卵巣の細胞間コミュニケーションシステムが生殖能力に影響する

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2018年08月10日 05:02  妊活・卵活ニュース

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卵巣における遺伝子2種類の発見
ウィスコンシン大学マディソン校をはじめ、メルボルン大学、モナシュ大学、トロント大学の共同研究チームは、「PLOS」にて、マウスの卵巣において、細胞間コミュニケーションシステムを構築する遺伝子2種類を発見したと発表した。

細胞間コミュニケーションシステムは、生殖能力に影響を与える。卵子と果粒膜細胞(卵子の周囲を取り巻く細胞)を細胞結合(細胞接着)させ、卵巣にて健康な卵子を維持する役割をもつ。果粒膜細胞は、細胞間コミュニケーションにより、卵子の成長に合わせて結合形態を変化させ、正常な成長と排卵準備を促す。

遺伝子IRX3と遺伝子IRX5の役割
先行研究にて、遺伝子IRX3と遺伝子IRX5が欠如した雌マウスは、卵胞が正常に機能しないことが認められた。今回、共同研究チームは、マウスを用いた動物モデル実験を行い、遺伝子2種類(遺伝子IRX3、遺伝子IRX5)と卵胞の成長・機能における関係性を検証した。

遺伝子IRX3と遺伝子IRX5がある雌マウスは、健康な子マウスを出産した。

遺伝子IRX3と遺伝子IRX5は、卵胞の成熟に伴い発現した。卵胞は遺伝子IRX3のみ、果粒膜細胞は遺伝子IRX5のみを有する。遺伝子2種類は、卵胞の成熟・卵子の形成過程において、卵胞と果粒膜細胞間にコミュニケーションシステムを確立させ、同期させる。

女性不妊の解明に近づく
先行研究と今回の研究を通して、遺伝子IRX3と遺伝子IRX5に卵胞間の情報伝達を促す役割があると立証された。研究チームは、ヒトの卵巣にも類似した遺伝子があると推測する。

また、ウィスコンシン大学マディソン校のヨハネ・ヨルゲンセン(Joan Jorgensen)教授は、遺伝子2種類の発見より、早発卵巣不全(40歳未満での月経異常、早期閉経)など女性不妊の解明に一歩近づくと考えている。

(画像はPixabayより)

UNIVERSITY of WISCONSIN-MADISON

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