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西日本豪雨:砂の中、母が残した一輪 倉敷・真備

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2018年07月12日 22:43  毎日新聞

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毎日新聞

写真平松房子さんが大事にしていた庭を見つめる長男頼雄さん。泥にまみれていたが、一輪だけ花が残っていた=岡山県倉敷市真備町有井で2018年7月11日午後4時42分、林田奈々撮影
平松房子さんが大事にしていた庭を見つめる長男頼雄さん。泥にまみれていたが、一輪だけ花が残っていた=岡山県倉敷市真備町有井で2018年7月11日午後4時42分、林田奈々撮影

 地区の3割が水没した岡山県倉敷市真備(まび)町。家が濁流にのまれて犠牲になった平松房子さん(87)は、花や野菜を育てるのが好きだった。庭の花壇も流されたが、淡いピンクの花が一輪残っていた。「いい色だな」。長男頼雄さん(65)は、水が引いた母の家を訪れ、笑顔を見せた。


 1人暮らしをしていた房子さんは、大きく実った野菜を抱えては、300メートルほど離れた頼雄さんの家に届けるのを楽しみにしてくれていた。「おばあちゃん、大丈夫かな」。6日夜、激しい雨に見舞われ、頼雄さんの家にいた息子の健さん(30)が房子さんに電話をしたが出なかった。7日の明け方には頼雄さんの方の水かさが増し、屋根に避難して昼ごろにボートで救助された。


 「だめだった」。8日朝、親族から頼雄さんの元に母の悲報を知らせる電話が入った。自宅の1階でパジャマ姿で倒れていたという。数年前から足を悪くして、手押し車を使うようになっていた。「2階にさえ上がれれば助かったのに」。頼雄さんは唇をかんだ。


 育てた野菜を使い、母は頼雄さんが大好きなカレーをよく振る舞ってくれた。「長い間、ありがとう」。亡きがらと向き合い、声を掛けた。【林田奈々】


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  • 電話じゃなくて直接見に行くという選択肢はほんとうになかったのか。
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  • 300メートルの距離にいるなら早めに避難させれば良かったのに。
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