発電施設の水消費量を最大30%削減する集水システムをMIT出身スタートアップが開発

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2018年06月18日 22:12  Techable

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米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者を中心に創設されたスタートアップ企業「Infinite Cooling(インフィニット・クーリング)」は、発電所や大型データセンターの冷却塔で大気中の水蒸気を収集する独自システムの開発に取り組んでいる。
・大気中の水蒸気を荷電粒子ビームで捕らえて収集
米国の発電所では、熱冷却のために大量の水を消費しているが、水蒸気となって大気中に放出されたものはそのまま無駄になっている。

そこで、「Infinite Cooling」は、電界を使って冷却塔から排出される水蒸気を最大80%収集し、水資源として再利用させるシステムを開発。

水蒸気を含んだ空気を電荷を帯びた荷電粒子ビームで捕らえ、水蒸気を帯電させて収集する仕組みだ。

帯電した水蒸気は集水スペースに流れ落ち、質の高い蒸留水として発電所で再利用することができるほか、飲用水として地域の水道システムに供給することも可能。

これによって、発電所における水の消費量を20%から30%削減でき、600メガワット規模の発電所で年間100万ドル(約1億1000万円)のコストを節約できるそうだ。
・2018年夏、MITキャンパス内の発電施設で試験的運用へ
「Infinite Cooling」の画期的なテクノロジーはMITの学内外で注目を集め、2017年8月には米エネルギー省が主催する「Cleantech University Prize」で優勝したほか、2018年5月には、MITのスタートアップ向けコンペティション「MIT $100K Launch」でも大賞を獲得した。

「Infinite Cooling」では、いよいよ、2018年夏、キャンパス内に電力を供給するMITの発電施設の屋根にこのシステムのプロトタイプを設置し、秋以降、試験的運用を開始する方針だ。(文 松岡由希子)

Infinite Cooling

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