兄弟、姉妹がいれば、あって当たり前ともいえる、兄弟げんか。
外から戻れば、すぐにけんかばかりで、イライラしてしまうママもいるでしょう。なぜ、子どもはすぐにけんかをするのでしょうか?
この記事では、兄弟げんかをする子どもの心理について、心理学的に見ていきたいと思います。
兄弟げんかはいつから始まるか……?
これはきっと愚問でしょう。
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弟や妹が生まれてしばらくの赤ちゃん期は、上の子は赤ちゃん返りを起こし、ママの注意を引こうとしますが、下の子が自分で動くようになりはじめると、そこで兄弟げんかが勃発します。
「けんか早い」という言葉があるように、やはりけんかに至りやすい子はいます。
生まれながらの気質で、否定的に粘ることが多い子や喜怒哀楽の大きな子は、感情的に訴えることが多いので、兄弟げんかに突入しやすいと言えます。
ただ、兄弟姉妹がいるのに、まったくケンカをしないという子はきっといないでしょうから、幼少期は、多かれ少なかれ、どのご家庭でも兄弟げんかはママの悩みになりがちです。
その心理はというと、子どもがウソをつく感覚と似ているところがあります。
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・自分の欲しいものを手に入れたい
・自分の方がちょっと得したい
・ママの注意を引きたい
自分の立場を危うくするものから逃れ、優位に持っていきたいときにけんかになりやすい、いわば、自己防衛策。それが兄弟げんかです。
ということで、「ちょっと有利に」という心理が争いごとを起こすのです。しかし、親が、年齢差のある子どもたちに対し、完璧に平等に接するのは、なかなか無理なことですし、かりに完璧にフェアであれば争いごとは起こらないかというと、そうではありません。
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平等にできたとしても、やはり問題は起こりがちです。なぜなら、子どもが持つ「平等かどうかという感覚」は非常に主観的だからです。
たとえば、家に1つしかないおもちゃを交互に使うというケース。
正確にカウントしていれば、お兄ちゃんが5回、弟が5回とまったく平等であっても、もしかしたらお兄ちゃんの方が、「ボクは全然貸してもらえない」と感じるかもしれませんし、弟の方が、ママに、「お兄ちゃんばっかり遊んでずるい」と不平を言うかもしれません。
このように、実際には、「平等」であっても、子どもの目にはそう映らないことがたくさんあります。7歳くらいまでの子の思考傾向として知られる「エゴセントリズム」が、「ちょっと得したい」と自己中心的な見方を促してしまうのです。
兄弟げんかは、いったん起こってしまうと、なかなか収拾がつきにくいため、ママの悩みの種になりやすいですし、イライラしてしまうこともあります。
ですが、ママが「けんか両成敗」とばかりに、大声を出して、そこに割って入るのだけは避けたいところです。なぜなら、それは子どもに、「問題が発生したら、ママのように大声で制圧すればいいのよ」と教えてしまうことになるからです。
それが子どもに伝わると、子どももけんかのときに、大声を出したり、手を出したりするようになってしまいます。
いったん起こってしまったけんかを一瞬でピタッと収めるような秘策はありませんが、どちらが悪いというわけではない兄弟げんかの場合は、くどくど言わず、「〇〇くんは〜へ、〇〇くんは〜へ行きなさい」と2人の間に距離を作るのが、現実的にできる策としておすすめです。
「ちょっと得したい」という気持ちから生まれる兄弟げんか。
ママはつい感情的に叱りたくなりますが、悪循環を生むだけでいいことはありません。
頑張って気持ちを抑え、子どもたちの距離を物理的に離すと、ママも子どもたちも、感情が落ち着きやすくなります。
【画像】
※Tatyana Dzemileva、 vesna cvorovic、 Iakov Filimonov / Shutterstock
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