男性の既婚率、600万円まで年収に比例して上昇 -1,000万円以上は低下

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2013年07月19日 07:01  マイナビニュース

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国土交通省はこのほど、2012年度の「国土交通白書」を発表した。同白書の第1部第2章第2節「住まい方の変化」の中で、「結婚・子育てに関する動向」についてが示されている。


○20代後半で男性は71.8%、女性は60.3%が未婚


未婚率は1970年代後半から上昇し、2010年時点で男性の25〜29歳では71.8%、30〜34歳 で47.3%、35〜39歳で35.6%、女性の25〜29歳で60.3%、30〜34歳で34.5%、35〜39歳で23.1%となっている。


50歳時点で一度も結婚をしたことのない人の割合を示す「生涯未婚率」も上昇傾向にあり、特に1990年代以降に大きく上昇し、2010年時点で男性は20.1%、女性は10.6%となった。資料によると、今後さらに上昇するものと考えられており、2030年には男性でおよそ27.6%、女性で18.8%が生涯未婚と見込まれている。


○妻の平均初婚年齢は29歳、第一子出生時の母の平均年齢は30.1歳


妻の平均初婚年齢は 1970年代半ば以降上昇傾向にあり、1975年時点で24.7歳だったものが、2011年時点では29.0歳となった。このような晩婚化に伴い、平均出生時年齢も上昇しており、第一子出生時の母の平均年齢は1975年には 25.7歳だったが 2011年には30.1歳にまで上昇している。


○35歳未満の未婚者、男性86.3%、女性89.4%が「いずれ結婚するつもり」


このように未婚化・晩婚化が進展する一方で、若者の結婚に対する意欲自体は依然として高い水準にある。


35歳未満の未婚者のうち、いずれは結婚したいと考える人の割合は、1982年以降、男性では85%以上、女性では90%前後の水準を保っている。2010年時点でも、男性で86.3%、女性で89.4%が「いずれ結婚するつもり」と答えており、結婚意欲自体が低下しているわけではないことが分かる。


○未婚者の40%超、結婚への障害に挙げるのは「結婚資金の欠如」


結婚に対する意欲自体は高い水準にあるにもかかわらず未婚化・晩婚化が進展している要因としては、経済的な制約が考えられるという。


未婚者にとってどのような要因が結婚の障害となっているかを見ると、男女とも未婚者の40%超が、結婚の障害となるものとして「結婚資金」の欠如を、男性で19%超、女性で15%超が「結婚のための住居」を挙げている。


若者の雇用形態別の婚姻状況を見ると、男性については、2010年度時点で正規雇用者の既婚率が27.2%となる一方、非正規雇用者の既婚率は6.7%となっており、両者の差が20ポイント以上となっている。女性については、正規雇用者の既婚率が28.2%であるのに対し、非正規雇用者では25.8%となっており、雇用形態による既婚率の差は男性ほど大きくない。


このことから、白書では「特に男性の非正規雇用者の増加が未婚化・晩婚化と関連している」と分析している。


○年収が婚姻状況に与える影響は?


さらに白書では、年収が婚姻状況に与える影響についても触れている。


男性では、年収が600万円までの区分では年収が上がれば上がるほど既婚率が高くなる。その一方で、年収1,000万円以上の人については既婚率が低下しており、ある程度の所得以上の階層においては既婚率が低くなることが分かった。女性の年収600〜800万円の人についても同様の現象が見られた。


これについては、「経済的にすでに自立していることから、結婚による追加的な経済的メリットを感じにくいこと等が理由と考えられる」との分析がなされている。


○独身者で親と同居する人の割合が増加傾向


未婚化・晩婚化に伴う若者の単身世帯の増加については、1985年に30代の単身世帯の割合は15.0%だったものが、2010年には32.2%にまで上昇。その後も上昇を続け、2035年には 35.3%になると見込まれている。


また、これまで結婚を機に親元を離れていた層が未婚化・晩婚化の進展とともに親元にとどまるようになったほか、これまで進学や就職に伴って親元を離れていた層の中でも、経済的な自立が困難という理由により親元に残る者が増えたことから、親と同居を続ける若者も増えている。


若者の配偶関係及び親との同居状況を見ると、独身者で親と同居する者の割合は20代、30〜34歳、35〜39歳のいずれの年齢層でも増加傾向にあり、2010年においては、20代で53.1%と過半数が、30〜34歳で27.6%、35〜39歳で20.1%が親と同居していることが分かる。


中でも、35〜39歳の年齢層における親との同居率の上昇が著しく、1995年から2010年にかけて割合で見ると10.9%から20.1%へ、人数で見ると85万人から193万人へ増加している。


○合計特殊出生率、合計結婚出生率は減少傾向


一人の女性が一生の間に生む子どもの数「合計特殊出生率」は、戦後1950年代から1960年代にかけて大きく減少し、1951年に3.26だったものが1960年には2.00まで落ち込んだ。1975年代以降は2.0を下回る水準で推移し、2005年には過去最低の水準となる1.26を記録した。近年は持ち直しの動きが見られ、2011年は 1.39となっている。


一方、夫婦の最終的な出生子ども数を意味する「合計結婚出生率」は、長期的に減少しており、1951年に3.61だったものが1995年には1.79となり、以降は2.0を下回る水準で推移しているが、合計特殊出生率と比較するとその減少幅は小さい。合計特殊出生率と同様に、近年は持ち直しており、2009年時点で1.86となっている。


また、夫妻の結婚年齢別にみた平均出生子ども数を見ると、妻の結婚年齢が 20〜24歳の夫婦(結婚持続期間15〜19年の場合、以下同じ)では平均出生子ども数が2.08人であるのに対し、25〜29歳では1.92人、30〜34歳では1.50人となっており、結婚年齢が高くなると出生子ども数が減少する傾向が見られる。


白書では「日本の少子化は、次の世代を生み出す若者人口自体が減少していることに加え、未婚化により子どもを持たない者が増えていること、晩婚化等により結婚した夫婦が持つ子供の数が減少していること等様々な要因によって引き起こされているということが分かる」としている。



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  • 理想が高い女性が多過ぎますね。
    • イイネ!16
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