赤ちゃんの肌の悩みとして多く見られるのが「乳児湿疹」です。
新生児期の可愛い盛りの赤ちゃんのお肌なのに、湿疹でボロボロになっているのを見ると心が痛むというお母さんも多いでしょう。
今回は、赤ちゃんの湿疹を防ぐ方法について、医学博士・川上智史先生の監修のもとご紹介します。
乳児湿疹とは「赤ちゃんの頃に見られる湿疹」のことをいいます。
赤ちゃんは生後1カ月まではママからのホルモンの影響で皮脂の量が増えます。そのためこの時期によく見られる症状です。多くの場合、生後6か月頃になると徐々に落ち着いてきます。
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症状はさまざまですが、肌が赤くなる、小さな水ぶくれができる、うろこ状にかさぶたができるなど。また、乾燥しているタイプやじゅくじゅくと湿っているタイプなど個人で異なることも多くあります。
皮脂腺の多い頭や頬、額にできるお子さんが多いようです。
▼カワイイ赤ちゃんのために。「乳児湿疹」ケア方法
乳児湿疹に対するケアの方法は、全ての身体の部位で共通しています。これからご紹介する方法を日常生活の中で取り入れてみてはいかがでしょうか。
乳児湿疹のケアとして最も大切なのが“洗う”ということです。まず、洗う際には石鹸をたっぷりと泡立ててホイップクリームのようなふわふわの泡を作りましょう。自分で石鹸を泡立てても良いですし、市販のふわふわの泡が出るポンプを利用するのが便利です。
ふわふわの泡ができたら、ガーゼハンカチもしくはお母さんの手で泡をなでるように優しく洗います。
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特に四肢のくびれや首のしわの間は汗や汚れが溜りやすいのでしっかりと洗いましょう。
顔は赤ちゃんが嫌がってしまい、洗いにくいところですが、おでこや頬それから後頭部などは乳児湿疹ができやすい部分なのでしっかりと洗いましょう。頭を洗うときは専用のシャンプーを使用しても良いですが、身体と同様の石鹸を使ってもOKです。
洗い終わったらしっかりと流し、タオルで押さえ拭きをします。
この際にゴシゴシとこすってしまうと皮膚にとって刺激となり、乳児湿疹が悪化する可能性があるため、気をつけましょう。
また、赤ちゃんによっては石鹸に含まれる添加物が刺激となって乳児湿疹が悪化するケースもあります。気をつけて洗っているのに悪化しているという場合は、使用している石鹸の成分表をメモして皮膚科を受診すると良いでしょう。
”洗う”が終わったら次に大切なのが”保湿”です。
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乳児湿疹で皮膚科を受診すると、悪化している場合はステロイド剤などの外用薬が処方されますが、保湿剤を処方する皮膚科が多いようです。
保湿剤は、病院で処方されているものを使用することを勧めますが、病院に行く前にケアをしたいという方は市販されているワセリンの使用が良いのではないでしょうか。
保湿は入浴後5分以内に行うことがオススメです。この時も皮膚をこすらないように皮膚に点在させるように保湿剤を置き、なでるように広げていきましょう。
クリームタイプであれば大人の人差し指の先から第1関節まで、ローションタイプなら1円玉大の大きさで大人の手のひら2枚分の範囲に塗布できるのでぜひ参考にしてみてください。
また、保湿剤は入浴後だけでなく1日に複数回使うようにしましょう。
首やあごにできる乳児湿疹に影響していると考えられるのが首に巻く“スタイ”です。
唾液がずっと肌に触れてしまうとかぶれの原因になることがありますので、スタイはなるべくこまめに取り換えるのがベストです。
また、スタイの裏地が赤ちゃんの肌を刺激する場合もありますので、素材には気をつけましょう。
日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎の定義・診断基準によると、赤ちゃんで「湿疹が2カ月以上続くものをアトピー性皮膚炎と診断する」としています。
ケアを丁寧に行ってアトピー性皮膚炎を予防し、赤ちゃんの綺麗な肌をお母さんが作っていきましょう。
アトピー性皮膚炎は黄色ブドウ球菌を中心とした炎症反応です。ダニなどのアレルギーが原因で引き起こされることも多くあります。
つまりアトピー性皮膚炎の憎悪因子を排除してあげることで、アトピー性皮膚炎の悪化を抑えることができると考えられます。
そのためにもまずは乳児湿疹を予防することでお肌を清潔に保つことができ、アトピー性皮膚炎の予防にもつながると考えられます。
(2017年6月16日の記事を再編集して掲載しています)
※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
【参考・画像】
※mits, Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)
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