学校法人の土地売却を巡る横領事件で無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の山岸忍元社長(61)が国に損害賠償を求めた訴訟で、捜査に関わった大阪地検特捜部の検事の1人が「逮捕は待った方がいいと主任検事に意見した」と説明する陳述書を大阪地裁に提出したことが14日、分かった。
訴訟では6月、捜査に関わった検事4人の証人尋問が予定されている。国側は尋問を前に4人の陳述書を提出。このうち、事件で逮捕された学校法人元理事の取り調べを担当した捜査検事が進言していた。
陳述書によると、元理事は逮捕後の取り調べに対し、元社長の事件への関与をほのめかす供述をしていたが、検事に供述調書の一部撤回を申し出た。このため捜査検事は申し出の内容を主任検事に伝え「元社長の逮捕は待った方がいい」と意見したという。