「幼稚園の子と差が生まれる!!」保育園の“午睡”取りやめを訴えるのはモンペママなのか?

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2018年08月21日 21:03  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

Photo by Photography from AC

保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。

 小学校と保育園の大きな違いといえば、“午睡”と呼ばれる昼寝の時間。幼稚園では、降園時間が早いために昼寝時間が設けていない園も多いが、0歳児からの預かりが可能な保育園では、できる限り自宅での育児と同環境にするため、あらかじめ昼寝の時間が設定されている。乳児には十分な休息が必要とされている一方、3歳を過ぎて体力がついてくると、「昼寝をしたために、夜に子どもが寝なくなる」というクレームも多いという。また、保護者の中には、毎週発生するシーツの洗濯が面倒なため、「早く午睡の時間をやめてほしい」という声を上げる者もいるのだ。

 認可保育園に4歳になる娘を通わせている洋子さん(仮名)は、こう語る。

「もうすぐ5歳の娘が通う園では、まだ午睡の時間が2時間もあるというのです。うちの子はぐっすり寝てしまうみたいで、家に帰って来てからが元気すぎて困っています。毎晩午後11時近くまで起きているので、こっちが寝不足になっていますよ。娘が言うには、午睡の時に担任から『先生たちは忙しいので、早く寝なさい』と言われているとか。そんなの保育放棄としか思えないです」

 一方、小規模の認証保育園で5歳児のクラスを担当している保育士の薫さん(仮名)の意見はどうだろう。

「子どもたちは5歳になると、活発になり寝なくなってくるのですが、3〜5歳児まで同じ部屋で育児をしているため、うちの園では午睡の時間はなくさずそのままにしています。眠れない子は、静かにしていれば寝なくてもいいルールなので、本を読んで過ごしてもらっていますね。保護者の方からは、『なくしてほしい』という声がたびたび上がるのですが、保育士は午睡の時間で連絡帳を記入したり、雑務を行うので、なくすというわけにはいかないんです」

 保育園の午睡をめぐって保護者が不満を抱くのは、小学校に上がった際の生活に支障をきたす可能性があるという理由もあるようだ。午睡の時間を取らない幼稚園児は、午睡の時間がある保育園児に比べて、小学校に入学した際の生活リズムへの順応が早いと言われている。

 保育園によっては、小学校入学前の年長クラスになると徐々に午睡の時間を減らしていき、眠りたい子だけ昼寝の時間を取るような措置を取っているところもあるようだが、保育園児たちにとって、一体何歳まで午睡が必要なのか情報が明確化されていない。それが保育園ママの「幼稚園の子と、小学校入学時に差が生まれてしまう」という不満につながっているのかもしれない。

 保育園は、「日中働いている両親に代わり育児を行う」という定義があるため、親の仕事が平日休みの時、子どもを在宅育児する必要がある。厳しい保育園の場合だと、親のシフトによって登園日が制限されるだけに、これもまた「小学校の生活リズムに順応できにくくなるのでは?」「基本的に週5日登園の幼稚児と差が生まれる」といった不満を生む。

 公立の認可保育園に3歳になる息子を通わせている佐々木さん(仮名)は、パートタイムで週4日勤務している。「私は基本水曜日休みのため、保育園には、土日を除いた週4日しか登園させられないんです。夫はシフト制なので土曜もいないことがあるのに、水曜も土曜も子どもは保育園の預かりはNGで、『親がお休みの時には、自宅育児でお願いします』と言われます。銀行に勤めているママさんは、年に1回必ず、1週間ほどの休みを取らなければならず、それを知った園から、その間の登園を断られたと言っていました。親だって、好きで休んでいるわけではないのに……」と、困惑した表情を見せた。親の就労にかかわらず登園させることができる幼稚園とは違い、保育園によっては預かり保育の日数や時間などを制限される。

 なお、認可保育園に1歳児と3歳児を預けながら、接客業をしている宮内さん(仮名)は、子どもへの影響以外に、こんな理由から、親の仕事で登園日が決められる保育園の制度に、不満を抱いているようだ。

「うちの園は厳しくて、月の初めにシフト表の提出をお願いされるんです。職場から出されているシフト表に、あらかじめ休みが書いてあるため、その日は子どもを登園させることができません。お迎え時間もシフト表にある時間から10分でも遅れると電話連絡をしなければならず、毎日のように電話しています。正直、子どもが2人もいると自分の時間がないので、平日休みの時には銀行に行ったり、美容院に行ったりというような自分の用事を済ませたいんです。以前、仕事が休みだった時に、子どもを黙って預けたことがあり、いつもより早く迎えに行ったら、保育士さんに『今日は、お仕事はどうだったんですか?』とやんわりと嫌味を言われて……。私のママ友が通っている園では、親が休みでも子どもを預かってくれるのに……」

 このように、園の方針によっては、あらかじめ親の休みがわかっている場合は、自宅育児をお願いされる。佐々木さんは役所に対し、「週4回登園なのに、月額料金はおかしいって言いに行ったんです。時間制の保育園なら、週4回だと減額されるのにって。小学校は毎日登校するので、その準備のためにも、週5日登園に変えてくれと窓口で言ったのですが、『ルールですので』の一点張りでした。今から預かり保育がある幼稚園に転園するのは、子どもがかわいそうでできないので悩んでいます」。

 午睡時間や登園日数などをめぐり、「うちの子はちゃんと小学校生活をスタートできるのか?」と戸惑う保育園ママは多い。子どもの中には、保育園での午睡に体が馴染んでしまったため、入学後もしばらくは昼休みに、机にうつ伏せで10分程度の睡眠を取る子どももいるそうだ。また週3〜4という変則的な登園をしていた子どもは、小学校の週5登校が体力的につらく、最初のうちは苦戦するという。子どもがスムーズな小学校生活を送れるように、園での育児に意見を言うのも親は必要なのかもしれないが……。
(池守りぜね)

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  • 園でのお昼寝に対して『そんなの保育放棄としか思えないです』←これウケ狙い?ツッコミ待ち?
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