デリバリーの配達員さんも、届けたことを知らせるために良かれと思って押すのでしょう。みんなにインターホンをなるべく鳴らさないでもらう方法はなにかない……? 私はペンを手に取り、玄関のインターホンの隣に張り紙をしました。
「まぁもしかしたらせっかくのご飯が冷めちゃうから、すぐ受け取ってねっていう優しさだったのかもね……」そうは言っても、インターホンが鳴るたび私は追い詰められるような気分だったのです。育児のご褒美のはずが逆効果になってしまうところでした。
なにも配達員さんだって、私を苦しめたくてインターホンを押していたんじゃないのです。きっと気遣いゆえの行動だったのでしょう。毎日の育児でイライラが募るなか、優しい言葉をかけてもらって涙が出そうになりました。
アプリで「インターホン不要」とだけ伝えても、事情が分からない人は「対面したくないだけなのかな」と思うのかもしれません。家にこもって双子の子育てに追われる私の姿なんて、誰にも見えませんものね。もらったメモのように、相手が嬉しくなる言葉を残してお互い気分よく過ごせたら……。日々の育児に追い詰められて余裕がなくなっていましたが、自分も誰かに気遣える人でありたいと思えるようになりました。
|
|