IMSA第12戦:マツダDPiがダブル表彰台獲得。優勝は争いはファイナルラップで明暗

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2018年10月15日 13:31  AUTOSPORT web

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2位表彰台を獲得した77号車マツダRT24-P DPi
10月13日、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)の2018年シーズン最終戦『モチュール・プチ・ル・マン』がアメリカ、ロード・アトランタで行われ、10時間の決勝レースをコニカミノルタ・キャデラックDPi-V.Rの10号車キャデラック(ランガー・バン・デル・ザンデ/ジョーダン・テイラー/ライアン・ハンター-レイ組)が制した。

 2017年に節目の20周年を迎え、21回目の開催となった今季のプチ・ル・マンのスターティンググリッドは、2018年限りでモータースポーツ活動を終了するテキーラ・パトロンのパートナーチームであるテキーラ・パトロン・ESM、22号車ニッサンDPiを先頭に、マツダチーム・ヨーストの77号車と55号車マツダRT24-P DPiが続き、グリッド上位を日本メーカーのマシンが占める形となった。

 迎えた決勝ではトップ3が順当にスタートを決めてレースを進めていくが、開始からわずか25分後にトップを走る22号車ニッサンにアクシデントが発生。左リヤタイヤのパンクによって序盤から周回遅れとなってしまう。また、ニッサンDPiに代わって首位に立った55号車マツダも1時間50分経過時に左リヤタイヤがホイールごと脱落するトラブルに見舞われ、こちらも大きく順位を落とすことに。

 比較的落ち着いたレース展開となった中盤戦になると、1回目のピットストップ時に遅れを取った77号車マツダが上位に復帰。また、後方からのスタートとなっていた10号車キャデラックもトップ争いに加わってきた。

 レースに緊張感が漂い始めたのは残り2時間を切ってから。8時間30分を迎える直前に、この日最後のフルコースイエロー(FCY)が導入されると、Pクラスは全車がピットに向かいラスト90分のスプリント戦へと移行していく。ここでトップに立ったのは序盤に順位を落とした22号車ニッサンだ。

 最終戦で有終の美を飾りたいピポ・デラーニ駆る22号車は、総合2番手につける77号車マツダ以下の後続車を引き連れながら首位の座をキープし、残り45分頃に訪れるPクラス最後のピットタイミングを迎える。このピット作業を終えてもトップを死守したニッサンDPiだったが、ピットアウト後にはマスタング・サンプリング・レーシングの5号車キャデラックDPi-V.Rに1秒差に迫られてしまう。

■マツダ、燃費の良さを生かしてダブル表彰台獲得

 僅差のまま迎えたラスト30分、総合2番手につける5号車キャデラックのフィリペ・アルバカーキが、バックストレートからシケインへの侵入で22号車ニッサンのイン側をついて首位に躍り出る。2番手に落ちたデラーニは残り10分を切ったタイミングで、同じ場所でこれを抜き返しにかかるもコーナー出口での立ち上がりが遅れ、僅差の3番手につけていた10号車キャデラックにポジションを奪われてしまった。

 その後、3番手となった22号車ニッサンは燃料切れによりチェッカーまで残り3分のところでスプラッシュのためにピットへ。キャデラック勢がトップ2となったレースはアルバカーキの5号車がトップチェッカーを受けると思われたが、なんとその5号車もファイナルラップで燃料不足となり、まさかのスローダウン。これを交わしたバン・デル・ザンデの10号車キャデラックが劇的な逆転優勝を飾ることとなった。

 総合2位は、最後のピットストップ後に総合2番手から同5番手にポジションを落としていた77号車マツダが入り、同じく6番手につけていた僚友77号車マツダが3位でチェッカー。マツダチーム・ヨーストの2台は、前を走る22号車ニッサン、5号車キャデラック、COREオートスポーツの54号車オレカ07・ギブソンのガス欠によって順位を上げ、最終戦でチーム初のダブルポディウムフィニッシュを果たしている。

 今季最終戦を終え、チャンピオンシップは31号車キャデラックDPi-V.Rを走らせるウェレン・エンジニアリング・レーシングがチームタイトルを獲得。同チームのエリック・クランと元F1ドライバーのフェリペ・ナッセがドライバーズチャンピオンとなった。

 また、マニュファクチャラー選手権ではキャデラックが連覇を達成し、デビューイヤーのアキュラがランキング2位。以下ニッサン、マツダと続いている。

■『911 GT1』トリビュートカラーのポルシェがクラス優勝

 WEC世界耐久選手権でも使用されるLM-GTE規定のマシンで争われるGTLMクラスは、ポルシェGTチームの911号車ポルシェ911 RSR(パトリック・ピレ/ニック・タンディ/フレデリック・マコウィッキ組)がクラス優勝を飾った。

 同車は今回、1998年のル・マン24時間で総合優勝を飾ったポルシェ911 GT1を模したスペシャルカラーリングでレースに臨んでおり、ポルシェにとってこの勝利は、今季のメジャー耐久レースであるニュルブルクリンク24時間、ル・マン24時間に続く3勝目となっている。

 GTLMクラスのチャンピオンシップではレース終盤にクラッシュを喫したものの、懸命な修復作業でトップと2周差のクラス8位でフィニッシュしたコルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC7.Rをドライブするヤン・マグヌッセン、アントニオ・ガルシア組がドライバーズ選手権2連覇を達成。

 コルベットはこのほかにチームタイトル3連覇を果たしたが、3連覇中のマニュファクチャラーズタイトルはフォードにトロフィーを譲っている。

■MSRの86号車NSX、惜しくも戴冠ならず

 FIA-GT3カーで争われるGTLMクラスは、スクーデリア・コルサの63号車フェラーリ488 GT3(クーパー・マクニール/クリスティーナ・ニールセン/ガンナー・ジャネット組)がポール・トゥ・ウインを飾った。

 ポール・ミラー・レーシングの48号車ランボルギーニ・ウラカンGT3組とタイトルを争い、6点差のランキング2位で最終戦を迎えたマイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の86号車アキュラNSX GT3(キャサリン・レッグ/アルバロ・パレンテ/トレント・ヒンドマン組)は、今戦をクラス2位でフィニッシュする活躍を見せる。

 この結果86号車NSXはタイトルを引き寄せるも、ライバルの48号車組ブライアン・セラーズ、マディソン・スノー組が同3位に入ったため、惜しくもレッグの戴冠はならず。ドライバーズ、チームズ選手権ともにランキング2位に終わっている。

 2台のレクサスRC F GT3を走らせ、今季2勝を挙げている3GTレーシングは、15号車レクサスがクラス10位完走。14号車レクサスはリタイアと、歯車が噛み合わなかった。

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