張本の「なにが面白いのかねえ」発言から考える現代人の免疫力の低さ

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2018年05月24日 01:00  citrus

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「ハリー」の名で(イチローとか)一部のあいだから親しまれている張本勲氏(77)が、またやらかしちゃったみたいである。

 

『リアルライブ』によると、5月20日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、張本氏が北海道・大倉山ジャンプ台を下から登るレースに出場した選手に心ない一言を浴びせ、ネット上で批判を受けている……らしい。事のあらましを簡単に説明しておこう。

 

番組では「最も過酷な400メートル走」と題し、北海道・大倉ジャンプ競技場を下から走って駆け上がり、そのタイムを競う「レッドブル400」を取り上げる。参加者は厳しい傾斜をもろともせず、下から上へと走り、ゴールすると精根尽き果てたように横になった。

 

さらに、女子の部では、昨年の世界選手権で優勝したという田中ゆかり選手が独走し、それをキツイ傾斜のなか懸命に追い上げていく様子が放送され、ゴール付近でついに逆転。そのままゴールし、新王者に輝いた模様が流れた。

 

(中略)ところが、これを見た張本氏は「なにが面白いのかねえ」と一言。冗談のつもりだったようで、その後、張本氏はまずいと思ったのか、すかさず「あっぱれ」をあげた。

 

この「なにが面白いのかねえ」発言に、ネット住民たちは大ブーイング。

 

 

「野球以外のスポーツを語るな」

「一生懸命競技に打ち込んだ人に失礼だ」

「こんな言われ方をするなら取り上げるな」

 

……などの批難が殺到している……んだとか。

 

ついつい口が滑ってしまっただけなんだろう。たぶん、そこまでの悪意も悪気もなかったに違いない。

 

中学時代は陸上部に所属し、400メートル走の選手だった、400〜800メートルの中距離ランニングのつらさが痛いほど身に染みている私も、率直に思う。なにを好きこのんで、そんな過酷な競技に挑むのか……と。そして、だからこそ「挑む人」にはリスペクトの念を惜しまない。しかし、たまたま私はこの回のサンデースポーツを観ていたのだが、おそらく選手たちの苦悶しながら走る姿を目の当たりにして、同じような“第一声”が頭に浮かんだのは、私と張本氏だけじゃないのではなかろうか?

 

なんでもかんでも、些細な粗相がすぐインターネットを通じて叩かれる今の世の中、コンプライアンスのハードルは日に日に低くなり(逆に、暴言・失言・差別的用語のエリアの枠は日に日に広がり続け)、たしかに20年30年前とかと比べれば、人々が使用する言葉は格段とクリーンになった。

 

クリーンになったのは、それだけじゃない。私が子どものころは当たり前のようにただよっていたドブだとか汗だとかタバコの匂いも、もはや街ではほとんど香ってこない。生ゴミも吸い殻もガムもペットの糞も落ちていないし、野良犬もうろついていない……。

 

だが、そんないっぽう、人々の免疫力は確実に落ちてきている……気がする。悪玉菌、汚いモノへの耐性がなくなってきているのだ。たとえば、イケイケの外見ギャルな女性新入社員が、意外とセクハラに打たれ弱かったりするのは、「セクハラ」という概念が一般的になった(昔よりは)クリーンな社会で幼いころからを過ごしてきたから……なのかもしれない。

 

私は、そういうクリーン化の風潮自体を批判しているわけでは決してない。が、張本氏のような悪玉菌をただ過敏に排除するのではなく、上手に共生したほうが、病気になりにくい屈強な心身を育めるのでは……そう言いたいだけなのであった。

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  • いやこの人のは芸人と同じでこれが芸やからコメンテーターとして見てる方たちが間違い(´∀`)
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