ホーム > mixiニュース > コラム > 小惑星リュウグウは少し角張っている? 「はやぶさ2」順調に接近

小惑星リュウグウは少し角張っている? 「はやぶさ2」順調に接近

0

2018年06月14日 18:02  THE PAGE

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

THE PAGE

写真[画像]2018年6月13日午後1時50分ごろ、はやぶさ2の光学航法カメラで撮影されたリュウグウ。露出が長く設定してあり、実際よりも光って写っている(画像提供:JAXA、京都大、日本スペースガード協会、ソウル大学、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研)
[画像]2018年6月13日午後1時50分ごろ、はやぶさ2の光学航法カメラで撮影されたリュウグウ。露出が長く設定してあり、実際よりも光って写っている(画像提供:JAXA、京都大、日本スペースガード協会、ソウル大学、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研)

 小惑星「Ryugu」(リュウグウ)を目指す小惑星探査機「はやぶさ2」の状況について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が14日、JAXA東京事務所で記者会見した。はやぶさ2はリュウグウへ向けて順調に航行を続けており、6月27日前後の到着予定は変わらないと報告した。


●どんな形か想像してみて

 はやぶさ2とリュウグウの距離は6月14日現在で750キロと、1週間前の2100キロよりさらに近づいている。JAXAは会見で、はやぶさ2の望遠光学航法カメラで6月13日午後1時50分ごろ撮影したリュウグウの画像を公開した。

 これまでの観測で、JAXAはリュウグウについて「ほぼ球形」で「直径約900メートル」と推測しているが、「はやぶさ2」プロジェクトチームの吉川真(まこと)ミッションマネージャは「まだ正確な形や表面の状況は分からないが、少し角張ってるような気もする。少なくとも極端に細長い可能性は排除できた」と現時点の画像解析からの所感を述べた。大きさについては、推定した数字と今のところほぼ一致しているという。

 ただ表面にへこみなどがあるのではとの疑問もあるという。「(初代はやぶさが目指した)イトカワは細長かったが着陸にはそれほど問題にならなかった。形よりも表面の平らさ、でこぼこかどうかの方が重要」と語った。

 吉川氏は「来週になると(もっと接近するので)かなり解像度が上がってくる」と期待を寄せる。JAXA宇宙科学研究所の久保田孝研究総主幹も「この画像から(リュウグウが)どうなのかと皆さん想像してほしい」と呼びかけた。


●光学航法はなぜ必要?

 6月3日に高推進力のイオンエンジン運転を終了したはやぶさ2は、現在は「光学電波複合航法」(光学航法)を用いながら、リュウグウに接近している。

 光学航法とは、探査機に搭載したカメラなどで小惑星を確認しながら進む手法。前回の会見では、小惑星到着までのポイントとして、「光学航法による精密な誘導」と「リュウグウに衛星があるかどうか」が挙げられていた。

 吉川氏は、今回のはやぶさ2のミッションが、地球から約3億キロも離れたところにある900メートルほどの小惑星への到着であることから、光学航法を使って、探査機とリュウグウの正確な軌道を推定しながら近づく必要があると説明する。遠く離れた宇宙にいるはやぶさ2とリュウグウには、ともに位置に「誤差」があるため、それらを修正しながら航行しなければいけないからだ。

 従来の電波航法では、3億キロの彼方の場合、はやぶさ2の位置誤差は約300キロになるが、今回採用した新たな方法(DDOR)によって、約数キロに収められるという。

 一方、リュウグウについては、今年5月時点での軌道の位置誤差が約220キロあった。これだけ誤差があると、1キロに満たない小さな天体には到着できない。これを光学航法によって誤差を縮めていく。ちなみに「3億キロ先の約900メートル」とは、日本からブラジルにある6センチの的を狙うのに等しいくらいの難度だという。

 はやぶさ2は、リュウグウ到着まで最終的には合計10回の化学エンジンによる軌道修正を予定している。


●周囲を公転する衛星はある?

 リュウグウの周りを公転する衛星の有無も焦点になっている。

 産業技術総合研究所の主任研究員で、光学航法カメラの開発運用チームメンバーである神山(こうやま)徹氏は「どれだけ小さな衛星であっても、はやぶさ2との衝突はミッションにとって危険」と指摘し、このリスクを少しでも早く把握するために衛星探索を行っていると説明。6月7日の探索では、今回の観測の検出限界である50センチより大きな衛星は認められなかったとした。

 そのため、現時点ではリュウグウまで50キロのところまでは安全に接近できるとの見解を示した。

 7日の衛星探索では、4回に分けてそれぞれ約6分間観測した。12等級という人間の肉眼では感知できないほど暗い星も確認できる設定で観測したため、「(リュウグウの周りに)点(星)がたくさんあって難しかった」(神山氏)が、「星は動かないが衛星は動くので、4回の探索の中で動く衛星を探した」と観測の模様を説明した。

 神山氏は、リュウグウのスペックでは衛星を安定的に持つことは難しいとみているが、もし衛星が見つかったら科学的には大発見だという。


    あなたにおすすめ

    前日のランキングへ

    ニュース設定