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朝ドラで再注目の「ロリータファッション」、専門誌に聞く“逆輸入”で生き残るワケ

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2018年06月21日 06:30  ORICON NEWS

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写真海外進出で話題のロリータファッション、人気の理由は(写真はロリータ雑誌『LE PANIER』より)
海外進出で話題のロリータファッション、人気の理由は(写真はロリータ雑誌『LE PANIER』より)
 現在放送中のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で、女優の井川遥が『PINK HOUSE』の衣装を着こなし話題となった“ロリータファション”。1980年代にブームを起こした、ヒラヒラとしたお人形のようなファッションは、90年代に熱狂的ファンの間で好まれていたが、2010年代以降は、専門誌の休刊やファストファッションの流行に押され、街で見かけることが少なくなった。そんな中、今年5月にロリータ専門誌『LE PANIER(るぱにえ)』が創刊。廃れたと思われた“ロリータ文化の現在”を同誌編集長の松村直樹氏に聞いた。

【写真】コスプレとも好相性 “ツインテ×ミニスカ”のゴスロリレイヤー

■朝ドラで井川遥が着こなし再注目の『PINK HOUSE』も

 “ロリータファッション”とは、中世ヨーロッパの少女が着ていたようなドレスに、日本独自の解釈を加えたスタイル。フリルやレースをふんだんに使ったドレスに、ハイソックス、厚底靴などの組み合わせが日本では一般的。1980年代中頃にDCブランドから発表された「ドール・ファッション」が原型ともいわれていて、『PINK HOUSE』『MILK』『Jane Marple』などがその源流とされていて、丸井やPARCOなどにテナントされ、各店舗のある原宿や新宿はファンが集まる聖地となった。

 2017年に誕生から35周年を迎えた『PINK HOUSE』は、芸能人でも森尾由美や宮川花子らが愛用していることで有名。花柄や大きなフリルをあしらったデザインは当時一大ブームに。『半分、青い。』でも井川遥演じる菱本若菜が同ブランドのファッションで登場。放映時には「懐かしい!」「かわいい」とSNS上で話題を集めた。

■“ロリータファッション”をメジャーにした『下妻物語』

 「ロリータ」という言葉を広く一般的にしたのが、2004年に公開された嶽本野ばら原作の映画『下妻物語』。ロリータを愛す主人公・桃子(深田恭子)と地元のヤンキー・イチゴ(土屋アンナ)の友情物語だ。公開されると、お人形のようにラブリーな衣装に身を包んだ深田がかわいすぎると、ファッションやその考え方に注目が集まった。

「SNSなどがまだ普及していない時代には、ファッションの共有は雑誌のSNAPが担っていたと思います。そこで注目されていたロリータファッションのカルチャーとしての側面をわかりやすく伝えるものとして、『下妻物語』は日本だけでなく海外(特に北米・ヨーロッパ)でも伝える役割を果たしたと思います」(松村)

■実は汎用性が高い? ヴィジュアル系やコスプレイヤーとも好相性

 「ロリータ」には、ジャンルがいくつかある。80年代後半から90年代に多く立ち上げられたブランドも、代表的な「甘ロリ」から、黒を基調とした「ゴスロリ(ゴシック&ロリータ)」、やや落ち着いた印象の「クラシカル」などに派生して、それぞれが得意とするジャンルを持つ。全盛期にはファッション系専門学校に通う学生らによるインディーズブランドも多く存在していた。

 X JAPANやMALICE MIZER、LUNA SEA、JUDY AND MARYなど、パンクやビジュアル系などのミュージシャンがこれらのブランドを着用し、ファッションアイコンのようになることも多かった。また、アニメやマンガなどでもロリータファッションに身を包んだキャラクターも登場し、コスプレイヤーにも好まれるファッションになった。奇抜で個性的過ぎると思われがちなロリータは、現在もスタイルを変えながら、しっかりその流れが生き残っている。

「ロリータの持つ“お姫様”志向というものが、多くの女性に普遍的にあるというのが前提ですが、各メーカーがお洋服をしっかりとした作り方で制作され、時代が変わっても着ることができる。それもロリータファッションが生き残っている理由のひとつだと思います」(松村)

 ファストファッションのように1シーズンで使い捨てではなく、大切に扱えば10年後だって着られる。お気に入りを時代に合わせてコーディネートできるというファッションの原点ともいえる楽しみがそこにはある。

■ロリータは争いのない世界、“お茶会”で“かわいい”をシェア

 ロリータファッションのファンたちは、お互いを共有する気持ちが強いように感じる。「お茶会」と呼ばれる集いや、お気に入りのファッションで参加する「撮影会」が定期的に開かれたり、SNSでハッシュタグを利用して写真を投稿したりするのもその一環と考える。

 そういった傾向について松村氏は、疎外されやすい趣味・文化だからこそ、逆にコミュニティを作りやすいと分析する。

「自分のためのファッションであり、“かわいい”を共有や共感するもの。どちらが優れているとか、どちらがモテるといった争いがなく、お互いを”かわいい”と言い合える。人のテクニックを参考にできることも共有する気持ちを高めるのだと思います」(松村)

 日本と中国で同時発刊した『LE PANIER』のコンセプトは「ロリータ文化を世界に広げる」こと。海外から日本のロリータファッションはどう見えているか。

「海外の方々の受け止め方は、日本と変わりません。「幼さ」や「かわいさ」のイメージであるにも関わらず、彼女たちは“自分を強くするもの”として受け止めています。バカにされたり、からかわれたりすることは海外でもよくあることのようです。それ以上に、『好きなものを着る・かわいいものを着たい』という強い気持ちを持つことができるファッションなんです」(松村)

 女性が持つ “最もかわいい自分になりたい”という気持ちは、国や時代が変わっても同じ。最後に、松村氏はロリータについてこう語る。

「ロリータに限らず、ファッションというものには着る人の気持ちを変える力があるのだと思います。ひとつの見方ですが、多くの方が幼少期に絵本などで“お姫様”に触れて夢見たことがあって、それぞれがそれぞれの“お姫様”像を持たれているのだと言った方がいました。外見だけでなく、立ち居振る舞いや考え方など自分のあるべき理想像に近づけるアイテムとなっているのではないかと思います」(松村)

 かつて日本の女の子たちの普遍的な憧れを形にし、一世を風靡したロリータファッション。その文化はSNSによって裾野を広げ、世界中の女の子たちに受け継がれている。

(文/齋藤倫子)

このニュースに関するつぶやき

  • 生まれた性別を間違えて悔しい…。こんな素敵な物が着れる人達が羨ましくて。
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  • ロリ好きの友達が言うには、誰かに見てもらいたくて着るのではなく、自分がこれを着たいと思うから着る。だからブレないのだそうだ。
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