『烈車戦隊トッキュウジャー』終着駅 一年間ホントにありがとう! 波瀾万丈の大団円

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2015年02月21日 05:10  おたぽる

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おたぽる

『烈車戦隊トッキュウジャー』公式HPより。

――日本全国のちびっ子から青少年、大きなお友だち、さらにはお母さん方といった女性までもを魅了する特撮ヒーローたち。そんなヒーローの活躍を世に広めるためのレビュー! これさえ読めば、気になる特撮作品のあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には"ネタバレ"が含まれていますので、ご注意ください。



■『烈車戦隊トッキュウジャー』
終着駅「輝いているもの」



【今週の極私的見どころ!】
 全部! 全部!! ......あえて言うなら年に一度のバトンタッチ!!!



 ご覧になった方はおわかりの通り、今回は一年の総決算、終着駅ならではのノンストップな盛り上がりなんで見どころありすぎ、っていうか、全編が見どころと言っても過言ではない、見どころの金太郎飴状態なんですね。ただ、あえて言うとすれば、スーパー戦隊シリーズ最終回のお楽しみ、一年間戦い抜いたヒーローが次の新ヒーローに正義の魂を引き継ぐ、いわゆるバトンタッチ映像。



 もちろん今回はトッキュウ1号と、次回からスタートする『手裏剣戦隊ニンニンジャー』のアカニンジャーがバトンタッチしたんですが、その後、去っていくトッキュウ1号にアカニンジャーがお辞儀をしたんです。忍者だから日本の礼儀として、ってことなんでしょうけれど、ワタクシたちとしては、これを最後にスーパー戦隊シリーズから離れるトッキュウ1号の中の人(スーツアクター)押川善文氏に敬意を示したように思えちゃって、最後の最後でまた爆涙。いっぺんにニンニンジャーのファンになっちゃいましたよ。



【今週のオススメ度】
★★★★★×∞×∞



 勝利のイマジネーションを抱くことができないライト(演:志尊淳)は、闇の巨獣が吐き散らした闇に捕われ、ただ座り込んでいた。するとそこに、成長した姿に戻ったトカッチ(演:平牧仁)たちがレインボーラインで乗りつける。



 どうして戻って来た? と問うライトに、ヒカリ(演:横浜流星)たちは「全部忘れなきゃ、子どもに戻れないなら、全部持って大人のままいる」と告げ、再び五人でトッキュウジャーとして戦う決意を固めた......。



 終着駅ということで、いつもより全裸待機が多かった今回(データ出典は俺の勘)ですが、もうこの五人が再会する時点でしゃくり泣きしちゃって、涙とか心の汗とか、そのほかにも色んな液を体から流してる人が俺含め多数出現。闇の中で体育座りして震えてるライトは「雨に打たれたチワワ並に可愛い」とお姉さん方のハートをわし掴みにした模様。あと、記憶を無くさせたのはみんなを守るためしょうがなかったと言おうとするライトの口をトカッチが掴むシーンがあるんですが、あれって第1駅でトカッチがライトにやられてた仕草ですよね。成長したな、トカッチ。



「絶対、五人で助け合うこと!」



 トッキュウジャーとしての記憶を、あの秘密基地での約束を取り戻した四人がライトと抱き合い、いよいよ本編スタート! 毎回、○分遅延と言われ続けてきたOPも、今回は遅延どころか、ばっさりカット。さあ尺いっぱいの暴走の始まりです!



 闇の奥に閉じ込められたライトたちにつながるレールを、必死で探す明(演:長濱慎)の前に、前回ロボット戦で敗れたはずのネロ男爵(CV:福山潤)が現れました。おおっ、必要以上の生命力(いい意味で)。レールごと明とトッキュウジャーを潰そうとするネロ男爵に、明は言います。



「このレールは......」



「またお前の死に場所か?」



「いや、レインボーライン......俺の生きる場所だ」



 来たーーーーっ! これまで死に場所を探し続けてきた明が、ようやく見つけた居場所。なんか逆に死亡フラグ感満点ですが、これでもう本当に仲間だ、明。身も心もトッキュウ6号になった明は、ネロ男爵との一騎打ちに臨みます。



 その頃、烈車内で闇からの脱出法を考えていたライトたちは、闇の向こうに何か光るモノを見つけます。それはライトのお母さん(演:安藤知夏)が作った星まつりの灯籠でした。ライトの妹(演:樋口舞)たちが歌っていた「きらきら星」を聞き「どうしてか、もう一人いるような気がして」、その子のことを思って作ったのだそうです。



 闇のことを知らないで聞いたら「かくし子かなんかいるの?」と邪推されそうですが、ピュアなお母さんの思いは闇を照らし、まるで誘導灯のように烈車を外へといざないます。夢や希望、想像や祈り、それらイマジネーションこそが、巨大な闇に対抗できる唯一の力。そして、その光こそ、かつて闇の皇帝ゼット(演:大口兼悟)が目にして魅了されたキラキラだったのです。



 イマジネーションによって闇は散り、すべての烈車とサポート烈車の攻撃で、闇の巨獣は撃破されました。脱出した皇帝ゼットとネロ男爵、モルク侯爵(CV:鈴木れい子)に向かい、ライトは言います。どんなに闇の力が大きくても、自分たちの力・イマジネーションで最後まで戦わなければいけなかったのだ、と。



 そして、いよいよ最後の変身の始まりです。今回は、いつもと違って変身シーンは顔出し。前回の予告で流れた明=6号が大きく体で「6」のポーズをとっている決めポーズもあって、もう何もかもスペシャル。



 お待たせしました、ここでOP「烈車戦隊トッキュウジャー」がフルコーラスで挿入。定番の演出とはいえ、やはり燃える! 最終駅ということで、ものすごい久しぶりにカグラ(演:森高愛)が「私は強い」の思い込みからの「最強ガール」設定をこなしてました。あと、トカッチが第25駅で練習してた人間ミサイルとか、過去技もばっちり拾ったところで、レンケツバズーカにユウドウブレーカーをセット......えっ、そんなことできるの? 明が死にたがりをやめてトッキュウジャーに骨を埋める覚悟をしたからでしょうか、ここまで来て"ユウドウレインボークラッシュ"なる新必殺技まで披露。このネタの密度、トッキュウジャーのスタッフは加減というのを知らない。



 ダメージを負った皇帝ゼットですが、ここで、自らの闇を差し出すというネロ男爵とモルク侯爵のシャドーのくせにキリスト並の自己犠牲精神あふれる行動でパワーが復活。今度は、ライト以外のトッキュウジャーの変身を解除させるほどの強力な一撃を放ちます。その皇帝ゼットのパワーに対抗するため、トカッチたちはライトにトッキュウチェンジャーを渡し、最後の決戦を託す。みんなの思いを受け取ったライトは、虹色に輝くトッキュウレインボーに変身し、皇帝ゼットをぶった斬り。最後はダイカイテンキャノンの零距離射撃という荒技まで放ち、皇帝ゼットを瀕死の状態に追い込みます。



 今にも倒れそうなゼットの体から、また膨大な闇が噴出し始めた、その時! どこからともなく現れたグリッタ嬢(CV:日高のり子)操るクライナーが、ゼットを乗せて去っていきました。「陛下、闇は闇へ帰りましょう。陛下の欲しかったキラキラは、闇あってこそのこと」やっぱりグリッタ嬢生きてました。しかも、なんか最後、皇帝ゼットの手をそっと握って、ちょっといい感じ。シュバルツ将軍(CV:壤晴彦)に続き、皇帝陥落とは......マジでグリッタ嬢はメインヒロイン。



 さてシャドーラインとの戦いは終わったものの、もう子どもに戻れないライトたちは、故郷の昴ヶ浜を離れてレインボーラインで旅を続けることに。



 ところが駅に着くと、レインボーラインの総裁(CV:鳥海浩輔)から、いきなりの別れを告げられる。驚きながらも、いつもの調子で「じゃあ、最後にその頭取ってよ」と、おどけるライト。



「取れない。それに、なんでもすぐに答えを求めてはいけない。想像しなさい。そのイマジネーションで我々は存在し、走っている」



「いつでも皆さんのすぐ近くをね」



「だから、激しく忘れないでね」



 車掌さん(演:関根勤)とワゴンさん(CV:堀江由衣)も参加し、むむ、何やらシリアスな雰囲気。まさかシャドーラインを倒し、用なしになったトッキュウジャーはリストラか? そんな不安がみんなの心によぎります。その時。ライトたちの家族が、駅へ駆け寄ってきました。



「洸」「神楽」「美緒」と、それぞれの名前を呼びながら。第42駅で出した手紙のおかげで、彼らはライトたちのことを思い出したのです。久しぶりの再会に抱き合うライトたち。ううっ、ええシーンや。もっとも、「たくましくなっちゃって」と大きくなった光にチュッチュするお母さん(演:長谷部瞳)は、「役得」「代われ、彩香(役名)」など、ヒカリファンのお姉さんから恨まれてましたが。家族のイマジネーションも加わり、子どもの姿に戻ることができたライトたちに別れを告げて、烈車が発車します。空の彼方に遠ざかっていくレインボーラインを見送るライトたち。でも彼らは確信していました。「いつか、またあの烈車に会える」と。



 前回のキッツい引きから、バッドエンドはともかく、ちょっぴり寂しさが残るビターエンドくらいは覚悟してたんですが(ライトたちがレインボーラインのことを忘れちゃうとか)、まさかまさかの全方位ハッピーエンド! 個人的には、その後が描かれたEDで、トカッチとミオ(演:梨里杏/子どもver.は石井薫子)の仲が進展しているのが確認できて、もう本当に一安心。



 スタート前は「ダサイ」「昭和くさい」「ネタ戦隊」など、マイナスイメージを持つ人も多かった「トッキュウジャー」ですが、始まってみれば笑いあり涙あり興奮ありで、夢と希望と一部の人向けの萌えがいっぱい詰まった戦隊シリーズ屈指の名作だったと思います。



 この一年間、本当に楽しかったです。関わったスタッフ、キャストの皆さん。本当にありがとうございました......と、しんみり終わらせてくれるほど、東映さんは甘くありません。東京ドームのシアターGロッソではヒーローショー「最終烈車がやってくる!輝けレインボーライン!!」が開催中! 3月からは全国主要都市で「烈車戦隊トッキュウジャー ファイナルライブツアー2015」を公演! そして6月には完全オリジナル新作Vシネマ『行って帰ってきた烈車戦隊トッキュウジャー 夢のトッキュウ7号』が発売決定!! Vシネマでは謎の紫色の戦士も出るらしいんですけど、それってもしかして......終着駅に着いても、レインボーラインの運行は続きます。"トッキュウロス"な気になる人もそうでない人も、まだまだ乗り遅れのないよう、ご注意ください!! そして読者の皆様、ご愛読ありがとうございました!
(文/雑賀洋平)



このニュースに関するつぶやき

  • 明日はトッキュウジャーじゃないんだな…と思うと異常に寂しい。
    • イイネ!14
    • コメント 4件

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