悲願の初優勝!! 「トヨタ ル・マン24h 挑戦の軌跡」展に胸が熱くなる

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2018年06月20日 19:42  マイナビニュース

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「第86回 ル・マン24時間レース」にて、トヨタが待望の初優勝を遂げた。現在、東京・お台場のメガウェブでは「トヨタ ル・マン24h 挑戦の軌跡」と題し、33年にわたるトヨタの戦いを、過去の参戦マシンとともに紹介するイベントを開催中。今回は、その模様をお届けする。

○ル・マン優勝車「TS050 ハイブリッド」も展示!

6月16〜17日、「WEC ル・マン24時間レース」の決勝が行われ、トヨタが参戦33年目にして初の総合優勝を果たした。日本車と日本人ドライバーという組み合わせでの勝利は、史上初の快挙となる。その栄光への道のりを振り返る企画展「トヨタ ル・マン24h 挑戦の軌跡」が、東京・お台場のメガウェブで9月30日まで開催中だ。

会場のメガウェブ ヒストリーガレージ1F モータースポーツヘリテージには、過去にル・マン24hを戦った5台のマシンや、解説パネルなどが展示されている。また、6月30日までは隣接するメガウェブ トヨタショウケースにて、優勝した「トヨタ ガズーレーシング TS050ハイブリッド」の展示用車両も公開される。

○1985年、「セリカ」エンジンのグループCカーで参戦開始

さて、1923年に市販車の耐久レースとしてはじまったル・マン24hだが、日本勢が挑戦を開始したのは1970年代のこと。トヨタもこの頃から、プライベーター(自動車メーカーではない企業や個人のチーム)へのエンジン供給という形で、ル・マン24hとの関わりをスタートさせた。

そんなトヨタがル・マン24hへ初出場したのは、排気量無制限のグループCカーで競争が行われていた1985年。「セリカ」のエンジンをベースとした2.1L直4ターボ「4T-GT」を使用し、車両開発は童夢とトムスに委ねる形での参戦で、12位完走という成績を残した。その後、1987年からはワークス(自動車メーカーのチーム)としての活動をはじめる。
○1990年、グループCカー「90C-V」で初入賞

ここからは、展示されている過去の参戦車両を中心に、トヨタのル・マン24hでの歴史を振り返ろう。トヨタは1988年、国内でのレースにて同社初の本格的グループCカー「88C-V」をデビューさせる。純レース用に開発した3.2L V8ターボエンジン「R32V」を、フルカーボンモノコックの新型シャシーに搭載したマシンだ。

それを熟成させた「89C-V」と「90C-V」は、それぞれル・マン24hにも投入された。1990年には3台の「90C-V」が出走し、うち1台は6位完走。これがトヨタ初のル・マン24h入賞となった。
○1992年、NAエンジン搭載「TS010」で総合2位に

1991年からグループCカーのエンジンが自然吸気(NA)3.5Lに統一されたことに伴い、トヨタがル・マン24hを1年休んで新開発したのが「TS010」だ。ちなみに、その1991年のル・マン24hでは、マツダ「787B」が日本車として史上初の総合優勝に輝いている。

「TS010」は1992年、ル・マン24hも組み込まれている「スポーツカー世界選手権」全戦に参戦し、開幕戦のモンツァではいきなり優勝。第3戦のル・マン24hでの活躍も期待されたが、惜しくも総合2位に終わった。
○1995年、市販車ベースの「スープラ」が走った!

1992年に「スポーツカー世界選手権」が終了したことにより、ル・マン24hは市販車ベースのGTカーと、WSCと呼ばれるオープントップのプロトタイプレーシングカーで争われることに。トヨタは1995年に「スープラ」でエントリーし、14位を獲得した。

「スープラ GT-LM」は、全日本GT選手権用の車両を、ル・マン24hの規定に合わせて手直ししたもの。同じ年には日産「スカイラインGT-R」、ホンダ「NSX」をベースとしたマシンもル・マン24hを戦った。また、「マクラーレン F1 GTR」をドライブした関谷正徳選手が、日本人ドライバーとして初優勝したのもこの年だ。
○1999年、「TS020」で日本人トリオが惜しくも2位に

その後、ル・マン24hに投入されるGTカーは、GT規格にこそ則ってはいるものの、どんどんプロトタイプレーシングカーに近いものとなっていった。トヨタチームヨーロッパが開発し、1998年にデビューしたトヨタ「TS020」もそんな1台だ。

1998年のル・マン24hには3台が投入され、一時はトップを快走するマシンもあったが、結局、片山右京/鈴木利男/土屋圭市組の9位が最高位に。この日本人ドライバートリオは翌年も引き続き「TS020」で戦い、みごと2位を獲得。3人並んで表彰台に上がった。
○2012年、ハイブリッドレースカー「TS030」で復帰

現在、ル・マン24hは「WEC(世界耐久選手権)」の1戦として組み込まれているが、これは2012年からスタートしたもの。1992年に終了した「スポーツカー世界選手権」の復活版とも言えるシリーズだ。しばらくル・マン24hへの挑戦を休止していたトヨタだったが、この2012年に「TS030 ハイブリッド」で復帰を果たす。

「TS030 ハイブリッド」は、エンジンとモーターを組み合わせたパワートレインを搭載するハイブリッドレースカー。2012年はリタイアとなったが、2013年は2位に。また、WEC各戦でも活躍し、2012年には3回、2013年には2回優勝している。
○2018年、何度もつかみかけた栄光をついにその手に!!

そして、2014年に登場した「TS040 ハイブリッド」は同年、WECにてマニュファクチャラーズタイトルとドライバーズタイトルをダブルでトヨタにもたらした。2016年からは「TS050 ハイブリッド」が投入され、優勝をつかみかけては逃がしたのちに、ついに今年、日本車+日本人(を含むドライバー体制)での1-2フィニッシュという偉業を成し遂げたのだ。

中嶋一貴選手はF1王者フェルナンド・アロンソ選手らとともに優勝車を、小林可夢偉選手はWTCC(世界ツーリングカー選手権)王者のホセ・マリア・ロペスらとともに2位のマシンをドライブした。

トヨタがル・マン24h勝利への執念を燃やしてきた33年間に、胸が熱くなる企画展「トヨタ ル・マン24h 挑戦の軌跡」は、入場無料で9月30日まで一般公開されている。(櫛田理子)

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  • 展示用車両…てのが気になるがw 本物じゃないのかな?
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