【産婦人科医が語る】不妊治療の種類4つと治療の流れと期間 #03

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2018年08月20日 21:22  &Mama

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子どもが欲しい、でも、不妊かもしれない。そう感じたら早めに病院に行って不妊治療を開始しましょう。


でも、不妊治療ってどんなことをするの? と不安な人も多いと思います。あらかじめ不妊治療について知っておけば、スムーズに受診しやすくなります。


不妊治療に長く取り組み多数の著書もある産婦人科医の原利夫先生に、不妊治療の種類と流れについて優しく解説していただきました。




▼不妊治療の種類

不妊治療には、大きく分けて以下の4種類があります。



(1)不妊原因の治療
(2)タイミング法
(3)人工授精
(4)高度不妊治療(ART)




はらメディカルクリニック 原利夫 院長 出典: It Mama(イットママ)
 

以下、詳しく見ていきましょう。


(1) 不妊原因の治療

検査で不妊の原因が見つかった場合は、原因を手術で取り除いたり、薬や生活指導で治療を行なったりします。


不妊の3大原因として、排卵障害、卵管障害、男性因子がありますが、それとは別に高齢になるにつれて卵子の機能低下が問題となります。


・クラミジア感染などで、卵管癒着、卵管閉塞などの場合には、薬物治療や手術も検討します。子宮内膜症、卵巣のう腫や子宮筋腫などの場合も手術が必要な場合があります。


・卵巣機能の低下など排卵障害では、主に投薬と生活指導での治療となります。


・男性に原因がある場合も、手術や投薬などの治療があります。


(2)タイミング法

排卵期に合わせて、妊娠しやすい性交渉の時期を指導する方法です。


家庭でもできる基礎体温だけでなく、病院ならではの超音波検査や血液検査によって卵胞の大きさやホルモン値を調べることで、より正確な排卵日を知ることができます。


https://pixta.jp/ 出典: It Mama(イットママ)
(3)人工授精

男性の精液を搾取して洗浄濃縮し、女性の子宮に精子を注入する方法です。自然妊娠と同様に受精、着床と言う流れを経て妊娠に至ります。


ホルモンバランスの状態によっては、排卵誘発剤を使うことがあります。


(4)高度不妊治療(ART)

排卵誘発剤で卵子を採取し、採取した精子と体外で受精させ、受精卵を培養してから子宮に戻す「体外受精」や体外受精では受精が起こらない場合に顕微鏡を使って精子を卵子に注入する「顕微受精」を行います。


いずれも高度な治療技術を必要とし、妊娠率は高まりますが、女性の体の負担が大きい方法です。



▼不妊治療の流れ

正常な夫婦生活があって、1年以上妊娠がない場合は不妊の可能性があります。病院に行って不妊治療の検査を受けましょう。
不妊治療は、一般的には以下の図のような流れで行います。


出典: It Mama(イットママ)

(1)初診

初診では問診や内診、超音波検査、血液ホルモン・尿検査などを行います。ただし、月経中の受診は控えましょう。月経直後の受診が最適です(約15分)。


(2)検査

初診の結果を踏まえ、不妊原因を特定するために、ホルモン検査、超音波検査、子宮卵管造影検査など詳細な検査を行ないます(2〜3ヶ月)。


(3)治療

不妊原因の治療、一般不妊治療(タイミング法、人工受精など)、高度不妊治療(体外受精、顕微受精など)を行います(4ヶ月〜2年間)。


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(4)妊娠

基礎体温の高温状態が、16日以上続けば妊娠の可能性があります。体外受精の場合、肺移植の約2週間後に血液検査によって妊娠の判定を行います。



▼信頼の出来る病院で治療を受けよう

不妊治療を受ける時には、信頼のできる病院を選びましょう。規模や知名度よりも、不妊治療についての方針や実績を重視した方が良いのではないでしょうか。


その病院のホームページを見れば、実績や方針が分かります。不妊治療についてベテランの医師、スタッフがいる病院が望ましいです。


また、実際に受診してみて、検査や治療の説明を十分にしてくれるか、質問に丁寧に答えてくれるかなどをチェックして、今後も通院するか判断しましょう。


通いやすさも重要なポイントです。治療時は、月に4回から6回、多い時で週に複数回も通院が続きます。自宅の近くや通勤途中にある病院が便利です。



次回は、不妊治療をしてくれる病院の種類について説明します。



※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。


【画像】
※ Photographee.eu / Shutterstock
※ Graphs, bezikus / PIXTA(ピクスタ)


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  • 自治体によって補助があるんでしたっけ。年齢制限や回数制限があるようですが、賢く使ったほうがいいですね。
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