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夫婦の会話は「糸でんわ」で 病床で話せない夫、紙コップで呼びかける妻の思い 『半分、青い。』見て再開

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2018年06月14日 07:01  ウィズニュース

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写真話題になっている新聞投稿
話題になっている新聞投稿

 「蝶々が飛んでるよ」「明日また来るからね」。言葉のやりとりが出来なくなった夫に、手作りの糸でんわで毎日呼びかける妻がいます。彼女が新聞に投稿した文章が、第三者のツイッターを通じて多くの人に届き、「すてきなご夫婦」「涙が止まりません」と話題になっています。半世紀以上連れ添っている夫婦の話を聞きました。

【画像】新聞投稿の全文はこちら。手作りの糸でんわで、病床の節夫さんに話しかけるくみ子さんの写真なども

ツイッターで拡散
 今月6日にツイッター投稿された画像。

 写っているのは朝日新聞の投稿欄「ひととき」のページで、宅配便の中に緩衝材代わりに入っていた新聞だそうです。

 投稿には、こんな内容がつづられています。

 新婚時代、月末にお金がなくて魚1匹のおかずを伝えるために糸でんわを使ったこと。

 子どもを身ごもったことを伝える時にも使ったこと。

 現在、夫は介護施設にいて歩くことも会話することも出来ないこと。

 テレビドラマに登場した糸でんわを見て思い出し、手作りして毎日語りかけるようになったこと。

 そして、こう結ばれています。

 「『もしもし』と言ったら唇を動かして下さい。『明日また来るからね』と言ったらうなずいて下さい。『じゃあね』と言ったら少しでいいから手を振って下さい。でも……と、私は思った。ことばが出るようになったら、夫は最初に『おれのこと、随分子ども扱いしていたね』と笑うだろう。そうしたら、私は糸でんわの紙コップが破れるくらいの大声で、笑い返そう」

 この投稿に対して、「情景が目に浮かんで涙があふれてきました」「なんて優しくてせつないんだろう」といったコメントが寄せられ、リツイートは3万、いいねは8万を超えています。

始まりは新婚時代
 この文章を書いたのは、神奈川県葉山町在住の山田くみ子さん(79)です。

 「毎朝楽しみにしているNHKの『半分、青い。』に糸でんわが登場したんです。それを見て『そうだ、また作ってみよう』と思ったんです」

 夫の節夫さん(83)と連れ添って半世紀以上。結婚のきっかけは、一緒に聴いたシューベルトの曲でした。

 「聴き終えた時に『すごくきれいな曲』と、二人とも涙を流していたんです。その時に『この人と結婚したい』と思いました」

 初めて糸でんわを作ったのは新婚時代。月末に100円玉数枚しか残っていない時でした。

 「私、やりくりが下手で、なかなか夫に言い出せなかったんです。そんな時に、小さい頃に母と糸でんわで話をしたことを思い出したんです」

 手元にあった小さい紙コップに糸を通し、つまようじを使って外れないように固定。「お金がないので今夜のおかずは魚1匹です」と伝えました。

 糸の先に見えた節夫さんの横顔。一気に表情がゆるみ、「やった、うまくいった」と、くみ子さんも笑顔になりました。

毎日バスで施設へ
 長男・次男を身ごもった時も、糸でんわを使って節夫さんに伝えました。

 「そのまま話しても聞こえる距離で、周りには誰もいないんです。それでも、糸でんわだと言いやすいんです。面と向かって言うのがはずかしいのもありますが、2人だけがつながっている感じがするんです」とくみ子さん。

 2016年、節夫さんはがんの治療で感染症になり入院。歩けなくなり、言葉を交わすこともできなくなりました。

 自宅での介護は難しく、三浦半島の南端にある城ケ島の介護付き老人ホームに入ることになりました。

 自宅から遠かったこともあり、通えるのは週に2回。朝5時半に起きて掃除や洗濯を済ませ、バスで片道1時間半かけて通いました。

 現在は自宅近くの施設に移ることができたため、毎日訪ねています。

 11時半からの食事に間に合うようにバスで施設へ。スプーンで口元に食事を運び、声をかけると、節夫さんは口を開いてくれます。会話はできなくても、くみ子さんの声は聞こえているようです。

たった一つの心配事
 朝ドラをきっかけに復活した、糸でんわのやりとり。

 通りかかった施設職員から「あらあら、ラブラブですね」と冷やかされることもあるそうです。

 「むかし一緒に行った菜の花畑で、たくさんのモンシロチョウが飛んでいたことを話したり、『ほら、今ここにも飛んでるよ』とウソをついてみたり。きっと頭の中ではっきりと景色が広がってるんだと思っています」

 返事はなくても、糸でんわで毎日話しかけるくみ子さん。その理由をこう話します。

 「私は、長男から『生きる力』を、次男から『優しさ』を、夫から『祈りの心』をもらいました。神様を信じるというのではなく、道端に咲く花に気づいて慈しみ、感謝する。そんな心です」

 生きがいなんて考えず、つらいことがあったら『明日になれば夢だったと思えるから』と自分に言い聞かせ、日々を過ごしているというくみ子さん。

 そんな彼女にも、一つだけ心配事があります。

 「夫より先に私が逝っちゃうこと。だって、私が死んだことを知らないまま生きることを考えると、とても悲しくなるんです」

 ツイッターを通じて話題になったくみ子さんの新聞投稿。イギリスにいる長男から「ネットで話題になってるって友だちから聞いたよ。すごいね」とテレビ電話がかかってきたそうです。

 「こんなドラマみたいなことってあるんですね。みなさんの感想を拝見して、行間から私の涙をくみ取っていただいた方もいたようです。ありがとうございました」

このニュースに関するつぶやき

  • 良い話だけど、自分だとどうなるかとブルーになる記事だなぁ https://mixi.at/a9UWNyJ
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  • 残忍な事件や外を歩いてちょっとぶつかれば喧嘩になるようなギスギスした中で、こう言う暖かい世界もあるって思わせてくれたニュースに感謝します。
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