50代おひとりさま、貯蓄が「400万円」は多い? 少ない? しっかり老後資産を増やすためには?

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2024年05月25日 21:20  All About

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金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」で、50代おひとりさまの貯蓄額をみてみましょう。もし貯蓄が「400万円」だとしたら、多いのでしょうか? 少ないのでしょうか?
50代になると、老後の生活が気になり、真剣に貯蓄を考える方が増えます。中でも、おひとりさまは、自由な老後を満喫するために「まとまった貯蓄を早く確保したい」と思う方がいるのではないでしょうか。

今回は、金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」で、50代おひとりさまの貯蓄額をみてみましょう。

また、もし貯蓄が「400万円」だとしたら、多いのでしょうか? 少ないのでしょうか? さらに今後、年金生活に向けて、手堅く老後資産を増やすためには何をすればよいのでしょうか。

50代のおひとりさま貯蓄400万円は多いのか?少ないのか?

「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によれば、50歳代の単身者の貯蓄額は以下のとおりです。

●50歳代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
・金融資産非保有:38.3%
・100万円未満:11.2%
・100万〜200万円未満:5.2%
・200万〜300万円未満:2.7%
・300万〜400万円未満:3.6%
・400万〜500万円未満:3.8%
・500万〜700万円未満:4.6%
・700万〜1000万円未満:5.5%
・1000万〜1500万円未満:4.9%
・1500万〜2000万円未満:4.1%
・2000万〜3000万円未満:4.4%
・3000万円以上:9.3%
・無回答:2.5%

この調査における「金融資産」とは「運用または将来の備えとしての資産」のことで、日常的に使う預貯金等は含まれません。「金融資産非保有」と答えた方の中で、銀行口座を持っていて、かつ、預貯金の額を回答した世帯のみの平均預貯金額は「397万円」で約400万円です。

上記のアンケートの結果にある「300万〜400万円未満」の3.6%、「400万〜500万円未満」の3.8%を含めても7.4%です。しかし、もし「運用または将来の備え以外の貯蓄に300万〜400万円、400万〜500万円を持つ人」をあわせて考えると、実際の割合はもっと多くなるでしょう。

参考として、50歳代の単身世帯における貯蓄額の平均値は1391万円、中央値は80万円です。

平均値は、貯蓄額が突出して多い世帯が影響して値を引き上げます。一方、中央値は、値の小さい順に並べた真ん中の値であり、実態に近いとされています。

そのため、貯蓄400万円というのは平均値と比べれば3割程度と少ないですが、中央値と比べれば5倍もあり多いといえるでしょう。

貯蓄400万円から今後、手堅く老後資産を増やすためには?

いま貯蓄400万円の人は将来に向けて貯金を増やしていくようにしましょう。50代になれば比較的収入は安定していることが多いですが、支出は人それぞれです。おひとりさまの中には、今まで支出を管理せず、気ままに過ごしてきた方もいます。まずは、以下の2つを確実に行い、貯める習慣を身につけましょう。

1:収支を把握する

たとえ収入が多くても、それ以上の支出があればお金は増えません。むしろ、いつもお金が足りないという欠乏感やお金が減る不安がつきまといます。早い段階で収入に見合う支出となるよう見直しを行った方がよいでしょう。

たとえば、これからの老後を考えるときは、以下について確認しておきましょう。

【収入】
定年後の収入の柱は原則65歳からもらえる老齢年金です。自分が将来もらうはずの年金額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などを活用し、正確な見込み額を把握しましょう。

【支出】
現役時代の金銭感覚のまま年金生活に入ると、毎月赤字になり、貯金からの持ち出しが多くなります。そうならないためにも、現役時代から上記で確認した年金内で家計費を収めるようスリム化しましょう。

中でもスリム化に向いている費用は、通信費、保険料、住宅費、水道光熱費、駐車場代、サブスクで契約している商品やサービスの料金などの固定費です。

固定費は、解約手続きや契約の見直しなどがあり面倒と感じますが、一度見直せば大幅に支出を見直すことができ、効果も継続する費目です。

【特別支出】
支出には、家計費のように毎月一定の額、発生するものもありますが、突発的に発生するものもあります。突発的な支出を「特別支出」といい、家電の買換え、自動車保険料や車検代、固定資産税、ペットの病院代、家の修繕代、慶弔費などがあります。

これらの費用は、現役時であれば、特に細かく管理せずとも、ボーナスなどでやり繰りできたかもしれません。しかし、老後、限られた資金をうまく回すためには、現役の時期から、あらかじめどんな支出が発生しそうか書き出して、管理することを習慣化しましょう。

2:先取り貯蓄をする

先取り貯蓄とは、毎月、給与をもらったら、すぐに手取りの20〜30%を目安に貯蓄し、残った金額でやりくりする方法です。「お金が残ったら貯蓄する」のではなく、先に貯蓄分を確保してしまう方法です。

この方法の良い点は以下の3つです。

・毎月の貯蓄を給料日に引き落としになるよう自動設定しておくと確実性が高い
・月末に発生する支払いを除いて、それ以外のお金は全部使える
・予算内で支出を管理する習慣がつく

このしくみをいち早く取り入れ、老後、年金生活をする際も継続するようにしましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))

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