Snapdragon X Elite搭載の「Snapdragon Dev Kit for Windows」登場/Microsoftが「Team Copilot」や「Copilot Studio」の新機能を発表

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2024年05月26日 06:11  ITmedia PC USER

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米QualcommがSnapdragon X Elite搭載の「Snapdragon Dev Kit for Windows」を発表した

 うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、5月19日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!


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●Snapdragon X Elite搭載の「Snapdragon Dev Kit for Windows」登場


 米Qualcommは5月22日(現地時間)、同社の最新SoC「Snapdragon X Elite」を搭載した「Snapdragon Dev Kit for Windows」を発表した。Snapdragon Xシリーズなどを搭載する次世代AI PC向けのアプリケーションを開発するための開発環境として利用されることを想定する。


 米MicrosoftとQualcommは、これまでもArmアーキテクチャベースの開発者向けPC「Windows Dev Kit 2023」を販売していた。従来はSnapdragon 8cx Gen3を搭載していたが、Snapdragon Dev Kit for Windowsでは最新のSnapdragon X Eliteとなる。主な仕様は下記の通り。


・SoC:Qualcomm Snapdragon X Elite(X1E-00-1DE)


・メインメモリ:32GB(LPDDR5x)


・ストレージ:512GB(NVMe)


・外部ポート:USB4(USB Type-C)×3、USB 3.2 Standard-A×2、HDMI出力×1、有線LANポート、3.5mmジャック


・ワイヤレス通信:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4


 価格は899ドルで6月18日発売予定だ。


●Microsoftが「Team Copilot」や「Copilot Studio」の新機能を発表


 米Microsoftは5月21日(現地時間)、年次開発者会議「Build 2024」にて、Copilotの新機能として「Team Copilot」「エージェントとして機能するカスタムCopilot」「Copilot拡張機能」の3つを発表した。


Team Copilot


 Team Copilotは、Copilotをパーソナルアシスタントではなく、チームメンバーとして機能させるもの。会議のファシリテーターや、グループコラボレーター、そしてプロジェクトマネジャーなどの役割を担い、会議の進行や議題管理、タスク管理などを行う。Microsoft Copilot for Microsoft 365のユーザー向けに、2024年後半にプレビューで利用可能となる。


エージェントとして機能するカスタムCopilot


 Copilot Studioの新機能として、独立したエージェントとして機能するカスタムCopilotが作成可能になる。ユーザーの指示に従い、以下のようなことが可能になる。


・長期にわたるビジネスプロセスを自動化


・アクションとユーザー入力の推論


・メモリを活用して文脈を考慮


・ユーザーからのフィードバックに基づいて学習


・例外リクエストを記録し、サポートを要請


 Copilot Studioの新機能は、限定的なプライベートプレビューとして提供中だ。2024年後半に広く利用可能になる予定だという。


Copilotの拡張機能


 Copilotの拡張機能は、Copilotアクションをカスタマイズし、Copilotをデータや基幹業務システムに拡張できるようになる。開発者は、Copilot StudioまたはTeams Toolkit for Visual Studioを使用してこれらの拡張機能を構築できる。


●次期大型アップデートの「Windows 11 24H2」がRelease Previewチャネルに


 米Microsoftは5月22日(現地時間)、Windows 11の次期大型アップデートとなる「Windows 11 バージョン 24H2(Build 26100.712)」をWindows InsiderのRelease Previewチャネルで配信開始したと発表した。


 Windows 11 24H2では、先日発表したRecallなどの新しいAI機能に対応するが、これを利用するにはSnapdragon Xシリーズを搭載したCopilot+ PCが必要となる。このため、既存PCのアップグレードではこれらの新AI機能は利用できない。


 ただ、24H2では他にもデスクトップ背景のHDRサポート、省電力機能の改善、Sudo for Windows、Rust製Windowsカーネル、Wi-Fi 7サポート、音声明瞭化機能、7-ZipおよびTARアーカイブ作成機能などの新機能が追加されている。


 また、これまで画面右端に表示されていたCopilotが通常のアプリと同様の表示となり、ウィンドウの移動やサイズ変更に対応する。


●「Windows Copilot Runtime」発表 全てのWindowsのレイヤーにAIを


 米Microsoftは5月21日(現地時間)、WindowsをAI開発のための最もオープンなプラットフォームにすることを目指し、新たに「Windows Copilot Runtime」を発表した。Windowsの全てのレイヤーでCopilotの機能を組み込んだ開発を簡単に行えるようになる。


 開発者は、簡単な設定トグルでアクセスできる高レベルのAPIから、独自の機械学習モデル導入まで、さまざまな方法でWindows Copilot Runtimeを利用できる。


 また、DirectML、ONNX Runtime、PyTorch、WebNNなどのAIフレームワークや、Olive、AI Toolkit for Visual Studio Codeなど一連のツールにより、開発者は独自のモデルを導入し、Windowsハードウェアエコシステム全体に渡ってAIアプリをスケールアップできる。


 Windows Copilot Runtimeに含まれるWindows Copilot Libraryは、Windowsに組み込まれている40以上のオンデバイスAIモデルとDiskANNなどの最先端のアルゴリズムを活用した一連のAPIが含まれている。Studio Effects、ライブキャプション翻訳、OCR、ユーザーアクティビティーによるReCall、Phi Silicaなどのすぐに使用できるAI APIで構成されており、開発者は6月に利用可能になるという。


●3DMarkのエディション名が変更に 新テスト「Steel Nomad」公開


 米UL Solutionsは5月21日(現地時間)、クロスプラットフォームベンチマーク「3DMark Steel Nomad」と「3DMark Steel Nomad Light」を発表した。従来の「Time Spy」の後継となる非レイトレーシングのGPUベンチマークで、全ての3DMarkユーザーが無料で利用できる。


 Time Spyは2016年にリリースされたが、時間の経過とともに平均スコアは3倍になった。これは、ゲームおよびハードウェアテクノロジーの発展と並行して、Time Spyが老朽化し始めていることを意味しており、非レイトレースの新しいベンチマークが必要になったとしている。


 なお、Time Spy自体は廃止するわけではないが、最新ハードウェアでは最新のベンチマークを利用することを推奨している。


 Steel Nomadは超高負荷、Steel Nomad Lightは中負荷のテスト(この他に、マルチプラットフォーム対応の軽量版「Steel Nomad Lite」もある)で、どちらもネイティブ4Kで実行される(テスト環境に4Kディスプレイは不要)。負荷はTime Spyの約3倍、Fire Strikeの約7倍になっているという。


 なお、ベンチマークシーンを探索し、グラフィック設定を切り替えたり変更したりできるExplorer Modeも用意されている。いくつかの秘密の場所や、過去25年間の3DMarkベンチマークを参照する多くのイースターエッグが隠されているとのことだ。


 なお、今回の新ベンチマーク公開に合わせて、3DMarkの各エディションの名称が以下のように変更された他、リリース記念の75%オフセールも実施中だ。


・3DMark Basic Edition →3DMark Demo


・3DMark Advanced Edition→3DMark


・3DMark Professional Edition→3DMark for Enterprise


●「PowerToys 0.81」で「Advanced Paste」機能を追加 AIの力も


 米Microsoftは5月22日(日本時間)、Windows 10/11向けユーティリティーアプリ「PowerToys」の最新版(バージョン0.81.0)をリリースした。新ユーティリティーとして「Advanced Paste」が追加された。


 Advanced Pasteは、クリップボードのコンテンツを別の形式に変換して貼り付けることができるツールだ。書式を無視してプレーンテキストとして貼り付け、Markdown形式で貼り付け、JSON形式で貼り付けが用意されている。


 また、AI機能を搭載しており、例えば長文をコピーし、それをマーク・トウェイン風の文体で貼り付けたり、内容を要約したりといったことが可能になる。ただし、利用するにはOpenAIでAPIキーを取得し、それを登録する必要がある。なお、API経由での利用は有料なので、OpenAIアカウントに有効なクレジットがないと利用できない。


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