NYで白人至上主義者が乱闘騒ぎ、トランプと共和党と警察も共謀?

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2018年10月16日 16:21  ニューズウィーク日本版

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ニューズウィーク日本版

<共和党の会員制クラブの外で発生した乱闘騒ぎの発端はトランプ支持を表明している「プラウドボーイズ」>


米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(民主党)は、10月12日の夜にマンハッタンにある共和党員向けの会員制クラブで起こった暴動について共和党を批判。この暴動にドナルド・トランプ大統領を支持する極右グループ「プラウドボーイズ(自らの民族を誇る男たち)」の複数のメンバーが関与していたとして、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の捜査を行うよう警察に呼びかけた。


クオモは10月14日の記者会見でこの一件についてトランプ大統領の責任も指摘。トランプと共和党が米国内の分断を煽っていると非難した。


WAMCノースイースト・パブリック・ラジオによれば、クオモは「大統領は遊説で『民主党員は暴徒だ。彼らは混乱をもたらす存在であり、過激主義者だ』と言い、ニューヨーク州の共和党は、暴力やヘイトスピーチを行うことで知られているグループをイベントに招いた」と発言。プラウドボーイズは騒動を引き起こす狙いで同クラブに招待されたと示唆した。


Here's video of the Proud Boy mob assault from tonight up close pic.twitter.com/frW09dcDHn— Adam (@leftkist) 2018年10月13日


「死人が出ていた可能性も」


「西側の熱狂的愛国主義者」を自認するプラウドボーイズは10月12日、マンハッタンのアッパー・イーストサイドにある同クラブで開かれたイベントに出席した。


イベントに先立ち、何者かによって、クラブの建物に共和党員と民主党員を批判する内容の落書きがなされた。FOXニュースをはじめとする右派のメディアは反ファシズムを掲げる活動家たちの仕業だとしているが、当局はまだこれを確認していない。


イベント後、プラウドボーイズのメンバーたちは、クラブの外で人種差別反対のデモ隊が抗議を行うなか、警察に誘導されて会場を後にした。当時の様子を撮影した動画と目撃者の話からは、デモに抗議していた人物が、プラウドボーイズのメンバーの一人が被っていた「アメリカを再び偉大な国に」のロゴ入り帽子を取ろうとしたのがきっかけで乱闘騒ぎが勃発したようだ。


これを受けて、プラウドボーイズのメンバー数十人が仕返しに人種差別反対のデモ参加者たちを攻撃。ソーシャルメディアに投稿された複数のビデオには、少なくとも一人のメンバーが「外国人を殴ってやった」と自慢げに話す様子が映っている。「警察が制止しなければ死人が出ていただろう」と、フォトジャーナリストのサンディ・ベイチョムは本誌に語った。


乱闘騒ぎを受けて、警察は3人を逮捕。いずれも人種差別反対のデモ参加者だったと報じられている。しかし地元の当局者たちからは、プラウドボーイズのメンバーが誰ひとり逮捕されなかったことに懸念の声が上がっている。


「白人至上主義者がニューヨーク市の路上でヘイトクライムを――しかもニューヨーク市警の目の前で――実行し、彼らのうち誰も逮捕または訴追されないのは、きわめて不愉快だ」と、ニューヨーク市会議員のロリー・ランクマン(民主党)は言う。


プラウドボーイズの創設者でこの夜のスピーカーでもあったギャビン・マッキノンは10月14日のポッドキャストで、乱闘騒ぎのときは「ニューヨーク市警にはとても助けられた」「彼らの青い制服に礼を言う」と、警察は彼らの味方であるかのようなコメントをした。


ニューヨークのビル・デブラシオ市長(民主党)は、警察は徹底的に捜査を行うと語った。地元ケーブルテレビ局のNY1によれば、デブラシオは「ニューヨーク市警は、プラウドボーイズが関与した10月12日夜の攻撃について徹底した捜査を行っている」とし、「何か知っている人は協力を」と市民に呼びかけた。


「ニューヨーク市はヘイトクライムを決して容認しない。暴力をふるった者も、それを煽った者も、罪を犯した者は法を最大限に適用して処罰する」


(翻訳:森美歩)


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ジェイソン・レモン


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