日焼け止め成分が食物連鎖を経て生殖能力に悪影響を及ぼす

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2018年10月08日 22:01  妊活・卵活ニュース

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日焼け止め成分による食物連鎖への影響
香港浸会大学の研究チームは、「Environmental Science & Technology」にて、香港沿岸の広範囲において、日焼け止めに含まれる化学物質による海水汚染が認められ、人体の健康に悪影響を与えると発表した。

海水から日焼け止め成分が食物連鎖に入り、ゼブラフィッシュの胚に異常をもたらし、死亡率が増加していると報告された。ゼブラフィッシュの遺伝子構造は70%以上がヒトと類似し、それゆえ、研究チームは、日焼け止め成分による人体への悪影響を示唆している。

海水・魚介類より日焼け止め成分の検知
研究チームが香港沿岸30地点より海水を調査したところ、UVフィルター(皮膚への紫外線透過を防ぐ成分)など7種類の日焼け止め有効成分が検知された。また、調査対象地域にある養殖場7ヶ所の魚・エビ・ムール貝には、3.1〜51.3ngの濃度のUVフィルターが確認された。

UVフィルターと胎児への影響
研究チームは、研究室にて、UVフィルター3種類(ベンゾフェノン-3(Bp-3)、オクティノクセイト(EHMC)、オクトクリレン(OC))により汚染された水環境にて、餌として汚染されたアルテミアを与え、ゼブラフィッシュを47日間飼育した。

47日間の飼育を経て、成魚は汚染された水・餌による影響は受けなかった。一方、UVフィルターを体内へ取り込むことにより、複数の胚に奇形、異常が認められた。受精後24時間における胚の死亡率は10%から約60%まで急増し、72時間での孵化率は約80%から30%未満に急落した。

同大学のケルビン・レオン・シーイン(Kelvin Leung Sze-yin)准教授は、水・餌を汚染する化学物質の種類が増えることで蓄積量が増え、複合作用を引き起こすと説明する。

ゼブラフィッシュの遺伝子構造はヒトと酷似し、長い食物連鎖を経て、ヒトも海産物の摂取などと通して体内へ取り込むと考えられる。レオン准教授は、UVフィルターが体内へ取り込まれ、蓄積されると、生殖機能・能力に悪影響を及ぼすと示唆する。

(画像はプレスリリースより)

EurekAlert!

NEWS MEDICAL

香港浸会大学のプレスリリース(PR Newswire CISION)

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