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編集長が語る『ムー』40年の歴史  “世界の謎”を追うメディアが果たしてきた役割とは?

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2018年10月12日 17:00  ORICON NEWS

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写真入社以来、『ムー』ひとすじ、5代目編集長・三上丈晴氏。 (C)oricon ME inc.
入社以来、『ムー』ひとすじ、5代目編集長・三上丈晴氏。 (C)oricon ME inc.
 世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン・『ムー』(学研プラス)の40周年を記念した、『創刊40周年記念 ムー展』が10月12日から東京・池袋のパルコミュージアムで開催中。『月刊ムー』初の大型展覧会となり、同誌が追ってきた超常現象の世界や、雑誌の歴史、読者や関係者との関わりを体験できる展示会となっている。大手出版社のファッション誌が相次いで休刊となるこの時代に、超能力、UFO、心霊、ノストラダムスの大予言、秘密結社、9.11や3.11後の陰謀論など、40年も特殊なジャンルで続けてこられたのはなぜか。昭和から平成までのムーブメントの振り返りや変遷など、稀有な媒体『ムー』が40年続いてきた理由や、メディアとして果たしてきた役割について、5代目編集長・三上丈晴氏に話を聞いた。

【写真】1979年『月刊 ムー』創刊号表紙 特集は異星人&UFO

■近年注目を集めつつある『ムー』初の大型展「“怪しい”からこそ話題になる」

――「世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン」の『ムー』初の大型イベントとのことですが、「ムー展」開催の背景について教えてください。

【三上氏】『ムー』を冠した大規模イベントは初ですね。10周年、20周年、30周年もやってなかったんですね。昨今、タイアップの企画をいただく機会が増えて、グッズがメディアで注目いただいて広まってきたり、企画ものが増えてきたので、ノウハウができてきたところで…節目として実施することになりました。グッズやモノも出していけば「展覧会」になると思ったんですね。編集長のデスクを再現など、みなさんの“幻想”を形にするコーナーもあります(笑)。

――謎に迫ってきた“証拠品”を展示するコーナーもあるんですね。

【三上氏】誌面はじめ、ビッグフットの足型、ユリゲラーが曲げたスプーン、UFO調査に使ったガイガーカウンター、サイババの出した灰などです。研究家の方々からお借りしたものを展示しています。

――グッズの話といえば、今年もしまむらさんのムーTシャツがネットでも話題になりました。異業種コラボレーションは編集部の狙いなのでしょうか。

【三上氏】いえ、外からオファーをいただく話ばかりですね。パンチの利いたアイテムを作る際に突撃隊のようなイメージで起用してもらうんでしょうね。『ムー』はお洒落じゃないからこそ、コラボすることによってエッジの利いたアイテムになっているんじゃないでしょうか。裏を返せば、どれだけ『ムー』が怪しいかですよね(笑)。ファッション業界とは程遠い位置づけにありますから。

■「読者代表として“怪しい”ものを追いかけてきた」 昭和〜平成のブームの変遷 

――展示では『ムー』40年の歩みも見られるそうですね。三上編集長は、入社以来28年『ムー』一筋とのことですが、40年間でムーが取り上げてきた謎にも流行りすたりはあるのでしょうか。

【三上氏】だいたい取り上げるネタは決まっていて、実は限られているんです。それをどう料理していくか、という40年でした。70年代は、今のように“コンプライアンス”がなかった時代です。テレビなら『木曜スペシャル』ですよね。矢追純一さんのUFOブームやネッシーをはじめとしたUMA。探検要素もあって子どもたちが食いつきやすかった。80年代は心霊ブームで、心霊写真集や、夏の特番『あなたの知らない世界』が人気でした。妬欅子さんが注目されたりもしましたね。また、ユリ・ゲラーが来日する度に、彼が見せる超能力でメディアが盛り上がりました。バブルもありましたし、世の中がだんだん浮かれてくるんですよね。当時はこういう“怪しいもの”をメディアで扱うケースが多くありました。

――バブルがはじけた90年代はいかがでしたか。

【三上氏】90年は、UFOものが陰謀論に変わっていきます。秘密結社や世界の黒幕が世の中を動かしているという話が出てくる。そこにUFOも乗っかっていきます。「マジェスティック12」や「エリア51」ですね。70年代80年代の初頭に政府が隠していた(?)と言われるものが、UFO・陰謀論と結びつくわけです。また、湾岸戦争などの社会不安があると、予言ものが盛り上がります。「1999年七の月」、ノストラダムスの大予言です。

――2000年以降、近年の傾向は?

【三上氏】今は、アニメ、ゲームが発達して一般化して、魔術、UFO、秘密結社が当たり前のように出てきますよね。子どもたちにとっても馴染みの深いものになりましたから。70年代80年代とは全然違いますね。今や普通の人がフリーメイソン、イルミナティといった単語を口にします。2000年代に入ると、ネットでいろいろなものが語られるようになりました。

――ネットがなかった時代は出版物が情報源でしたが、自分たちで情報を取得・発信できる状態になったわけですよね。それにより“世界の謎”コンテンツが活性化したのではないでしょうか。

【三上氏】そのうち研究団体がHPをしっかり立ち上げて、専門家が情報を発信する時代になって変わってきましたね。雑誌はネットのスピードにはかないません。でも、その情報は実際どうなのかという“検証”は『ムー』が期待されているところです。編集部としては研究家の方々のご協力を受けて、ネットの速報には出せない解説記事を意識しています。不思議な現象をそのまま受け止めるのではなく、どう見せるか、どう考えられるか、その前提で“怪しい情報”を見ています。あくまでも、“読者の代表”として専門家の方にもご協力をあおいでいます。

■40年続いてきた理由は…貫いたニュートラルな視点「決めつけるな!」

――最近は青文字系ファッション誌が休刊になったりとする中で、40年続くのは偉業ですね。

【三上氏】世界の謎には、流行りが関係ないからでしょうか。『ムー』は、一定のマニアに届いている。中高生の頃に読んでいた人が、そのままお父さんになっても読んでくれている。息の長いファンに支えられています。

――お話の中でたびたび“怪しい”という言葉が出てきましたが。作り手としてのスタンスは実際のところどうなのでしょうか。

【三上氏】そこが一番難しいところです。かつて競合誌もたくさん出たんですが、続かなかったのはまさにここ。怪しい世界を雑誌にするという過程で、作り手がバカにしていると読者は白けるし、結論を押し付けると「この雑誌ヤバいね」って引かれちゃう。その距離感が大事。例えば、怪しい現象を紹介する際は、まず考えるのは“可能性”です。丁寧に検証していって、一つ一つ可能性を潰していくと、どうしても説明しきれないものが最後に残るんです。まだまだ分からないことがあるのが面白いんです。その説明に筋が通っていることが大事。本当のことかどうかなんて、誰も分からないんですから。

――結論づけることが必ずしも良いこととは限らないと。

【三上氏】『ムー』の読者は、ひょっとしたら編集部よりも独自の意見をもっている方ばかり。自分の考えと照らし合わせて謎を楽しんでほしいんです。そういう想いを込めて“ムー的なもの”は知的エンターテイメントと呼んでいます。大事なことはたった一つ、「決めつけるな」です。バミューダトライアングルは、メタンハイドレードが原因という仮説で説明できるんです。でも、完全解明!とすると必ず反発が起こります。説明はできたが、謎が解決したわけではない、引き続きリサーチを行う…そのスタンスで、否定派も賛成派も溜飲が下がるんですよ。

■40年間、常識に対するアンチテーゼとしての役割を貫く

――『ムー』の編集部が考える世界の謎の魅力は?

【三上氏】世界には分からないことがまだたくさんあるんです。偉い学者さんが真相はこうです、って言っているんですが、本当なんでしょうか。宇宙はビッグバンから始まったって、誰も見たことがないのに本当ですか?人がサルから進化したって本当なんでしょうか?原人の骨は見つかっていますが、チンパンジーの化石は世界で1体しか見つかっていないのに?霊長類の進化なんて本当は全然分かっていないのに、進化論を信じていいんでしょうか。そういうことですね。

――40年間、『ムー』がオカルト、超常現象、陰謀、世界の破滅…そんな“世界の謎”に対して、果たしてきた“役割”とはなんでしょうか。

【三上氏】定説や真相に対するアンチテーゼではないでしょうか。『ムー』は、意見を主張するオピニオン雑誌じゃありません。あくまで知的好奇心を満たすエンターテイメント誌です。世界の謎は、読者の数だけ楽しみ方があります。最終ジャッジは読者にゆだねている。当たり前のように言われていることに対して、“そうでない”という可能性があるのだというニュートラルさは残しておくべきだと思っています。

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  • 来週行こう…。
    • イイネ!0
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  • 「ノストラダムスの大予言」 古本屋で10円で売っているのをたまに見かける。
    • イイネ!43
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