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阪神・金本監督を辞任に追い込み、チームも崩壊させた背景

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2018年10月12日 10:53  ITmedia ビジネスオンライン

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ITmedia ビジネスオンライン

写真金本監督に嵐のようなバッシング
金本監督に嵐のようなバッシング

 虎党は「ホンマかいな」と驚いただろう。来季続投が決まっていた阪神タイガースの金本知憲監督が今季限りでの辞任を表明したからだ。今季のチームは17年ぶりの最下位。その責任を取り、指揮官は身を引く決意を固めた。



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 昨今の低迷に頭を抱えたフロントの幹部が来季続投の方針を打ち出しておきながら本人に“肩叩き”を進めていたとの情報も飛び交っている。ただ、何にしても金本監督は指揮官としての役割に自らピリオドを打った。



 辞任したから潔し――。金本監督の電撃辞任について世間では同情的な見方をしている人も見受けられる。それは、そうかもしれない。しかしながら、失敗は失敗だ。そういう安直な美談で済ませてしまっては、今後も監督人事や選考において同じような失敗を繰り返すことにもつながりかねない。



 だから反面教師あるいは今後の反省材料にする意味でも、あえて「金本阪神の大罪」として、タイガースの3年間を舞台裏で取材した自分の視点から検証してみたいと思う。いろいろな意見があると思うが、これはあくまでも個人的な見解も含まれているので、その点はどうかご容赦いただきたい。



●金本監督に嵐のようなバッシング



 昨季終了後、金本監督は球団側と新たに3年契約を締結。昨季は2年契約の最終年で優勝こそ逃したものの2位となり、若手を育成しながら、そこそこの結果を残したとしてつい1年ほど前までは過大なまでに評価されていた。球団幹部も金本監督と心中覚悟で長期的視野に立った猛虎再建のビジョンを描き、すべてを託したはずだった。今思えば、これが「金本ファースト」につながる大きな見当違いの始まりでもあった。



 案の定、それも今季の大低迷によって暗転した。特に本拠地のはずの甲子園が今季は鬼門と化し、62試合を戦って球団のワースト負け数を更新する21勝39敗2分け。このホームの借金18が皮肉なことに、そっくりそのままシーズン通算成績に反映されてチームは「平成最後の最下位」に沈んだ。



 早々に優勝争いから脱落し、シーズン佳境でも何とか3位滑り込みを狙うのが精いっぱい。そんな体たらくの戦いぶりに対して虎党の怒りは当然のように我慢の限界に達した。借金地獄から抜け出せない無様な戦いが続くようになると球団や親会社の阪神電気鉄道本社にまで抗議電話が殺到し、業務に支障が出るほどのレベルにまでなっていたという。ネットユーザーも連日のように金本監督に嵐のようなバッシングを浴びせ、時に罵詈雑言(ばりぞうごん)まがいの内容も散見された。



 「金本は無能監督」



 「今すぐ辞めろ!」



 こうした類のコメントは見飽きるぐらい、目にした。それが今、実際に金本監督が辞めるとなると「かわいそう」などと手のひら返ししている人が一部にいることには思わず閉口してしまうが、やはり物事を冷静に正しく見て「辞任は妥当」とする声のほうが大勢を占めているようだ。



 たぶん「これで阪神は何とか救われた」と万歳三唱を繰り返している人も実際のところ多いのではないか。残念だが、まあ、それは事実だし、仕方がないだろう。



●強い結びつきがあり過ぎた“負の金本ライン”



 そんな状況下だから、シーズン中も金本監督は「裸の王様」だった。現役引退後は解説者としてネット裏から野球を見つめ直し、監督に就任したとはいえコーチ業に就いたことはなく未経験のまま指導者となっていた。



 そういう立ち位置にいたのだから本来ならば経験豊富で有能なコーチ陣を招へいすべきだったにもかかわらず、「仲良し内閣」と呼ばれるような自分と昵懇(じっこん)の人材で脇を固め、足りない要職はフロントの人脈に頼った。



 今季は一軍ヘッド兼務となっていた片岡篤史打撃コーチや香田勲男投手コーチは、強い結びつきがあり過ぎた“負の金本ライン”の最たる例と言っていいかもしれない。ベンチ内で監督に次ぐ重要なポジションにいなければいけないはずの片岡コーチの無策な打撃指導法と首を傾げたくなるような助言、そして香田投手コーチの不可解な投手起用にもメディアやタイガースOBから疑問の声が噴出し、ファンは間違いなく怒っていた。



 これまで金本監督に関しては「自分の息がかかっていない首脳陣と意思疎通がうまくいかないところもあるようだ」という指摘も周辺から多数耳にした。それを象徴するかのような話もある。



 その金本監督と同じタイミングで二軍監督に就任したミスタータイガースの掛布雅之氏は多くの若手を下で鍛え上げ、間違いなく功績を残していたものの球団側は「役割を十分に果たした」として2年契約最終年となった昨年秋、契約を更新しなかった。



 一説には「金本監督と確執があったから掛布さんは、その空気を察したフロントによって現場の要職から外され、SEA(オーナー付シニアエグゼクティブアドバイザー)という事実上の“閑職”に追いやられた」ともささやかれている。



 こういう、いびつな人事異動が成されていた背景もあり、フロントが推して就任したコーチたちは金本監督にモノを言いにくくなっていたフシもあったようだ。監督と仲のいいコーチだけが井戸端会議のように集まり、それ以外の首脳陣とは自然と距離感ができる。これでは連携など取れるはずもない。



●大物OBからの「ウケ」も悪かった



 大物OBからの「ウケ」も意外と悪かったようだ。金本監督はチームOBとはいえ、生え抜きではないから外様扱い。そういう経歴の人物が監督に就任したことにアレルギーを露骨に示す大物OBもいた。



 ある大物は3年前に一部からタイガースの新指揮官候補と言われながら、オーナー直々にラブコールを送られて就任が決まった金本監督に敵意をむき出しにし「何でアイツなんや」と怒りを爆発。「その大物OBはここ最近、タイガースが試合で負けると『オレだったら、こうやる』と金本采配を決まって滅多斬りにしていた」という話も幾度となく耳にしていたほど。ジェラシーもあったのだろう。いずれにせよ、困ったときには相談に乗ってもらうなど味方になるべき大物OBから総スカンに近い形になっていたのは、金本監督にとって不幸だったと言えるかもしれない。



 そして、その金本監督は就任当初よりフロントから「超変革」というテーマの下、若手育成を厳命されていた。確かに若い選手を積極的に起用してきたことは認めるが、1年間を通じて「主力」と言い切れるプレーヤーの出現はラストイヤーとなった就任3年目の今季も「若干名」に終わってしまった。成長を遂げたのは142試合に出場し、打率2割8分9厘の社会人2年目・糸原健斗内野手くらいだろう。



 今年の開幕前に「過去3年間の中で一番強い」と言い切っていた言葉は結果的に単なる大風呂敷を広げた格好となり、嘲笑の的となってしまったのは悲しい現実だ。「根性論ばかりを追及した結果、起用された若手たちは試合で結果を残さないと監督にカミナリを落とされるのではないかと内心で常に震え上がっていた。今の若い選手に、あのやり方は合わない。だからベンチを見ながら、試合をする若手が多かったようだ」と分析する球界OBや有識者も数多くいた。



 どうやら金本監督のイメージに漂う“昭和的な根性野球”が若手育成の足かせになっていた感もあるようだ。それは、ここであえて選手名を出すことは控えるが、パッと想像しただけでも「あれ? あの選手って急に出てこなくなったよな」と思い浮かぶ名前が複数あるはずだろう。



 同じようにベテランから若手に切り替わる過渡期を迎えていたライバル球団の巨人では今季、新4番として岡本和真内野手が大ブレイク。史上最年少で3割、30本、100打点をクリアし、日米野球の侍ジャパンメンバーにも初選出された。一方の阪神はどうか。侍ジャパンは若手主体メンバーにもかかわらず、選出ゼロ――。これが悲しいかな、3年間の長きに渡って若手育成をベースに「超変革」へまい進してきた金本阪神の結末なのである。



●反省点を生かさなければ、阪神の暗黒時代が続く



 金本監督の招へいに動いた坂井信也オーナーも辞任を表明した。連帯責任を取ったとのことだが、至極当然の決断であろう。指揮官就任には明らかに早計でいまだ適任ではなかった金本監督を招へいし、かつサポート体制も満足に組めなかったトップの責任も重罪である。



 補強もとにかくひどかった。球団側は大金を投じて主砲候補として助っ人のウィリン・ロサリオ内野手を今季獲得したものの大失敗。オーナーだけでなくフロントの体制にも大ナタを振るい、メスを入れなければダメだ。



 後任には最有力候補としてファームを今季日本一に導いた矢野燿大二軍監督の名が上がっている。誰がやるにせよ、とにかく今季までの「金本ファースト」のような姿勢は排除し、旧態依然としたフロントを一新して新監督と首脳陣がスクラムを組めるような体制作りをしなければいけない。



 金本体制の反省点を生かさなければ、阪神の暗黒時代が続くことになるだろう。



(臼北信行)


このニュースに関するつぶやき

  • 酒飲んだ帰りに野次ってきた阪神ファンにキレて掴みかかろうとしたのを阪神電鉄本社が問題視。球団は続投の方針だったが電鉄が強制的に解任が真相では。
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  • 真弓をバカにして和田と共謀して失脚させた罪は大きいぜよ、キム本。バチが当たったんだ。
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