をするのを嫌がるので、カゴの中に置いていきました。買い物中の盗難なので、スーパー側に『防犯カメラはないのか』『駐輪場に警備員がいないのが問題』と文句を言ったのですが、客側の過失として、ヘルメット代を負担してもらえなかったです。ママ友には『あのスーパーに停めると、子どものものを盗まれるよ』と教えました」

 こうした“犯人が特定できない嫌がらせ”を受けるケースはほかにもあるようだ。都内で3歳になる女児と1歳になる男児を育てている30代の美穂さん(仮名)は、子ども乗せ自転車への嫌がらせに悩んでいるという。

「昨年、リノベした中古マンションを購入して、引っ越ししました。マンションの敷地内に駐輪場があるのですが、以前、住んでいた住人が置いて行ったのか、置きっぱなしの自転車が幅を取っていて、新しく置けるスペースが少ないんです。子ども乗せ自転車は幅もあって大きく、うちは前と後ろに椅子がついているので、置いてある自転車とぶつかって倒してしまうこともあります」

 美穂さんは、毎朝、保育所に向かうために、置いてある自転車をどかして通り道を作ってから、自分の自転車を出すようにしていた。近隣にスーパーがあるためか、ただでさえ狭い自転車置き場に、マンション以外の駐輪許可シールが貼られた自転車が駐輪場に置いてあることもあった。ある時、やむを得ず自転車置き場の通り道を塞いでいる自転車の置き場所を変えると、次の日には、美穂さんの子ども乗せ自転車の置いてある場所が移動させられていたそうだ。

「まさか故意で動かす人なんていないと思っていたので、最初のうちは、たまたまどかされているのだと思ったんです。自分が置いているスペースに邪魔な自転車があると、どかして元の場所に自分の自転車を置いていました」

 しかし、自転車の置き場所を動かす嫌がらせはエスカレート。ついには、雨が強く降った次の日に、撤去自転車が積み重ねて置いてある山の上に、美穂さんの自転車が放り投げられていたという。

「最初は、いつもの位置に自転車がなかったので盗難を疑いました。しかし、鍵を2カ所掛けているのでそう簡単には外せないはずと思って探すと、マンションのすぐそばの撤去自転車の山の中に見つけて……。子ども乗せ自転車は30キロ以上あるので、女性の力では動かせないと思うんです。いったい誰がやったのだろうと思うと、怖くて眠れませんでした」

 証拠写真を撮り、交番にも相談したが現行犯ではないと注意ができず、器物破損していないので届け出も出せないと言われたという。

「子ども乗せ自転車が大きくて邪魔っていうのはわかるんです。別の部屋に住むママさんは、タイヤの空気がいつも抜かれていると言っていましたね。マンションの管理会社にもクレームを入れたのですが、『見回りをしています』の一言で片づけられてしまいました。管理会社に強く言っても、こうしたトラブル報告が続くと鬱陶しがられて、子ども乗せ自転車の駐輪場使用を規制されかねない。自分で犯人探しもできず、泣き寝入りかもしれません……」

 美穂さんは、このマンションを購入していることもあり、これ以上の文句は言いづらかったという。

 どのケースも、育児をするようになり子ども乗せ自転車に乗るようになって遭遇したトラブル。ママ友間だけでなく、近隣との大きな事件に結びつく可能性もあるだけに、たかがトラブルと見過ごせない面もあるのかもしれない。
(池守りぜね)

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  • えー…(笑)スーパーの駐輪場にとめた自転車のかごに置いてったヘルメットを盗まれて、なんでスーパーに過失があるの?
    • イイネ!6
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