アニメでそれ言っちゃう? 視聴者すらも心配する「ラストピリオド」のギリギリまで攻めたシーン7選

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2018年07月18日 22:32  アニメ!アニメ!

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(C)Happy Elements K.K/LAST PERIOD ANIMATION PROJECTTVアニメ『ラストピリオド −終わりなき螺旋の物語−』
最終話の放送を終えたTVアニメ『ラストピリオド −終わりなき螺旋の物語−』(以下、ラスピリ)がギリギリまで攻めているとネットで話題を呼びました。

原作はHappy Elementsが2016年5月にリリースしたスマートフォン向けアプリゲーム。絶望から生まれた魔物「スパイラル」を倒すことができる唯一の存在「ピリオド」を目指す少年・ハルの成長を描いたハイ・ファンタジーRPGです。
原作ゲームでは38回もピリオド認定試験に落ちたハルがなんとかピリオド見習いとなり、幼なじみのちょこと一緒に所属が決まったアークエンド第8支部の宿舎に向かうところから物語の幕が上がります。

ゲーム内ではハルたちの過酷な運命をシリアスに描いているのですが、アニメで描かれるのは“面白さ至上主義”の完全オリジナルストーリー(参考インタビュー記事:https://animeanime.jp/article/2018/03/02/36945.html)。
メタ的視点で描かれるシニカルでポップな笑いは、「本当に大丈夫か?」と思わせるほどで、原作ファンに留まらない多くの視聴者を惹きつけています。
今回、そんな制作スタッフのフロンティアスピリッツを大いに感じさせるギリギリなシーンをまとめてみました。

■某ライバルゲーム批判!?(「第1話 終了のお知らせ」より)

第1話冒頭から財政破綻により活動停止となったアークエンド第8支部。人の不幸は蜜の味と言わんばかりに他支部がこぞって、女性コンパニオンを使って優秀なピリオドを引き抜いていきます。
ポイントは「ピリオド=現実のユーザー」「他支部=他社のソーシャルゲーム」を彷彿させる描写。カンパネルラが「飛行船飛ばしたり、絶対やれよだのやるなよだの言ってみたり、サッカーチームやお笑いのスポンサー片っ端からやってみたり、挙げ句の果てはノーストレスでゆったりだのと言い張って……」と身を削るネタも飛び出してきます。さらにちょこが「グラグラしてモンモンする」とダメ押しの一言。第1話冒頭からこの攻めっぷりです。


■担当声優の知名度を“そこそこ”と言い切る腕っ節の強さ(第2話「温泉改」より)

ちょこが「2話で早くもテコ入れか。女キャラ揃えて温泉回、サービスしすぎ」とセルフ的なツッコミを見せた第2話。
温泉の湧く量が減ってしまったせいでさびれたユケ村に再び活気を取り戻させるため、「温泉コンサルタントはいかがですかー?」と自身を売り込む、鬼頭明里さん演じるキカザル。直前までちょこの助言を聞いていた村長が条件反射で「流行りのせーゆーか湯?」とつぶやくと、田村ゆかりさん演じるちょこが「そこそこ流行り」とポツリ。これもかなり攻めたセリフといえますが、ちょこが言うならなんでも許される気がしてしまいます。

■聖地巡礼目当てで安易なアニメは作るなってこと?(第2話「温泉改」より)

客足が遠のくユケ村に再び観光客を呼び込むための施策にあげられたのが、「ユケ村・聖地巡礼計画」。
ユケ村をアニメ作品の舞台にし、ファンに大勢来てもらうという狙いのようで、村長は「確かに、それで町おこしをした所もあると聞く湯」と期待を抱き、ちょこも「うまくいけば大笑い?ガールのパンツも見える?」と、まちおこしの成功例で知られる茨城県大洗町を意識したような発言も飛び出します。


その後、源泉に詰まっていた大きなスパイラルを倒したことで村に温泉が復活。それを受けて村長は、聖地巡礼などアニメを使った町おこしは不要として「温泉地は、何よりいい湯が大事なんだ湯!」と潔い発言で結末を迎えた……かと思えば、後日、新聞に「ユケ村が、最近大ヒットしたアニメの舞台になっていて、そのファンがたくさん来てる」という記事が。
押し寄せるアニメファンを迎え、笑顔で捌いている村長や村人たち、温泉のあちこちをスマホやカメラで撮ったり、コスプレして闊歩したりする人の姿が映し出されます。それを見たちょこの「うにゅ。安い聖地だ」という言葉が胸に刺さります。

■『ひぐらしのなく頃に』とのコラボがメタ視点で夢も希望もない(「第3話 その日暮らし」より)


原作ゲームでは他作品とコラボすることが多い『ラスピリ』ですが、ゲーム内だけでなくアニメでも『ひぐらしのなく頃に』とコラボすることに。両作品のファンが胸躍らせるワクワク展開ですが、『ひぐらしのなく頃に』原作者の竜騎士07先生がHappy Elements社長を暗喩したアライグマとプロデューサーのまっぴー氏を接待する“大人の会話”が映し出されます。


後半パートには満を持して梨花、圭一、レナ、魅音、詩音、沙都子が登場。視聴者の期待通り、ちょこと梨花の”中の人ネタ”も回収。視聴者をざわつかせたコラボ回は無事(?)幕を閉じた。

■ガチャ沼にハマったユーザーに警鐘を鳴らす(『第5話 沼の名は。』より)

基本無料プレイのスマートフォン向けゲームにおいて、強くなるために入手したいのが強力なキャラクター。多くの作品でランダムにキャラクターなどを引き当てるガチャが実装されています。
『ラスピリ』でもコールと呼ばれる助っ人を呼び出すシステムがあり、それを担当するイオナちゃんが、第1話からハルたちにコールを勧めてきます。
アニメ作中で度々ハルたちの邪魔をしてくるワイズマンが呼び出す最上級レアリティの助っ人を前に、「もしかして、コールをすればあの用心棒に対抗できる強い仲間が出てくるってこと!?」と問うハルに対するイオナの回答が「うん、可能性はあるねー」というのがリアルすぎて怖い。イオナの「悪いけど、ルナストーンはゼルじゃ買えないんだ。『エン』だけなの」という発言もスマートフォン向けゲームのポイントを押さえたセリフに感じます。


そんなガチャ事情をドキュメンタリー風に描いた第5話は、リアルでもお目当てのキャラクターを入手するため際限なくお金をつぎ込んでしまうユーザーのように、ハルが“ガチャ沼”に陥る話です。
「やっぱり、まとめ買いすると得なんで。思いきって多めに」「コールをして、いい編成を作るのも、ピリオドの戦い方だと思うんですよ」と最もらしい理由でガチャを始め、「心配しないで下さい。うちの支部長にも言われてるんです。節度を持たないと、沼にハマるぞって」とフラグ立てまくりです。


いざワイズマンの邪魔立てに出くわしたハルがコールをすると、案の定、いくら回しても最上級の星5は当たらず、「今やめたら何も残らないですもんね!? 次は絶対出ますよね!? 出ますよね!?」と立て続けにルナストーンをつぎ込み、「次は、すごいのが出るかも知れないでしょうっ!?」と心配して止める声も全く届かない。“ガチャ沼”に陥った姿が生々しく描かれています。
最後はホープくじで得た大金も使い切ってしまったせいで、これまでコールで呼び出した助っ人たちを養えずに手放すという寂しい結末を迎えてしまいました。心を痛くしたユーザー多かったのではないでしょうか……。

■け◯のフレンズやんけ!(『第7話 あにまるトモダチ』 )


攻めたエピソードしか無い本作のなかでも特に攻めていたのが、六大国の一つで獣人が住むアニマルレルムにやって来た第7話。
観光協会の案内人を務めるユミルが登場したかと思えば、「皆さんが口にする言葉は、たったのふたつ……『すごい』と『たのしい』だけです」と言いつつ、某アニメで見覚えのある帽子を手渡してきます。

これってまさか!? と思った次の瞬間には見覚えのある場面転換になり、絶壁の上でハルたちが一斉に「すごーい! たのしーい!」の大合唱。完全にけ◯のフレンズやんけ!


しかし、これだけで終わらない攻めの姿勢を見せます。
ハルが「ユミルは、観光案内が得意なフレンドなんだね!」と賛辞を送ると、実は今日で案内人を辞めなきゃならないと言うユミル。ユミルの観光案内続投を願う市民と、辞めさせようとする市長の争いへと移っていった後半では、アニマルレルムの功労者だと擁護する観光協会に対し、市長が「ユミルひとりに頼る時代は終わったケモ。これからはこの、110名の美少女案内人が後を継ぎ……アニマルレルムの観光は、第二期に突入するケモ!」と、作品を取り巻く環境まで彷彿とさせ、中盤のアイキャッチ部分にも「えーりかおねえさん」と「かんぱねるらおねえさん」によるお互いの紹介映像が挟まれるなど、見事なパロディが描かれました。観てるこっちが怖くて仕方がない。

■水着回で怒濤の新キャララッシュ!(「第8話水着貝」より)

「温泉改」に引き続いてまたもやテコ入れか? と邪推してしまう第8話の「水着貝」。
とにかく水着、水着、水着のオンパレードで、肌色成分をどれだけ見せるかに徹底した清々しいほどの水着ラッシュが冴え渡ります。
さらに原作ゲームで活躍するキャラたちが水着姿で登場。一体何人登場したのか分からなくなるほどの密度の水着オンパレードは、画面8割が肌色成分目白押しの完全サービス回でした!ありがとうございます! 本当にありがとうございます!
皆さんが原作ゲームでお気に入りだったキャラクターは出てきたでしょうか?




◆◆
今回の振り返りでもギリギリまで攻めた演出に満ちていることがわかるTVアニメ『ラスピリ』。原作のプロデューサーを務める松田晃佑氏が放送前のインタビューで、「アニメでしか表現できない演出を使って、毎話楽しみしてくれるようなシナリオを追求しようと思っていました」と語っていたまさにその通りの作品となりました。
一見すると破天荒に見えますが、実は原作ゲームの“なんでもアリ”なノリや魅力をこれでもかと詰め込んでいると言えるでしょう。

なお、7月21日(土)には出演キャストを招いた『生「ずびし!」コメンタリー上映会』というツッコミどころ満載の本作にはピッタリのイベントの開催も予定されている。花江夏樹さん(ハル役)、村瀬歩さん(ガジェル役)の2人が登場し、ファン必見のイベントとなりそうだ。

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  • 元ネタ知らないと笑えないのはアニョタ向けってことか。
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