西武ライオンズ、球史に残る“弱さ”だったが…優勝予想していた解説者と順位予想の“闇”

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2024年09月22日 16:11  日刊サイゾー

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松井稼頭央(GettyImagesより)

 プロ野球はいよいよシーズン大詰め。優勝争いやタイトル争いが白熱しているが、すでに確定しているのはパ・リーグの最下位だ。序盤から不調だった西武の最下位が早々に決定。今年の西武はとにかく弱かった。

「西武は昨年、チームのレジェンドである松井稼頭央が監督に就任するも、結果は5位。今季は屈辱を晴らすはずのシーズンでしたが、順調だったのは序盤の数試合だけでした。開幕3カードを6勝3敗でクリアしたものの、そこから7連敗ですぐに借金生活に突入。4月後半に最下位に落ちると1度も這い上がれず、20試合近く残して最下位が決まりました。攻撃では、打率、本塁打、打点、四球など、あらゆる数字がリーグ最低で、1試合平均2.3点という数字はまるでサッカーです。投手陣は防御率リーグ4位と健闘していますが、メジャー挑戦の意志を表明しているエース・高橋光成はここまで0勝11敗。同じくメジャー志願の平良海馬はわずか3勝。松井監督は5月に事実上更迭され、5月から8月にかけては“4カ月連続8連敗”というパ・リーグ記録も作るなど、とにかく散々な1年でした」(週刊誌スポーツ担当記者)

 プロ野球の歴史を紐解けば、勝率2割台だった2005年の楽天、2008年から2012年まで5年連続最下位だった横浜、96敗した2017年のヤクルトなど、最弱チーム候補はいくつもあるが、今年の西武の特徴は、事前の評価が決して悪くなかったことだ。その証拠にシーズン前の順位予想では、西武を1位にあげた解説者もいた。

「今季のパ・リーグの優勝予想は、3連覇中のオリックスと戦力が充実するソフトバンクに票が集中。最下位予想は楽天が圧倒的に多く、2年連続最下位の日本ハムがそれに続く形で、西武は昨年の5位から巻き返すとの予想が大勢を占めました。シーズン前の各スポーツ紙の順位予想を確認すると、佐々木主浩、高木豊、清水隆行、安藤統男、吉見一起が西武を1位に予想。また、谷沢健一、谷繁元信、須藤豊、真中満、若菜嘉晴、杉本正らは2位に推しており、ここまでの低迷ぶりはプロでさえ全く予想できなかったことが分かります」(フリーの野球ライター)

 予想は外れるものだが、6頭立てのレースでここまで外すのもなかなか酷い。もっとも、解説者の順位予想は、そのまま鵜呑みにするものではないという。

「解説者にとって順位予想は厄介な仕事です。戦力を冷静に判断して順位をつけようにも、古巣を最下位にするわけにはいかないし、自分が世話になった恩師や先輩が監督を務めるチームに低評価をつけるのもマズい。ほとんどの解説者は現場に戻りたいわけで、将来自分をコーチなどに呼んでくれそうな人がいるチームには当然、忖度が働きます。

 どこで仕事をしているかも重要です。全国区のスター解説者は素直に順位予想すれば良いですが、地方がベースの解説者は地元チームを1位に置かざるを得ない。実際、達川光男は今年、巨人を1位に予想したら、地元・広島でファンから猛烈に野次られたと話しています。

 さらに、当たり前の予想をしてもつまらないという意識も働きます。当てるのが目的なら、前年の優勝チームを機械的に1位にしておけば大ハズレはない。しかし、それでは何の面白みもないので、明らかに“逆張り”する人も見受けられます。根拠さえしっかりしていれば1つのエンタメとして成立しますし、万が一予想が当たれば名前は高まる。要するに、誰もが本気で当てに行ってはいないということです」(前出・スポーツ担当記者)

 そこまで頭に入れたうえで、今年西武を1位予想した解説者の来年の順位予想を見ると、さらに面白いかもしれない。

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  • それでもドームに詰めかけ最後の最後まで応援を続けている西武ファンには頭が下がるし、選手、球団、NPBは彼らへの感謝をそれぞれの立場で示すべき。
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