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投げ捨てられた猫が、古本屋の猫店長として就職するまで

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2018年07月11日 16:22  日刊SPA!

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 埼玉県のとある古本屋に日がな一日、本の上で過ごしている1匹の猫がいる。古本屋といえば店の奥に店主のおじいちゃんが座っているというイメージがあるが、この古本屋は少し違う。店番の女性が軒先に立ち続け、その隣では猫がゴロゴロとノドを鳴らしている。堂々とした様はさながら“猫店長”のようだ。ときおり客が訪れては、近寄ってスリスリと“接客”している。

 そんな姿が気になり店番の女性に話をうかがってみた。猫店長が古本屋に“就職”するに至った意外なワケとは?

◆迷宮のように本が山積みとなった店内

 この古本屋、中に入ってみると本の量はかなり多いにも関わらず、歩くスペースは2畳ほどしかない。至る所に本が敷き詰められてはいるが、近くに行けないので手も届かないし、遠すぎて題名さえ見えない本もある。

「昔は軒先にも本をたくさん並べておいたんだけどね、市の合併にともなってルールが変わっちゃったのよ。だから、店の前に置いていた本のカートをそのまま中に入れるしかなかったの」

 そんな状況で果たして売れるのだろうか……しかし、本棚を見てみるとなかなか珍しそうな本がたくさんある。まだネットが普及していなかった時代の成人雑誌などマニアからすればかなり価値がありそうだ。掘り出し物を探しにくるバイヤー(転売屋)もちらほらと訪れるという。

「バイヤーじゃなくて、本当にその本を読みたい人に買ってもらいたいけどね。探している本があれば意地でも私はこの山の中から見つけ出しますよ。言ってもらえれば在庫があるかどうかはなんとなく分かるの」

 本棚はもう迷宮みたいになっていて、これはこれでカッコいい。そして猫店長もこの迷宮空間がお気に入りのようだ。

◆商売上手の猫店長

 本の上を移動しながら筆者のもとへやってきた猫店長。かなり人懐っこいらしく、客が来ると必ずといっていいほど軒先にやってくる。本の上で寝ている猫店長に客がカメラを構えシャッターを切ろうとすると、本から降りてスリスリと身体を擦り付けてくる。

「みんな写真を撮ってくれるんだけどね。この子、人が来るとすぐ近寄って行っちゃうの。本の上にいる姿が人気なんだけどシャッター時間はかなり短めなの」

 店番の女性と話している間も何人かお客さんが来たが、みんなにスリスリしている猫店長。その客が帰るとまた筆者のもとに来るくらいなので相当な甘えん坊である。

◆猫店長が古本屋に就職した理由

 この古本屋は先代から続いているかなり古い店。では猫店長はいつ、この店にやってきたのだろうか。本の上をピョンピョンしている猫店長。かなり若い気もするが。

「この子はもう14歳で猫にしてはかなりの高齢よ。14年前の5月5日に公園で捨てられているところを拾ったの。だから名前はコッコ」

 そう言って当時を振り返る店主の女性。公園の近くを歩いていると、突如、「フギャーッ!」という鳴き声とともに車の窓から2匹の猫が投げ捨てられたそうだ。1匹はどこかへ逃げてしまったが、猫店長は無事に保護され今にいたるというわけだ。

「コッコの柄を見てみるとね、雑種のようで雑種じゃない模様をしているでしょう。確証はないけど、たぶんブリーダーが配合に失敗して雑種みたいになっちゃった猫を、商品にならないからそのまま捨てたんだと思う。なんとなく、そんな雰囲気だったわ。コッコみたいにブリーダーに捨てられてしまう動物は数え切れないほどいるでしょう」

 猫店長をなでながら店番の女性はそう話した。野生の経験がなく生まれたときから人間の手で育てられた。裏を返せば、捨てたブリーダーのおかげで人間に怯えることなく人懐っこい性格になったというわけだ。そう考えるとなんだか複雑な気分にもなるが……毎日、同じ場所でみんなにゴロゴロ言いながら、地元では“猫店長”として親しまれてきたようだ。

 いまでは猫店長を目当てに遊びに来る客も多いらしい。店主の女性への恩返し? とはいえ、今日も本の上で寝転びながら、客が来るのをのんびりと待ち続けているのだった。<取材・文・撮影/國友公司>

このニュースに関するつぶやき

  • 猫店長「これでも仕事してます」
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  • まさに招き猫。この本屋さん長続きして欲しい。でも投げ捨てた人最低!!逃げたもう一匹は幸せなのかな。。長生きしてね。店長。
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