【人生相談】婚活女の第一声が「年収は?」。胸のサイズを聞いたらビンタされた

家族や恋愛、お金や仕事など、日常における悩みは多いもの。ここでは、心理学者の平松隆円さんがマイナビニュースのQ&Aコーナーに寄せられた悩みにお答えします。

今回のお悩みタイトルは、「婚活女の第一声が「年収は?」だったので胸のサイズを聞いたらビンタされた」です。

■質問

婚活パーティで、相手の女性の第一声が「年収いくら?」の一言だったので、胸のサイズを聞いたら問答無用でビンタされました。ステータスを聞かれたから、そいつにステータスを聞き返しても良いと判断したのですが怒らせてしまったようです。

結構激しいビンタをくらったのでまーだヒリヒリします。これって冷やすだけじゃ駄目なんでしょうか? 腫れているだけなんですけど、オロナインとか塗ったほうが良いでしょうか? アドバイスをお願いします。

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■回答

胸のサイズはきいちゃダメ!

婚活パーティーは、結婚しようと考えているひとが、そのパートナーと出会う場所ですよね(もちろん、冷やかしや暇つぶしという人もいるかもしれませんが…)。ですが、結婚相手としての条件が、自分が求めているものと一致するかどうかなんて、初めて知り合ってから1時間やそこらで、わかるわけがありません。優しい、穏やか、社交的…。それが、内面に関する情報であれば、なおさらのこと。ですが、客観的な条件なら、まだわかりますよね。質問すれば、答えられるもの。たとえば、きょうだいがいるのかどうか、親と同居を希望するかどうか、そして収入など。性格の場合は、自分で優しい人だということはできませんが、年収がいくらかというのは客観的に示せます。なので、婚活パーティーなどでは、そういう収入などの客観的で、結婚生活にも大きく関係する事柄が質問されやすくなります。

ところで、ステータスを聞かれたからステータスを聞き返してもよいと判断したという理由で、胸のサイズを聞いたということですが、胸のサイズはステータスなのでしょうか。つまり、収入と胸のサイズは、同じような質問なのでしょうか。

収入は、景気の変動によって左右されます。会社の業績によって、いいときもあれば悪いときもあります。ですが、基本的に収入は個人次第ですよね。営業職であればノルマ以上の売り上げを達成して、エリア1位に、そして全国1位の成績を収めればインセンティブ含めて収入が上がる可能性があります。企画や広報でも同じこと。新しい商品を企画して、売れれば収入が上がる可能性があります。つまり、個人の努力次第で収入を上げられる可能性があります。「うちの会社は、働いても働かなくても収入は一緒」というのであれば、転職をするという方法もあります。それも、本人の判断次第です。

そういうと、「大学に勤めているから、そんなことがいえるんだ」という批判があるでしょう。ですが、ボクたち大学教員は基本的にはフリーランスです。大学というクライアントと契約して、教育(授業)という商品、研究(論文)という商品を提供して収入を得ています。ですので、対価に見合う教育や研究をしないと契約は切られますし、反対により良い条件を提示してくれる大学があれば移ります。じつは、大学教員というのは安定した職業ではないのです。

話がずれました。収入は、個人の努力の結果と考えることができます。ですが、胸のサイズは個人の努力では変えられないのです。体格やホルモンのバランスなど、個人の努力ではどうにもならないことが影響して、胸のサイズが決まります。身長も同じくことです。個人の力では、どうにもならないことを話題にするのは、あまり好ましいことではありません。TPOも関係しますが、人に尋ねて良いこと、悪いことって、難しいですね。頬の怪我、お大事にしてください。

(イラスト: のでこ)

○著者プロフィール

平松隆円…化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを経て、現在はタイ国立チュラロンコーン大学講師。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。主著『化粧にみる日本文化』(水曜社)は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響をよんだ。ほかに『黒髪と美女の日本史』(水曜社)など。

(平松隆円)

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