父親に似た人は好き？ 嫌い？ 父親との関係性が女性の恋愛観に与える影響

恋人について「お父さんみたいな人がいいな」や「お父さんみたいな人だけは絶対にイヤ」などと言うことがありますよね。女性の恋人選びには、少なからず父親が関連しているようです。アダルトチャイルド・親子関係などの家族問題について詳しい 、恋愛心理カウンセラーの清水三季央さんに伺いました。

“だめんず好き”の原因は父親が影響してた!？ 父親似の人を好きになる理由とは…？


■父親との関係性≒男性との関係性!?

「一般的に子供は、父親が、自分や母親に接する様子から『男性とは、結婚とはこういうもの』という恋愛・結婚観を学びます。さらに子供にとって父親が初めて接する男性となるため、父親と自分の関係から受ける感情により『男性と自分の関係はこういうもの』と印象づけられがちです」（清水さん、以下同）

　子供のころの父親との関係性が、その後の男性との付き合いに影響を与えるのですね。では、どのような影響を与えるのでしょうか？

「父親と自分が良い関係にあると、『自分は男性と良い関係を持ちやすい』という恋愛・結婚観になります。こうした考えを持つと、自然に男性と関わり、相手に好まれる言動を取りやすくなるため、結果、恋愛や結婚がしやすくなります。また、父親に似た男性を好きになりやすいです。一方、父親との関係が悪かった女性は、この逆のことが言えると思います」（同）

　つまり、頑固な父親を持つ女性でも「父親のような人が好き」「父親のような人は嫌い」と好みが分かれるのは、上記のような子供のころの関係性が原因ということなのでしょうか。

「やはり父親に接したとき、どのような感情を受けたのか、また受けなかったのかという父親との関係性が女性の恋愛観に影響していると思います」（同）


【父親との関係性と恋愛への影響】
1. 父親との関係が適度に良く、父親から自立する時期もスムーズであった場合
・父親に似た男性を好きになりやすい。
・『自分は男性と良い関係を持ちやすい』という恋愛・結婚観になりやすい。
　このため恋愛や結婚がしやすくなる。
※自立がスムーズでなくても父親を好きでいられることはある。

2. 父親との関係が悪かった（過剰に良くても悪いと言える）場合
・父親と似た要素のない男性を好きになりやすい。
・『自分は男性と良い関係を持ちにくい』という恋愛・結婚観になりやすい。
　このため恋愛や結婚がしにくくなる。


■イヤだと思っていても父親に似た人を好きになってしまうことがある!?

「父親との関係が悪かった場合、父親と似た要素のない男性を求めやすいのですが、中には、次のような理由から父親のような男性は嫌いなはずなのに父親と似た人を好きになってしまうことがあります」（同）

1. 嫌いでも、他の男性に比べて父親のような男性になじみやすい（=慣れ）。
2. 無意識のうちに父親のような男性を選び、『愛する』という“作業”をしようとする。
　※無意識なので自覚がない場合もあります。

　父親が女性の恋愛に与える影響は奥深いですね。父親との関係性が原因で恋愛がうまくいかないのかも？ と悩む女性に何かアドバイスはありますか？

「父親とコミュニケーションをとったり、手紙を書くなどして、父親を心理的に許したり受け入れたりする作業がおすすめです。また、仕事や趣味など生活全体のバランスを整え、幸せを感じる状況を増やすようにするといいですよ。自分や父親、男性への感情に振り回されにくくなり、男性との距離感も掴みやすくなります」（同）

　男性との関わりや付き合いで、何かしっくりこないものがあると感じる方は、父親との関係性を見直してみるのもいいかもしれないですね。

（鳴沢ことみ/コンセプト21）