父親の遺伝子が母親の育児状態に影響する

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2018年08月04日 07:01  妊活・卵活ニュース

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父親の遺伝子が母親に与える影響
カーディフ大学の研究チームは、「PLOS Biology」にて、父親の遺伝子Phlda2が、妊娠期から出産後の新生児期に至るまで母親の育児状態に影響を与えると発表した。これまで、父親の遺伝子は、子供の成長・発達における設計図になるとは考えられてきた。

ホルモンシグナルと遺伝子Phlda2の関係
研究チームは、妊娠期の胎盤から発せられるホルモンシグナルを調査した。妊娠期の胎盤は、胎児へ栄養を与えて成長・発達させ、母親の血流内にてホルモンシグナルを発することにより健康的で安定した妊娠状態を維持させる。

合わせて、胎盤から発せされるシグナルは、妊娠期の女性に対して、妊娠期に適した言動、母親になる心構えをするように促す。

ホルモンシグナルは、胎盤の海綿状栄養膜細胞から発せられる。海綿状栄養膜細胞は遺伝子Phlda2を保有し、シグナル拡散は遺伝子によって抑制される。

胎児は、父・母より遺伝子Phlda2を引き継ぐが、大半の場合、ゲノムインプリンティング(ゲノム刷り込み)により母親から引き継いだ遺伝子のみが発現する。父親から引き継いだ遺伝子Phlda2は発現しない。

遺伝子Phlda2の発現と母親の育児状態に対する影響
また、研究チームは、遺伝子組み換えしたマウスを用いて、遺伝子Phlda2の発現と母親の育児状態に対する影響における関係性を検証した。

遺伝子Phlda2活性化が高い子マウスを妊娠している母マウスは、産後、新生児の育児や産後の母体ケア以上に、巣作りを優先的に行った。一方、遺伝子Phlda2の活性化が低い子マウスを妊娠している母マウスは、子育て、産後の母体ケアに専念した。

研究結果より、胎児に引き継がれた父親由来の遺伝子Phlda2が発現しない場合、母親は母親としての育児行動を取ることが判明した。

(画像はPixabayより)

PLOS

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