無脳症の赤ちゃんを身ごもった母 臓器提供のため出産を決意(米)

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2017年02月24日 18:04  Techinsight Japan

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臓器提供のために出産を決意した夫妻(出典:http://www.telegraph.co.uk)
「私たちの娘は心臓も、手も足も完璧です。腎臓も肺も肝臓も完璧です。でも悲しいことに脳に異常があるのです。」米オクラホマ在住のロイスさんとケリー・ヤングさん夫妻は昨年12月13日、Facebookにそう綴っていた。妊娠19週目にして、医師からお腹の子が「無脳症」であると告げられた夫妻は、あまりにも残酷な運命を嘆き絶望の底に突き落とされた。この世に生を受けても赤ちゃんが生きられるのはたった数時間、いや数日かもしれない。中絶という決断もあったなか、2人は苦渋の選択をした。『telegraph.co.uk』などが伝えている。

脳の一部または大部分が欠如している無脳症であった場合、胎児は誕生しても長くは生きられないと言われる。今から2か月半ほど前、1児の母でもあるケリーさんは、お腹の中にいる娘エヴァちゃんが無脳症であるとの告知を受け大変なショックを受けた。ケリーさんはその後の心の葛藤をこう表現している。

「告知を受けてからの24時間は食事も喉を通りませんでした。眠ることもできず、もう流れる涙がないのではというほど何度も泣きました。」

「それでも私は妊娠を継続することに決めました。娘の臓器が病気で苦しむたくさんの人を救うことができると知ったのです。これからあと20週間、この子はお腹の中でキックしたりしゃっくりをしたりするでしょう。そして私はこの子の心臓が脈打つ音を聞くたびに、“生”を感じることになるでしょう。」

「エヴァは生きています。本当にこの決断が正しかったのか…考えない日はありません。でも家族や友達、医師らたくさんの人が私たち夫婦を支えてくれています。だからエヴァと過ごせる今の時を大切にして、物事をポジティブにとらえることにしたのです。あの子の心臓弁、腎臓、肝臓、膵臓、肺が誰かの役に立つと。」

一方でケリーさんと結婚して8年になるという夫のロイスさんも今月17日、その苦しい胸のうちを次のように明かした。

「その日は確実に迫ってきています。エヴァが産まれても、家に一緒に帰ることはないかもしれないと思うと本当につらいです。1歳の誕生日にろうそくを消す、歩き初めたばかりのエヴァがダイニングテーブルに頭をぶつける。そんなこともあるかもしれない。彼氏ができて携帯電話の請求に驚いたり、手を取ってバージンロードを歩いたり…できることなら今起こっていること全てが夢であって欲しいと思うのです。でも誰も現実を変えることはできません。」

ケリーさんの出産予定日は5月7日だ。エヴァちゃんがどれだけ長く生きられるかはわからないが、2015年には無脳症で産まれるも奇跡的に1歳の誕生日を迎えたケースも報告されている。エヴァちゃんが家族と一緒に過ごせる時間が少しでも長くあるように祈らずにはいられない。

出典:http://www.telegraph.co.uk
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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  • 折角命を授かっても、不遇で終わるより少しでも世の中で移植とか心待ちしている人達の助けになれば〜折角の命は大事な命として生き残るでしょう〜決断されたご夫婦のお気持ちに対して心から感謝し、善行が広がればと祈ります
    • イイネ!4
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