【はしか緊急アンケート】ワクチン接種57%が「覚えていない」【QLアンケート】

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2018年05月23日 17:00  QLife(キューライフ)

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 2018年3月、沖縄から麻疹(麻しん=はしか)が流行し始めました。感染者は日本各地で確認され、5月16日の時点で、沖縄以外にも東京、愛知、埼玉など1都1府10県で感染例を確認。累計で149例が報告され、全国へ広がりをみせています。そこでQLifeは、はしかに関する緊急アンケートを実施。およそ700人のQLife会員から回答を得ました。今回は、はしかの基礎知識とともに、その結果をご紹介します。

「排除宣言」のはしかが国内で流行る理由

 はしかは、麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性のウイルス感染症です。感染力が極めて強いため、空気感染、飛沫感染、接触感染、いずれの方法によっても感染します。好発年齢は1歳代が最も多いのですが、近年では、成人麻疹の増加が問題となっており、10〜20代での発症が多く報告されているといいます。

 麻疹ウイルスに感染すると、10〜12日の潜伏期ののちに発熱し、咳・鼻水などの症状が現れます。2〜3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が現れます。肺炎や中耳炎を合併することも多く、1,000人に0.5〜1人の割合で、脳炎を合併します。また、学童期に発症することの多い中枢神経疾患として、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)があります。知能障害、運動障害、ミオクローヌスなどの症状を示し、発症から平均6〜9か月で死亡する進行性の予後不良な疾患で、発症頻度は10万人に1人程度といわれています。

QLife家庭の医学で麻疹(はしか)を詳しく知る⇒https://www.qlife.jp/dictionary/item/i_251002000/

 日本国内の麻しんは、世界保健機構(WHO)によって、「排除状態」にあると判断されていますが、近年では海外旅行に行った人や日本にやってきた外国人から感染が広がるケースが報告されています。今回の流行も、台湾からの旅行者が沖縄県内で発症したことに端を発します。旅行者が立ち寄った飲食店の従業員らが相次いで発症。沖縄県内では、これまでに85例が報告されています。(5月16日現在)

ワクチンで予防が可能、それでもはしかはなぜ流行る?

 はしかの治療・予防法としては、ワクチンの接種が最も重要です。国内では、2006年からMR(麻疹・風疹混合)ワクチンが広く使用されるようになり、2006年6月からは、1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象とした2回接種制度が始まっています。一方、それ以前に生まれた人は、1回接種や、そもそも定期接種制度自体がなかったり(定期接種制度の開始は1978年)と、その状態はまちまちです。ワクチンの接種状況は、大まかに分けると以下の3パターンに分かれます。

■平成2年(1990年)4月以降生まれ⇒制度上2回接種 ■昭和47年(1972年)10月〜平成2年(1990年)3月生まれ⇒制度上1回接種 ■昭和47年(1972年)9月以前生まれ⇒制度上ワクチン接種なし※ただし、多くの人が麻しん発症の経験(免疫)あり

 特に1972年10月〜1990年3月までに生まれた人は、定期接種制度としてのワクチン接種回数が1回のため、ほかの期間の人たちよりも麻しんウイルスの抗体を持っていない可能性が高く、注意が必要と言われています。

ワクチン接種「覚えていない」が57%

 今回の緊急アンケートでは、704人の会員が回答。生まれ年やはしかの罹患歴、麻しんワクチン接種の有無や今後の接種意向などの質問に答えてもらいました。

 まず、生まれ年とはしかの罹患歴についてたずねた結果が上記のグラフです。一見するとわかりにくいですが、1972年生まれ以降、はしかに「罹った」と回答した人の割合は低下しています。それをわかりやすく示したのが、以下のグラフです。

 全体では、「罹った」54%、「覚えていない」29%、「罹っていない」17%という結果に。1971年以前生まれの人では、およそ6割が「罹った」と答えているのに対し、1972年〜1989年生まれでは約4割に低下。一方、「罹っていない」人は、13%から27%と、およそ2倍に増加しました。1990年以降については、回答数が14件と少ないため、あくまで参考値として考えるのが良いでしょう。

 ワクチンの接種状況については、全体で半数以上の人が「覚えていない・わからない」と回答(57%)。「受けたことはない」も16%と、最大で73%の人がワクチンを接種していない可能性があることがわかりました。

 また、罹患経験が「ない」または「覚えていない」と回答した1989年以前生まれ(2回接種対象外)の人で、ワクチンを2回接種したことのない人は704人中266人でした。この266人に、今後のワクチン接種の意向をたずねたところ、「接種したい」が45%、「接種したくない」が55%と、僅差で「接種したくない」が上回りました。

 その理由について、それぞれ自由回答してもらった結果は、以下の通りです。(一部抜粋)

■接種したい理由

  • 接種の記憶がないので、念のため希望する。(1940年以前生まれ・男性)
  • 今回のはしかの拡がりを見ていると、脅威を感じる。(1950年代生まれ・男性)
  • 抗体があるかどうかを調べてなかったら、接種した方が安心だと思うから。(1960年代生まれ・女性)
  • 子どもに携わる仕事をしているので。(1970年代生まれ・女性)
  • 私が生まれた時は、ワクチンを1回接種することが義務づけられていたが、最近ニュースでは2回接種すべき(1990年以降に生まれた人は接種済み)だと聞いたのでやりたいと思った。また、仕事柄(医療関係)感染予防の為、接種が必要だと思っている。(1980年代生まれ・女性)

■接種したくない理由

  • たぶん、免疫があると思う。(1940年代生まれ・男性)
  • 現状の健康状態で、大丈夫だと思う。(1950年代生まれ・男性)
  • 大人でも麻疹にかかるかどうか分からないので。(1960年代生まれ・女性)
  • 流行してるのは、分からなくもないが、今更という感じがしなくもない。(1970年代生まれ・男性)
  • 大丈夫かな、と思って。あとは、子供の時にかかったかな、と思って。(1980年代生まれ・女性)

 このようにはしかに罹ったかどうか、ワクチンを接種したかどうか「覚えていない」人でも、その捉え方は個々人によって異なるようです。

罹ったことがない・覚えていない人は抗体検査を

 いかがでしたか。まずは自分に麻疹の抗体があるかどうか、確かめることが重要です。もし、ご自身の母子手帳が残っていれば、そこに罹患歴やワクチンの接種歴が残っているかもしれません。手元にない方がほとんどだと思いますが、実家に帰るついでにご両親に確認したり、電話で聞いてみてはいかがでしょうか。また、病院で抗体検査を受けることもできます。一部の市区町村では、抗体検査に対する助成を行っているところもありますので、一度確認してみてはいかがでしょうか。(QLife編集部)

参照・関連リンク

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このニュースに関するつぶやき

  • 世の中、おめでたい人たちが病を流行らせているんだなぁ…。構図はお気楽な喫煙行為と一緒。二回接種で2万円弱の出費と、たばこ代を積み立てたら老後に一千万円。
    • イイネ!2
    • コメント 1件

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