「エヴァ」から「ぱにぽに」まで…芸人屈指のアニメ好き 天津向×桜稲垣早希が語る“アニメ×お笑い”のルーツとは?

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2018年09月01日 19:53  アニメ!アニメ!

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「エヴァ」から「ぱにぽに」まで…芸人屈指のアニメ好き 天津向×桜稲垣早希が語る“アニメ×お笑い”のルーツとは?
よしもとクリエイティブ・エージェンシーが主催するライブエンターテイメント「アニ×ワラ vol.8」が2018年10月7日に東京国際フォーラム ホールCにて行われる。アニソンとお笑いという、一見すると接点のなさそうなジャンルの融合を目指すというイベントの正体は、いかなるモノなのか。

そこで今回は、プロデューサー兼出演者である漫才コンビ・天津の向清太朗さんと、レギュラー出演者であるエヴァ芸人・桜稲垣早希さんへのインタビューを実施。おふたりのアニメ愛やそのルーツ、さらに「アニ×ワラ」にかける意気込みまでをたっぷりと聞いてみた。
[取材・構成=馬波レイ]

【向清太朗】1980年広島県出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。木村卓寛さんとの漫才コンビ・天津として活躍。マンガ・アニメ好きとして知られ、アニメ関連のMCやラジオパーソナリティとしても活躍。特に好きなのは(いわゆるきらら系)4コママンガで、自宅には“4コマ雑誌部屋”があるほどだそう。

【桜稲垣早希】1983年兵庫県出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。学生時代より女優を目指して活動し、吉本総合芸能学院(NSC)のタレントコースに入学するも、なぜかお笑い芸人の道へ。アスカのコスプレ姿で“ブログ旅”を繰り広げたバラエティー番組『ロケみつ』でブレイクを果たす。現在は拠点を東京に移して活動中。

ふたりがアニメが好きになったきっかけは?
――おふたりは大のアニメ好きということですが、現在ハマっているアニメ作品やコンテンツはなんでしょう?

天津 向清太朗さん(以下、向)
『あそびあそばせ』ですね。もともと原作が大好きなんですけど、女の子が可愛く描けているうえに、ギャグが骨太で、かつ顔で落とす。そういった系譜の最終型だと思っています。なにしろむちゃくちゃふざけてますから(笑)。
オープニングで「キャッキャウフフ」な日常系と思わせておいて、ド直球のギャグという設定の妙もすばらしい。
それって僕ら芸人でいうコントのやり方ですし、会話のテンポや緩急は漫才に近い。顔で落とすのは落語だと思っています。お笑いの要素が詰まっているので、面白いし勉強になるので見ています。


――おお、笑いのプロならではの分析! 稲垣さんはいかがでしょう?

桜 稲垣早希さん(以下、稲垣)
私はまったくお笑いのこととかを考えずヨダレを垂らしながら脳天気に見ているんですけど(笑)、いま大好きなのは『はたらく細胞』です。あんな絶妙なラブコメが、私の体内で起こっていると思うとドキドキしちゃう。
クールな白血球さんが赤血球ちゃんを「仕事ですから」って守るのもステキやし、血小板ちゃんたちのかわいさもあるしで、あの中に入って生活したいと思っちゃいます。

――先々で気になっている作品はなんでしょう? アスカのものまねをされている稲垣さん的には『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の最新作が気になるのではないでしょうか?

稲垣
(前のめりで)ねぇ! 弐号機半分、八号機半分のアレ(※予告編に登場しているエヴァンゲリオンの機体)はなんなんやろ!? とビックリです。最初は『未来のミライ』の上映館でのみの予告上映だって聞きつけて、急いで劇場に見に行ったら直後にネット配信されて「はやっ!」って(笑)。
セカンドインパクトの2015年に何かあるかと思いきや、ようやく2020年公開が決定して。私の予想では、半分Qの続きをやって、あと半分は綾波がパンをくわえて走ってくるアレみたいのを作ると思っているんですよ!



熱くなり過ぎて横の僕に腕当たりそうなってるわい(笑)。

稲垣
何かの記事で庵野監督は、『エヴァ』を『ガンダム』シリーズみたく自分の手を離れても永遠にいろんなふうに展開していくようにしていきたいと語っていたんです。
そうなったらいいなと思う反面、『ガンダム』よりも複雑やと思うので、操れる人が出てくるのかが気になります。

――やはり『エヴァンゲリオン』にはひとかどならぬ思い入れが?

稲垣
そうですね、『エヴァ』がなかったらエヴァ芸人をやっていなかったと思うし。
中学生のときに再放送を見てシンジとアスカの人間性にガッツリ影響を受けたので。お笑いをやるつもりがなくてよしもとに入ってからは、もともとやっていたエヴァものまねが武器になったので、いまここにいられるのは、本当に『エヴァ』のおかげですね。

――稲垣さんはアスカ役の宮村優子さんとはプライベートでも交流がありますね。

稲垣
本当に良くしていただいて。現在はシングルマザーとして凛々しく独り立ちされていつつ、ものすごく優しい人間らしい面もあって、「この人以外にアスカ役はないなあ」って……ニセモノの私が一番思っています(笑)。


――向さんがこの先気になっているタイトルは?


これはもう、『ひとりぼっちの◯◯生活』ですね。カツヲさんによる4コママンガなんですけど、1話を読んだときからずっと「アニメ化したほうがいい!」と周囲にふれまくっていたんです。
キャラクターの名前もちょっとひねってあって『ハイスクール奇面組』みたいですしね。そこをアニメで可愛さが出せたら最高だなと、声を大にして言いたいです。
この後のアニメ作品だと、『RELEASE THE SPYCE』や『えんどろ〜!』も気になっています。好きなものが並行して追える楽しみさがありますね。

――ご自身の人生を変えた一作ってありますか?


それはもう『きんぎょ注意報!』ですね。わぴこちゃんに惚れてブラウン管のテレビにキスをして母親に「ああ、この子は終わったな」と思われたくらいです。
あとは『少女革命ウテナ』です。“世界を革命するため”にお笑いの世界に入ったところもありますから。メールアドレスもいまだにそのフレーズを使っているくらい。
臆病な自分から芸人になって殻を破りたいと思う時期があったので、いま芸人ができているのもアニメと出会えたからですね。

――アニメファンであることを芸にされようと思った瞬間というのは?


大阪にいた当時にキャラを強めに出す漫才番組があって、そのオーディションに受かるためにオタクキャラを生み出したんです。
当時は「○○氏〜」みたいなアナログなオタク像を演じていたんですが、アニメファンに刺さるんだなと思ったのは『ぱにぽにだっしゅ!』3期オープニング「少女Q」のベッキーのモノマネをしたときでしたね。劇場ではスべるんですけど、ネットでは「向、ベッキーのマネしてなかった?」とオタクは気づいてくれるんです。
その気づきがあったので、こっち方面を芸にしてもいいんだと舵を切れたと。アニメもお笑いも、そのジャンルに熱くなれるというという意味では共通点があるんじゃないかと思っています。


――稲垣さんはやはり『新世紀エヴァンゲリオン』ですか。

稲垣
はい。『エヴァ』は夜中の再放送で見たんですけど、オープニング映像のスピード感や、第九話での音楽に乗せて見せる戦闘に「なんだこれー!」と興奮して一気にハマりました。
それ以前は、兄の影響で「少年ジャンプ」をずっと読んでいて、特に『るろうに剣心』が大好きで、天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)をやりたいがために剣道部に入って、顔面を腫らして病因送りになったりしていました(笑)。
『ご近所物語』が好きやったらミシンを買って自分で作った服を着たりとか、そんなふうにいい意味でアニメに振り回されながら生きてきました。

――ちなみに、現在のアニメ視聴スタイルはどんな感じでしょう?


リアルタイム視聴は無理なので、スマホで動画配信サービスを使って見るのが主体ですね。家では1週間のTV番組を録画できるレコーダーが動いているのですが、やはり配信がラクですね。
こうなる以前は追っかけきれずに(視聴を)止めることもあったのですが、いまは場所を選ばず見られますから。

稲垣
私も配信サービスでの視聴がほとんどですけど、全話ためて見る派なんです。1週間ぶんを並行して見ると、それやとごっちゃになるし世界観に集中できないし……。なので、最終話までネタバレを回避する能力が高まりました(笑)。

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「アニ×ワラ」だからこそ実現可能な顔合わせが!

――改めてお伺いしますが、「アニ×ワラ」はどんなイベントなんでしょう?


自分がアニソンイベントに行って感じたことなんですけど、歌では盛り上がるし、MCでお客さんが笑っている瞬間が多い。だったら「お笑い芸人が(アニメイベントを)やったら盛り上がるのにな」と思ったのがきっかけです。

純粋なお笑い好きが見に来て満足するかはわからないですけど、アニメ好きでお笑いも好きという人が満足する内容にしようと毎回思っています。
これまでも榊原ゆいさんは僕と漫才をやったりとか、出てくる芸人は、隣にいるアスカみたくアニメのキャラクターだったり。ある種のアミューズメントパークみたいな空間になればいいなと思ってプロデュースしています。

――構成としては、歌とお笑いのコーナーが交互に?


そうですね。アーティストさんが歌い終えた後、そのままコントに参加してもらうこともあります。僕と稲垣さんで「ムカサキ」って音楽ユニットをやっているので、ステージで突然歌い出したりするかもしれません。


――アニメとお笑いの相性ってどうでしょう?


僕も正直始める前は、アニメとお笑いって混ぜて大丈夫なのかなと思っていたんですけど、やりだしてからはアニメ側の出演者さん、特に声優さんは予想以上にお笑いが好きな方が多くて。
みなさんテンション高く「漫才やります、コントやります!」とおっしゃってくださいますし、呼んでいる芸人も全員がアニメ好きなので、お互いが好き同士。すごく愛のあるイベントになっていて、いまでは胸を張ってやらせていただいています。

舞台上にいるのはアニメのモノマネ芸人ですから、例えば「アスカだったらツンデレだよな」といったように、すでにキャラクターがわかった上で楽しめるんです。
それに、すでにお約束になっているんですけど、僕が出てくるとお客さんみんながブーイングをして、「指折るぞ!」って野次が飛ぶ(笑)。動画へのコメントじゃないですけど、舞台における野次を急に拾ったりして、会場内の全員が参加できるノリになっている。そのぶん、笑いが起きやすいのかもしれませんね。

アニメ好きでお笑いがキライって人はいないと思うんですよね。そう考えると、いいところに目をつけたなと自画自賛したい(笑)。

――一般的なお笑いライブともまた違った雰囲気に?


お笑いライブに来るお客さんって、そんなに前のめりじゃないんです。特に僕らは大阪のNGKホールで、おじいちゃんおばあちゃんを振り向かせる笑いをやって……。

稲垣
(遮って)「アニ×ワラ」のお客さんは、お箸を転がしても笑うような人ばっかりですよね! めっちゃ楽しもうとする気マンマンなんですよ。なんか知らんけど。



「なんか知らんけど」って(笑)。ともかく、全員が楽しもうとしてくれているんです。だから芸人も余計に楽しませたいと思って、相乗効果でサービス過剰になっていくんです。
一度、1分半しかネタをやらない芸人がいたんですけど、あまりにウケすぎて12分もやったことがあったり。お客さんと芸人との相乗効果で、最高の舞台になっていると思いますね。

稲垣
出演してくれる声優さん、アーティストさんもめちゃくちゃ個性的で、アニメから飛び出したようなキャラクターが多くて、それをまた向さんがうまくイジりはるんですよ。
そしたら声優さんも嬉しいし、いつもよりも大きな笑いが生まれているから、みんなにとって嬉しいイベントになっていると思います。


そない褒めへんでも。なんか買ってほしいもんあるんか?(笑)。

――(笑)。たしかに芸人さんも声優さんもしゃべりが重要な仕事ですから、そこに親和性があったり、化学反応が起きるポイントになっていたりするわけですね。


そう思います。来てくださった声優、アーティストの皆さん、みんな絡みやすかったですね。本番中なのに「うわっ、すごく上手い間だな」と、ゾクッとするような瞬間があるくらいで、さすがだなと思います。

――出演芸人は、向さんとは旧知の間柄な方々を中心としたアニメ芸人たちですね。


以前“劇団アニメ座”というお笑い劇団をやっていた頃からの勝手知ったるメンバーで、全員が面白いです。
昨日も「こりゃめでてーな」の伊藤こう大くん(※カイジ芸人)と飲んでいましたけど、ずっと『ハイスコアガール』の話をしていました。

――アーティストや声優のキャスティングの決め手は?


自分のできる範囲で、関係性を持っている人でお声がけさせてもらっています。僕自身が「この2人って関係性あったっけ?」というのは見たくないので、すでに関係性がある方からオファーをしています。


――今後の展望はどうでしょう?


もともと第2回のときに「日本武道館でやりたい」と言っていて、すでにそのための理想のセトリ(※セットリスト)は、僕の中でもう組んであるんです。その夢がなったら最高ですね。

稲垣
私はいつか、宮村優子さんと一緒に漫才をさせてもらうのが夢です。(綾波)レイやったらクローンって設定でいけるんやけど、2人いるのはどないしよう(笑)。


いいですね! 出演者もわかっているから、こういうふうにいろいろとアイデアを出してくれるので、それが嬉しい。
アムロ芸人の若井おさむも、「古谷徹さんと池田秀一さんを呼んで何かしたい」と言ってくれたり。伊藤こう大くんは、『カイジ』のエンディングを歌っている白竜さんを呼べないかとか。それだけこのイベントを楽しんでくれているのかなと。

――最後に、イベントへの意気込みをお願いします。


今回も素晴らしい芸人、素晴らしいアーティストが集まったと自負していますし、絶対に笑えて絶対に盛り上がれる最高のイベントになると思います。
1年を振り返ったときに「この日はアニ×ワラがあったな!」と思ってくれたら最高にうれしいので、そんな日を作るため頑張っていますので、よかったら足を運んでください。

稲垣
声優さんとアニソン歌手さんと芸人による人類補完計画なので、ファーストインパクトの人もいれば、セカンド、サードインパクトの人もいるかと思います。
最後はみんな「おめでとう」で終わる素晴らしいイベントに……もしかしたら旧劇場版みたく「気持ち悪い」で終わる可能性もあるかもしれませんけど(笑)。
ホントに唯一無二のイベントなので、不思議体験をしたかったらアニ×ワラに来てください!


公演概要
公演名:天津 向プロデュース 「アニ×ワラ Vol.8」  
日時:2018年10月7日(日)開場16:15 開演17:00
場所:東京国際フォーラムホールC(東京都千代田区丸の内3丁目5番1号)
料金:前売6,800円/当日7,300円
チケット発売日:一般発売:8/5(日)10:00〜

出演者
【アーティスト】いとうかなこ/ 温泉むすめ ゆのはな選抜(日岡なつみ・岩橋由佳・西田望見)/榊原ゆい/徳井青空/ブレンドA(和氣あず未/鬼頭明里/春野杏)/山崎はるか、ほか
【芸人】天津向、若井おさむ、こりゃめでてーな伊藤、石川ことみ、桜 稲垣早希、ガーリィレコード、ほか

BOOK☆WALKER主催の「新作ラノベ総選挙2018」にて、天津向『クズと天使の二周目生活』シリーズ(小学館ガガガ文庫)が第7位になりました。
『クズと天使の二周目生活(セカンドライフ)3』(小学館ガガガ文庫)
著:天津 向 イラスト:うかみ
本体価格593円

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