恋人にイライラしないための心構え

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2012年09月14日 19:00  新刊JP

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恋人にイライラしないための心構え
付き合い始めた当初は、恋人のあらゆる部分が好ましく見えるものですが、時が経つにつれて欠点が目につき始めるものです。そして、いつしか相手の言動の一つ一つにイライラしてしまい、ささいなことからケンカを繰り返すようになって、最終的に別れてしまった。こんな経験がある人は多いのではないでしょうか。
 『心を知る技術』(フォレスト出版/刊、岩元貴久/訳)の著者、ジョン・F・ディマティーニ氏は、人間関係を終えようとしている人たちに共通する点として「お互いが相手に非現実的な幻想を抱いていること」を挙げています。
 では、お互いにイライラせず、気持ちよく交際を続けていくためにはどうすればいいのでしょうか?

■自分の価値観に相手を従わせようとしない
 ディマティーニ氏は、人は無意識のうちに、相手が自分の価値観を反映した倫理やモラルに従うことを期待する、といいます。これが彼のいう「非現実的な幻想」の正体です。
 性格もバックグラウンドも異なる相手を自分の価値観で見ていてはイライラするのは当たり前。私たちは自分の内なる指針に従って生きるものであり、他人の価値観に従うことはありません。
 このことを理解していれば、相手に失望することも、裏切られたと思うこともないはずです。

■相手の価値観に自分を合わせようとしない
 これは従来言われていることに反するように思えますが、相手の価値観に自分を合わせるということは、自分らしさを失うということです。自分を変えてまで相手に合わせてしまうと、最初はよいでしょうが、しばらくすると自分が苦しくなり耐えられなくなります。また、自分らしさが失われることで、相手から魅力的に映らなくなることもあるのです。結局、相手に気に入られたくて合わせたはずなのに、その相手から嫌われるということになりかねません。


■大切なものに順位をつける
 前述の通り、人は自分の価値観に従って行動します。価値観の違う人同士がイライラせずに付き合っていくためには、相手に自分の価値観を押し付けるようなことはせず、自分が大切にしているものに優先順位をつけ、それを相手の価値観に合わせる方が賢明です。
例えば、ある夫婦(または同棲しているカップル)の女性側が、男性に車の買い替えを提案したとします。しかし男性は、貯蓄のための予算が切り詰められると考えたため、同意してくれません。
 こんな時、自分の意見だけを主張しても、あつれきを生むだけです。
 それよりも、今の車の維持費や燃料費を概算して、燃費のいい新車を買うことでどれくらいの節約ができるか、ということを彼に示し、彼の価値観における優先事項である貯蓄にさほど影響が出ないことを教えてあげれば、彼の価値観も守られることになります。
 このように、時間はかかっても自分の価値観を相手の価値観に合わせて伝えあげれば、相手も納得し、自分も多くの見返りを得ることができるのです。

■相手を自分好みに変えようとしない
 恋愛でよくあるのが、相手を「自分好み」に変えていこうとすること。
 これも一種の価値観の押しつけだといえます。
 そういった場合の多くは、相手に「だらしない」「行儀が悪い」「怠けもの」などといった烙印を押し、「この人は変わらなくてはならない。そしてこの人を変えられるのは自分だけ」と思いこんでしまいます。
 しかし、これは自分の価値観こそが「正しい」と思っているということだといえます。自分の価値観で相手に「○○しないといけない」「○○するべき」と言っても、違う価値観を持つ人は素直に耳を貸してくれません。それよりも、相手がどういう価値観を持った人間なのかをきちんと理解してあげた方が得策なのかもしれませんね。

 今回は恋愛について取り上げましたが、互いの価値観を理解し、尊重することはどんな人間関係でも大事なこと。
 対人関係を充実させるための考え方や気遣いが本書には多く紹介されています。単純なノウハウ本とは違い、他者は自分をどう見ているか、価値観とは個人の中でどのように機能するか、といった人間の本質的な性質から説明しているので、上司、恋人、家族、親せきなどなど、人付き合いに悩むあらゆる人に役立つ普遍的なアドバイスが得られるはずです。
(新刊JP編集部)

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