嵐「君のうた」にはドラマ同様の“優しさ”が詰まっている 『僕とシッポと神楽坂』主題歌を聞いて

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2018年10月19日 07:02  リアルサウンド

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 嵐が、今夜放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)2時間スペシャルに出演し、最新曲「君のうた」を披露する。本作は、相葉雅紀の主演ドラマ『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系)の主題歌として、すでにお茶の間に親しまれている楽曲。12日の第1話で、名演技を見せてくれた白くてふわふわなビションフリーゼのダイキチも出演する予定だという。今夜は『ミュージックステーション』でのライブからの第2話オンエアと、ファンにはたまらない一夜となりそうだ。


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 『僕とシッポと神楽坂』は、たらさわみち原作の同名漫画を実写化したヒューマンドラマ。人情と風情が残る東京・神楽坂を舞台に、ペットやその飼い主たちとの交流を描く。先述のダイキチや地域猫のオギなど、可愛らしい犬猫が次々と登場し、動物好きなら必見のドラマに仕上がっている。


 メガホンを取るのは、櫻井翔が主演を務めた映画『神様のカルテ』などを手がけた深川栄洋監督。相葉も、ラジオ『嵐・相葉雅紀のレコメン!アラシリミックス』(文化放送)で、「監督の撮る絵もきれいだし、音楽もすごくやわらかで」と語るように、温かな日差しのような光と動物や子どもの目線に近いカメラワークが印象的だ。


 長年『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)で、多くの動物たちと触れ合ってきた相葉。彼が扮する獣医役は、まさにハマり役といえる。動物に触れる手、話しかけるときの柔らかな口調に、穏やかな眼差し……持ち前の動物好きと、誰も傷つけまいと振る舞う相葉の優しさが随所に滲み出ているのだ。動物たちの愛らしい仕草に加えて、相葉の飾らない笑顔に、見ているこちらも自然と頬が緩む。


 そんな『僕とシッポと神楽坂』の主題歌となっている「君のうた」にも、ドラマ同様に優しさが詰まっている。大切な人やもの、場所への想いを歌ったこの曲は、歌詞の中に“虹の橋“という言葉がある。ペットとの別れを経験したことがある人ならば、ピンときたはず。何を隠そう筆者も、昨年20年以上連れ添った猫が虹の橋を渡ったことを思い出し、この曲を聴いて胸が熱くなった一人だ。


 人も、そして家族同然に過ごすペットも、着実に年を重ねていく。それは、生き物に限ったことではない。大事な宝物も、思い出の場所も、すべてのものが出会ったからには、いつか別れがやってくる。刻一刻と変化をし続け、一方で変わらない愛情を抱きながら、同じ時を過ごしていく。それが、私たちのかけがえのない日常だ。変わらない嵐のユニゾンに包まれながら、変わりゆく日々の風景を愛しく思う。


 「子どもが生まれたら犬を飼いなさい」。イギリスには、こんなことわざがあるという。赤ん坊のときには子どもを守る存在となり、幼少期には遊び相手に、そして少年期には一番身近にいる理解者となってくれるペット。そして、青年期には自らの身をもって命の尊さを教えてくれるという意味だそうだ。


 本作でも、トキワ(広末涼子)の息子・大地(矢村央希)がダイキチの世話を通じて、一つずつ思いやりの心を育んでいく姿が描かれる。きっと共に過ごした日々は、「君のうた」の〈涙に暮れたとしても 塗り替えてゆく/強さを教えてくれた 君の温もりを〉という歌詞の通り、大地の中に強さと優しさを芽生えさせてくれることだろう。


 「出会えてよかった」。その想いの数だけ、人生が豊かになる。だとしたら、この歌も、そしてドラマも、さらには嵐も、もしかしたらペットのようにいつもそばにいて、強さを教えてくれる存在になるのかもしれない。今夜は、嵐の優しい歌声に酔いしれながら、身近な存在に感謝してみてはいかがだろうか。(文=佐藤結衣)


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